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ぽっぺん日記@karashi.org


2010-01-28(Thu) [長年日記]

_ [読書感想]殺す者と殺される者 (創元推理文庫)(ヘレン・マクロイ/務台 夏子)

本が好き!経由で献本をいただきました。感謝いたします。

米女流ミステリー作家、ヘレン・マクロイのサスペンス作品が本書。 2009年に創元推理文庫の創刊50周年を迎えたことを記念して、約半世紀ぶりに新訳で刊行されたということだが、サスペンス、ホラー、SF風味、さらに驚愕の大どんでん返しと、まさに傑作の名に恥じない一冊だった。

物語の語り手は、マサチューセッツで大学の講師をしていたハリー・ディーン。 ハリーもとに、ある日、思わぬ幸運が巡ってくる。 あまり付き合いのないまま亡くなった叔父の遺産の相続人に、ハリーが指定されているというのだ。 突如、多額の金を手に入れたハリーは喜び勇むが、不注意から路上で転倒し、脳震盪を起こしてしまう。 転倒までの20分間の記憶を失ったことに多少の不安を覚えつつも、ハリーは退院を機に、講師の職を辞し、亡母の故郷であったバージニア州の田舎町クリアウォーターに引っ越すことを決める。 彼の地には、ハリーが愛した女性、シーリアが住んでいた。 しかし、彼を待ち受けていたのは、シーリアが人妻になっているという知らせだった。 ハリーはショックを受けつつも、クリアウォーターでの穏かな生活を営もうとする。 しかし、そんな彼の周辺では異変が続発する。 夜に徘徊する謎の人物。 酒乱癖のあるシーリアの夫、サイモン。 机から消えた運転免許書。 謎の手紙。 そして、遂に事件が──。

本書を読んで、まず、ビックリさせられるのが、中盤での大ネタ明かし。 「え、こんなのあり?」と思わず拍子抜けしそうになるネタなのだが、SF風味を使いつつ、全体から浮かないように描いている点はうまい。

その後、「むー、展開が読めるなあ」と思いつつも、「しかし、あれはどう関係するんだ?」と疑問を抱きながら、終盤まで読み進めると、考えていなかったような一手が、鮮やかに繰り出されてくる。 その様子は、まるでパズルのピースがぴたっとはまるかのようだ。

なにを書いてもネタバレになるので、詳しくは書かないが、まさにマクロイの技巧を尽した一作といっても大袈裟ではないだろう。 オススメできる一冊。


殺す者と殺される者

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書評/ミステリ・サスペンス


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