ぽっぺん日記@karashi.org
2010-04-08(Thu) [長年日記]
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ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄(白戸 圭一)──アフリカの姿を経済と暴力という視点から描き出した渾身のルポルタージュ
毎日新聞のヨハネスブルク特派員だった著者が、現在のアフリカの姿を経済と暴力という視点から描き出した渾身のルポルタージュが本書。
かつて経済成長などというものとは無縁であったアフリカ諸国は、近年、地下に眠る資源により右肩上がりの急成長を遂げている。しかし、そこから生まれる富にアクセスできるものは、ごくごく一部。ほとんどの人間は、いまだに貧困にあえいでいる。いってみれば、単に格差が増大したに過ぎない。
格差を固定し、さらには広げている宿痾とでもいうべきものが暴力だ。著者は組織犯罪、内戦、人身売買といった暴力と経済格差をリンクさせ、様々な角度からアフリカの闇に光を当てている。
著者を一言で表すならば「行動の人」だ。
南アフリカでは組織犯罪の実態を明らかにするため、犯罪組織の構成員たちに接触し、ナイジェリアでは石油好景気の中、土地を奪われ、生活する術を失った人々の話に耳を傾ける。そして、コンゴ、スーダン、ソマリアといった命を落としかねない紛争地域へ飛び(時には密入国さえ辞さない!)、武装勢力側への取材を試みる。
その行動の背景にあるものこそ、「アフリカの真の姿を伝える」というジャーナリストとしての使命感に他ならない。
「史上最大の人道危機」といわれたダルフール紛争の取材では、スーダン政府の目をかいぐぐりながら取材を行ない、住民虐殺がそれまで発表されていたような反政府組織によるものではなく、政府側の主導で行なわれているという事実を迫る。
「旧ユーゴスラビアやルワンダの例が示しているように、特定民族に対する苛烈な迫害は自然発生的に拡大するものではなく、政治権力による計画的な主導がなければ置こり得ないというのが私の考えである。」(p.204)
という著者の言葉が印象的だ。
様々なニュースでもいわれているように、アフリカの資源を輸入している最大の国は、中国だ。しかし、日本もまた中国に並び、アフリカの資源を輸入している。
アフリカの格差と暴力に、日本もまた関与しているということを知らしめ、我々もアアフリカに対して責任があることを教えてくれる一冊である。




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