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2011-12-29(Thu) [長年日記]

_ 『ニューヨーク地下都市の歴史』──筋金入りの地下マニアの著者が、ホラー映画や小説の舞台にもなったニューヨークの地下についての豊富な写真を交じえつつ語った一冊

ニューヨーク地下都市の歴史(ジュリア ソリス/Julia Solis/綿倉 実香)

ニューヨークの地下は、数々のホラー小説や映画の舞台になってきた。たとえば、映画『ミミック』では遺伝子改造されたゴキブリが巣喰う場所になっていたし、小説『レリック2』では最後の秘境扱いだった。

このようなイメージの出所はジェニファー・トスの『モグラびと』によるものだと思われるが、しかし、本書によるとトスの著書はかなり誤謬が混じっており、今では数多くの間違いが指摘されているという。

著者は1964年生まれの女性。ニューヨークの地下を趣味で探検してきたという経緯を持つ。

911当日、ニューヨークの地下鉄に乗っていた著者は、世界貿易センタービルがテロ攻撃に当たって、咄嗟に昔探検したことがある放棄された地下鉄のトンネルに逃げ込むことを考えたという。それくらい筋金入りの地下マニアなのである。そんな著者がニューヨークの地下都市について書いた本であるから面白くない訳がない。

強固な岩盤があるかと思えば、その横に脆弱な沖積土があり、さらに地下に隠れてしまった川まであるニューヨークの地下は建設関係者泣かせであったという。そんなニューヨークの地下に初めてトンネルが掘られたのは1837年。ニューヨーク北側のクロトン川から取水するための水道トンネル、クロトン・アクアダクトだったそうだ。

クロトン・アクアダクトは1955年に運営停止されたが、著者は現存するクロトン・アクアダクトを見つけ出し、実際にその中を辿っている。

著者は『モグラびと』の誇張された地下世界について否定しているが、それでもニューヨークの地下は謎に満ちた魅力ある場所であることは間違いない。事実、閉鎖から130年以上経って、それまで謎とされていた地下鉄のトンネルが発見されたこともあるそうだ(ちなみに、そのトンネルは今はパーティー会場などに使われているという)。

本書で一番興味深い謎はグランドセントラル駅の地下についてのもの。グランドセントラル駅が地下何階建てかを知る者はいないというのだ。トスは『モグラびと』でその階数を7階としているが、コロンビア大学の教授は2階しかないという。しかし、著者が出会ったある作業員は地下15階にもなっているという。まさに謎のダンジョンそのものだ。

ニューヨークの下水道に白いワニが住むという都市伝説の元ネタや、なぜ冬にニューヨークの路上には水蒸気が噴き出しているのかといったトリビアから、モグラびとたちの痕跡、911で失われた世界貿易センタービルの建設の歴史まで、ニューヨークの地下についての豊富な写真を交じえつつ語ったオススメの一冊である。

Tags: 書評

_ WEB+DB PRESS Vol.66 #wdpress

WEB+DB PRESS Vol.66(猪狩 丈治/じゅんいち☆かとう/大和田 純/白土 慧/みやけん/小野 修司/個々一番/中島 聡/おにたま/角田 直行/久保 達彦/はまちや2/竹内 真/高井 真也/成田 一生/ココロ社/小飼 弾/ミック/太田 昌吾/WEB+DB PRESS編集部)

定期購読しているのでとっくに届いていたんだけど、忙しくて今日になって、やっとちゃんと読めた。といっても途中までだけど。

今回もきちんとしたHTML構造化やアルゴリズム、クックパッドのインフラから開発スタイルまでと、盛り沢山な内容の特集でとても良い。

特にアルゴリズムは全然分かってないので読んでおかないと。

連載については、PHPでも、JSでも、言語関係なく、完全にCIは導入して当たり前っていう感じになっているようなので、導入していない身としては、ちと恥ずかしくなった。新年一番の作業ですな。

Rubyの連載もBundlerの分からなかったモヤモヤが解消できていい感じ。

色々詰まっていて、個人的にはすごくいい号でした。

Tags: 書評