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2011-12-19(Mon) [長年日記]

_ 『NOVA6』──日本作家による書下しSF短編アンソロジー第6弾。宮部みゆき「保安官の明日」がオススメ

NOVA 6---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)(大森 望)

日本作家の書下しSF短編を集めたオリジナル・アンソロジー〈NOVA〉シリーズも、もう6冊目。SF短編の発表メディアが少なくなった昨今、重要な発表の場所と地歩を固めた感がある。

今回は新人特集ということで、全10作のうち、実に5作が新人作家によるものだ。

全体の感想としては、低調気味かなーというのが正直な感想。

そんな中で、トリを飾った宮部みゆきの「保安官の明日」はさすがベテランといいたくなるデキ。人口823人の〈ザ・タウン〉で起きた事件に挑む保安官を通して、徐々に謎が明らかになるという構造で、読了後に読み返したくなる一作だ。

その他、新人二人の作品も良かった。

ひとつ目は軌道エレベータを人力で登る男の15年間を描いた七佳弁京のバカSF「十五年の孤独」。発想はバカSFだが、筆致は極めてまともなので、真面目なSF者もご安心を。

もうひとつは松崎有理の「超現実の彼女」。こちらは先日、上梓された短編集『あがり』(書評はこちら)に収められた「代書屋ミクラの幸運」の前日譚にあたるストーリーになっている。ただ、SFといえるかどうかというとビミョーなところというか、個人的な基準からは外れているなぁ。

まぁ、面白ければ、すべてよし、だけどね。

Tags: 書評 SF