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2011-12-09(Fri) [長年日記]

_ 『あがり』──第一回創元SF短編賞受賞作家による地方大学を舞台にした理系SF短編集

あがり (創元日本SF叢書)(松崎 有理)

第一回創元SF短編賞を受賞した「あがり」で新人らしかなる力量を見せた松崎有理の初短編集が本書。

デビュー作「あがり」のほか、4つの短編が収録されている。いずれの作品も東北の町にある「北部地方最大規模の蛸足型大学」を舞台にしているこそ共通だが、どれも違った趣きを持っていて、楽しく読めた一冊だ。

文体は読み易いが、カタカナ名詞を一切使わない点は独特。頁(ページ)や釦(ボタン)はまだ分かるのだが、バスを「大型旅客車両」、コロッケを「じゃがいもをゆでてつぶし、たまねぎと挽肉を混ぜて小判型にして揚げた」と表現するのは、ちょっとやりすぎな感じがしないでもないw

「あがり」はアイデアはともかく、ちょっと専門的すぎる面があって、ストーリー構成に少し難があったのだが、それからわずか一年で、腕を上げているのには驚かされた。書き下ろしの「へむ」なんて、思わずほろっとくる良い話に仕上がっている。

収録作の個人的なベストは「へむ」。子どもたちと、彼らにしか見えない地下道に住む不思議な生き物「へむ」との交流を描いた「トトロ」の流れを組む王道ともいえる一編だ。

論文を代わって執筆することを生業にする青年を主人公にした「代書屋ミクラの幸運」もオススメ。

Tags: SF 書評
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
_ ハシゴ (2013-12-31(Tue) 01:34)

ユルく、ふわりかな♪ <br> <br>松崎有理さんの新作『代書屋ミクラ』を読みました。 <br>ふんわりしてたな〜。 <br> <br>birthday-energy.co.jp/ってサイトは松崎有理さんの本質にまで踏み込んでましたよ。宿命を読み取ると、体温を感じない、飄々としたひと、なんだそうな。コラムをぜひ読んでね♪今後に期待です! <br>「ハレる運命2014」も配信中!!