ぽっぺん日記@karashi.org
2009-04-19(Sun) [長年日記]
_ 人間と自然の共生とはなにかを問う大傑作冒険小説──
約束の地(樋口明雄)
これはスゴイ本。 今年読んだ小説の中でもトップクラスに面白かった作品だ。
『ぼくは猟師になった』に読んでからしばらくして、奇遇にも猟をする知人ができた。 飲みながら猟の話を色々と聞いたのだが、猟というのは、今の日本ではほとんど経験することのないプリミティブなものだなぁと実感した次第。
南アルプスに住む作家、樋口明雄が、自身の住む南アルプスを舞台に、現代日本の自然と猟を描き出した冒険小説が本書。 四六判・二段組で500ページ超という大作だが、知人から聞いた猟の話とあいまって、一気に読了してしまった。 日本冒険小説協会大賞受賞も納得のデキである。
時は2011年。 環境省に勤めるキャリア官僚、七倉は2年間の任期で野生鳥獣保全管理センター八ヶ岳支所長を命じられる。 野生鳥獣保全管理センター、通称「ワイルドライフ・パトロール」(WLP)は、アメリカのパークレンジャーを参考に設置された新しい機関だった。 人間と野生の動物の共生を目指すことを理念とするWLPだったが、狩猟を法的に制限されたことに不満を抱く地元の猟師たちと、WLPの活動を動物虐待だと非難する愛護団体と板挟みとなっている現実を七倉は知る。 そんな中、里に下りてきたクマにより住民が犠牲になるという事件が起きる。 そのクマこそ、"稲妻"と呼ばれ、猟師たちに恐れられた巨クマだった──。
七倉とともに"山の主"を追う、動物学者や猟師、獣医師、ドッグトレーナーといった個性的なWLPメンバーたちを軸に、自然との真の共生、親子の絆、愛するものの死、犬と生きる、自然の荒廃、そしてボーイミーツガールといった要素がみっしりと盛り込まれ、重層的に描かれていく。
特に目を引くのが、滅びの時を迎えようとする猟師たちの姿だ。 ある猟師が七倉に云うセリフが印象的だ。
「あん人は野生動物、いんや自然のすべてを愛されています。愛している相手に銃弾を見舞うのは矛盾だといわれるかもしんねえ。だけんども、私ら猟師は慈悲の心と殺生の心をどちらも持たねばならねえつうて先達に教えられてきました。殺すこともまた、愛することのひとつに違えねえんです」(p.356-357)
この言葉がラストでの七倉の最後の戦いに続いていくのである。
しかし、一方で猟師たちの滅びの背景には、狩猟という特権に固持し、後継者たちを育てることを怠ってきたがゆえという理由もある。 作者が浮き彫りにする事実は重い。
同僚の不審死に絡むサスペンスは、人間と自然の共生を描くということでは完成された感のある本書のストーリーには、余計な要素だったのではないかという思いはあるのだが、それでも本書が傑作であることに変わりはない。
文句なしにイチオシできる一冊である。 強く強くオススメしたい。
ちなみに、本書で活躍するベアドッグ(クマ対策犬)の兄妹の妹が、うちの愛犬ハナと一緒の名前なのもポイントが高いです。:-)
_ 今日のできごと
- 図書館
- 農作業
- 枝豆、獅子唐、ブロッコリーの苗を植えた。
- でも、マルチかけるの忘れた。orz
土曜日は、トマトときゅうりでも植えるかねー。
夕飯には一番搾り飲みました。:-)
麦芽100%になってから、えらく旨くなった。 > 一番搾り






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