«前の日記(2012-01-01(Sun)) 最新 次の日記(2012-01-06(Fri))» 編集

[email protected]



2012-01-05(Thu) [長年日記]

_ 『幻夢の時計』──全裸のタイタス・クロウがコナンばりに大暴れする〈タイタス・クロウ・サーガ〉第3弾。ラムレイ先生、どこまでもついていきます!

幻夢の時計 (タイタス・クロウサーガ) (創元推理文庫)(ブライアン・ラムレイ/夏来 健次)

正月前に読み終わっていたんだけど、すっかり書評を書くのが遅くなってしまった。

ブライアン・ラムレイによるクトゥルー神話作品〈タイタス・クロウ・サーガ〉シリーズ第3弾。前巻『タイタス・クロウの帰還』から3年ぶりの登場である。

前巻の書評の最後は

本書では見られなかったタイタス vs CCDの激突と〈ウィルマース・ファンデーション〉の活躍が読めることを期待したい。

なんて感じに締めてみた。そして、遂に本書が刊行された。

期待半分、恐しさ半分。そんな気持ちで表紙を開いてみた本書だが、実際に読んでみたら「コズミックホラー? なんだそれー!」ってな感じに、こちらの予想をぶっ飛す斜め上のストーリーに悶絶。ラムレイ先生、色々な意味ですごいです。

盟友タイタスからの誘いで、時空往還機を駆り旧神の国エリシアに向かっていたアンリ・ド・マリニー。旅の途中、ド・マリニーは旧神クタニドから、タイタスとタイタスの恋人にしてクタニドの娘、ティアニア姫が邪神により囚われの身となっていることを知らされる。二人が捕えられているのは〈夢の国〉──限られた者だけが眠りの中で到達できる国だった。クタニドはド・マリニーには〈夢の国〉に赴ける〈夢見人〉としての能力があることを告げ、二人の救出を命じる……。

〈夢の国〉といえば、クトゥルー神話ファンであればご存知、ラヴクラフトの「未知なるカダスを夢に求めて」に登場する彼の地。

そこを舞台にどんな物語が展開するかと思いきや……全裸のタイタス・クロウが短剣片手にコナンばりに怪物と死闘を繰り広げ、時空往還機がビームを発射しまくるヒロイックファンタジーなんですな。

活躍を期待していたウィルマース・ファンデーションも、プロローグに2箇所ばかり登場するだけ。

もうコズミックホラーなんてものとは全然別の次元にいっちゃってます。

ただ、面白くないかといえば、狭義な意味でのクトゥルー神話という枠にはめなければ、それなりに面白いかなーという感じ。〈夢の国〉の設定もしっかりしてるし。

まぁ、今や、萌えを前面に押し出したクトゥルー神話なラノベやガイドなんか出ているしね。固いこと言いっこなしということで。

ラムレイ先生、どこまでついていきます!

Tags: 書評