«前の日記(2011-04-30(Sat)) 最新 次の日記(2011-05-02(Mon))» 編集

[email protected]



2011-05-01(Sun) [長年日記]

_ 宇宙開発SFアンソロジー『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』を読んだ

ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)(アーサー・C・クラーク/スティーヴン・バクスター/アダム=トロイ・カストロ/ジェリイ・オルション/アンディ・ダンカン/ウィリアム・バートン/ジェイムズ・ラヴグローヴ/エリック・チョイ/中村融/鷲尾直広/浅倉久志)

『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』『スティーヴ・フィーヴァー』と読んだが、実はSFマガジン創刊50周年記念アンソロジーの第1弾は、宇宙開発SF傑作選である本書だったりする。

本書に収められているのは全7篇。どうも欧米人にとって宇宙開発というのは、アポロ計画が進められていた60年代が絶頂期だったようで、あの時代へのノスタルジックな想いが込められた作品が多いように感じた。まぁ、そういうのも悪くはないのだが、もうちょっと前向きな姿勢がSFには相応わしいようにも思う。

とか書きながら、一番大好きな宇宙開発SFは、アポロ11号の偶発的な事故により米ソが徹底的に対立、宇宙を舞台にした果てしのない軍拡が進められるという悪夢的な世界を描いたスティーヴン・バクスターの「軍用機」(『20世紀SF』第6巻所収)なんですけどね!

収録作のベストは、アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルションによる表題作「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」。典型的な宇宙人、グレイと同じ外見を持って生まれてしまった少年が宇宙飛行士となり火星を目指すという物語からは、前向きな宇宙への強い憧れが立ち上がってくる。ラストの1行が感動的。

二番目は「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」と僅差で、アンディ・ダンカンの「主任設計者」。実在のロケット技術者であるセルゲイ・コロリョフの生涯を通じて、ソ連時代の宇宙開発を描いた一作だ。歴史改変ものだそうだが、ソ連時代の宇宙開発史に疎いので、どこが改変されているのか分からなかったのだが、そういうこと抜きで面白く読めた。

ただ、ソ連時代の宇宙開発を扱ったSFでは、スティーヴン・バクスターの「ゼムリャー」や佐藤大輔の『遥かなる星』の方がSF的な面白さは上なので、二番目にしておいた。

三番目はスティーヴン・バクスターによるパラレルワールドの転移現象に巻き込まれ、様々な世界を渡り歩くことになる宇宙飛行士の物語「月その六」。ある世界では月に植民地が作られ、またある世界では人類は宇宙開発自体に興味を持っていないと、短篇にも関わらず、まったく違う世界を描いていく手腕は見事。違う世界の宇宙飛行士たちが一堂に会するシーンなんていうのもある。

それにしても、俺はスティーヴン・バクスターの宇宙ものが大好きなんだなぁ、ということが再確認できた一冊でもありました。バクスターの未訳の宇宙開発ものも多いらしいので、この機会に訳してくれないかなー。

あと、ぜひ『遥かなる星』のつづきを……(血反吐)。

20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 (河出文庫)
グレッグ イーガン/ダン シモンズ/中村 融/山岸 真
河出書房新社
¥ 998

遙かなる星〈1〉パックス・アメリカーナ (トクマ・ノベルズ)
佐藤 大輔
徳間書店
¥ 780

Tags: 書評 SF

_ GW3日目

農作業しようかと思っていたけど、10時くらいから強風が吹き出したので、諦めて、家で毎週の定期タスクの消化など。

風が止んでから、スーパーとホームセンターで買い物。

全体的にのんびり過ごした日でありました。

明日は会社で、火曜日からまた3連休なので、そっちの休みでは積極的に動くことにしよう。

Tags: 日常