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2013-06-22(Sat) [長年日記]

_ artonさんに機龍警察をプッシュしたもしくは『機龍警察 暗黒市場』(月村 了衛)について

artonさんが機龍警察1巻だけで終わりそうな感じだったので、2巻目以降をプッシュして続きを買わせることに成功した(ぉ

そういえば、3巻目になる『暗黒市場』の書評書いてなかったなぁと思い出したので、ちょろっと書いておく。まぁ、実際のところ、『暗黒市場』は吉川英治文学新人賞受賞したので、俺が書くまでもないんだけど。

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)(月村 了衛)

本書は突如、龍機兵パイロット、ユーリ・オズノフが特捜部との契約を解除されるという驚きの幕開けで始まる。ユーリは龍機兵の技術を土産に武器密売を手掛けるロシアン・マフィアに接触する。一方、沖津はブラックマーケットに出品されると噂される新型機甲兵装が龍機兵であることを疑い、捜査に着手する。ユーリが胸に秘めた思惑とは──。

ストーリーは、モスクワ市警の「最も痩せた犬たち」と言われたエリートチームの一員だったユーリがなぜ市警を離れることになったのかを描いた過去パートと、現在を描いた現在のパートの2つで構成される。

構造的には『自爆条項』とほぼ同じ訳だが、前巻と同様、丹念に描かれた過去パートが非常に読ませる。ロシアを舞台にした警察小説としては、まさに世界に通用するといってしまっても過言ではない。

心に深い傷を負い、遠く日本へと流れて、警官に戻りたくても警官になれない自分自身を戦うユーリを描いた現代パートのデキもぴかいち。恥辱にまみれながらも、再び立ち上がろうとするユーリに胸が熱くなること必至である。

『自爆条項』を日本警察小説の大きな収穫と書いたが、本書もその言葉にふさわしい一作だ。

未読の向きは一巻から読むことを強くオススメしたい。