«前の日記(2010-07-27(Tue)) 最新 次の日記(2010-07-29(Thu))» 編集

[email protected]



2010-07-28(Wed) [長年日記]

_ ねんがんの あいぱっど をてにいれたぞ!

ねんがんの あいぱっど をてにいれたぞ!

(実は昨日のことだけど)本が好き!のキャンペーンで当たったiPadが到着。本当にありがとうございます! > 本が好き!運営のみなさま。

まだ、保護フィルムとケースが届いていない。傷をつけるとイヤなので、開封の儀は明日以降。

とりあえず、iPadアプリを集めておこうかな。

Tags: 日常 iPad

_ 13世紀のヨーロッパを舞台に展開される歴史ミステリー。異端審問の嵐が吹き荒れた陰鬱な中世の雰囲気を巧みに取り入れつつ、巨大な陰謀を描き出す力作だ ── 『我らの罪を許したまえ』

我らの罪を許したまえ(ロマン・サルドゥ/山口 羊子)

『我らの罪を許したまえ』は、13世紀のヨーロッパを舞台に展開される歴史ミステリー。異端審問の嵐が吹き荒れた陰鬱な中世の雰囲気を巧みに表現しつつ、その上で陰謀を描くという、74年生まれの新人によるデビュー作とは思えない力作だ。

ストーリーは1290年にフランスで開かれた宗教裁判から幕を開ける。そこで語られるのは、〈メギド事件〉と呼ばれた、ある巨大な企みが明るみに出る発端となった出来事だった。時は、遡ること7年前。ドラガン司教区という寒村に、切断された遺体が次々と上流から流れ着きはじめたのだ──。

そして、その事件から1年後の1284年・冬。ドラガン司教区を治めるアカン司教の元を黒衣の騎士が訪れる。アカンの部屋に騎士が通されてしばらくした瞬間、絶叫と轟音が鳴り響いた。慌てて駆け付けた助祭たちが見たものは、逃走する騎士と頭部を吹き飛ばされたアカンの遺体だった……。

司教が殺害されたその日、ドラガンを一人の司祭が訪れる。司祭の名前は、アンノ・ギ。アカンが着任を心待ちにしていた人物が、奇しくもアカンが死んだ日に到着したのだ。

アカンはギを、ドラガンの上流にあるウルトゥルーという村へ派遣しようと計画していた。ウルトゥルーは呪われた村とも呼ばれ、なぜか、キリスト教に教化されていなかったのだ。ギはアカンの遺志を受け、ウルトゥルーに布教すべく旅立つ。ドラガンの助祭シュケもまた、謎に包まれたアカンの過去を探るべく、アカンの遺体とともにパリに向かう。

一方、ローマでは、不祥事を起こした息子の助命を求めるため、高名な騎士、グランセリエが教皇庁を訪れていた。グランセリエは、息子の命を救う代わりに、ある組織のために働くことを承諾する。

この三つの物語が軸となってストーリーが織り成されていく。三本のストーリーが収斂し、巨大な真相が立ち上がってくるストーリー構成は見事。暗殺された司教の謎、明晰な頭脳を持つ司祭、未知の言語を話し自分達の宗教を信じる住民たちの村、僧院での拷問、見え隠れする陰謀の影などなど、魅力的な引きが読み手を物語に引き摺り混んでいく。

ストーリーの着地点については、個人的にはあまり好みのものではないが、まぁ、ここはあくまでも好みの問題。本書の瑕疵では決してない。読む価値ありの太鼓判が捺せる作品だ。

なお、本書の訳者あとがきは、かなりネタバレ気味なので、あとがきから読むタイプの人は注意のこと。

あ、それから、ネクロノミコンが出るというお遊びもあります。