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ぽっぺん日記@karashi.org


2009-02-08(Sun) [長年日記]

_ ジャック・ロンドンの面白さを堪能できる短篇集──火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)(ジャック・ロンドン/新井 敏記/柴田 元幸) 火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)(ジャック・ロンドン/新井 敏記/柴田 元幸)

ジャック・ロンドンの作品といえば、恥ずかしながら『野生の呼び声』と『どん底の人びと』くらいしか知らなかったのだが、40歳の若さで亡くなるまでに、長篇小説20冊の他に、200本以上の短篇小説を書いていたそうである。 ジュック・ロンドンの執筆活動の中でも、短篇を中心に据える人も少なくないとの由。

本書はそんなジャック・ロンドンの短篇9本を収録している。 多彩なテーマを扱ってきたロンドンだが、本書に収められた作品もまた、冒険、スポーツ、SF、伝承──とバラエティに富んでいる。

野生における人間の生を描いた「火を熾す」「生の掟」「生への執着」、ホラー風の「世界が若かったとき」など、 どれも100年前の作品とは思えないほどの出来だが、その中でも「メキシコ人」と「一枚のステーキ」のボクシングもの2本をオススメしたい。

前者は、革命前のメキシコを舞台に、革命を成功させるための武器調達資金を稼ぐため、リングに立つボクサーの話である。 対戦相手や白人の観客はもちろん、自分のセコンドさえも敵という状況の中での孤独な闘いが描かれている。

後者は、妻と二人の子供を養うファイトマネーを稼ぐため、若手ボクサーとの試合に臨むことになったロートル・ボクサーを主人公にした一作。 金欠で一枚のステーキを食べられなかったことに悔いを残しつつも、衰えた体力を知力でカバーして闘う姿を描き出している。 哀愁漂うラストも味わい深い。

他のジャック・ロンドン作品を読みたくなる一冊だった。

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