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2008-11-06(Thu) [長年日記]
_ 茨の道を進む起業家たちのアイデアのタネ──
成功する起業家の「非・常識」勉強法 (DO BOOKS)(丸山 学)
起業についてよく言われる言葉が
資金が尽きるのと、軌道の乗るのと、どちらが速いかの競争である
というものだそうである。
起業家にはゆっくりと考えている時間がない。 常に動き続けなければ事業が失敗してしまうのだ。 だから、彼らは走りながら勉強をし、読書をし、人脈づくりをする。
年間100件以上の起業に携わってきた行政書士、起業コンサルタントである著者が自身のノウハウとともに、これまでに見てきた成功した起業家たちに共通する手法をまとめたものが本書だ。
本書に含まれている分野は「勉強法」「「読書法」「人脈づくり」「アイデア発想法」「目標達成術」「モチベーションアップ術」の6つ。
タイトルには『「非・常識」勉強法』と銘打ってあるが、実際のところ、それほど突飛ななことが語られている訳ではない。 それどころか、かなり真っ当なノウハウが紹介されているので、目新しさこそないものの、説得力がある内容となっている(いまさらblogでアフィリエイト収入かぁというところもなきにしもあらずだが)。
個人的には
- よい人脈は異種交流会で探すのではなく、向こうから来てもらうようにする
- 組み合わせでしか、新しいアイデアは生まれない
- 独創的な組み合わせは、結論を先に考えることで生まれやすくなる
- 成功する起業家は「結論」から先に考える
- 仕事に余裕を持たせると、常に気分が乗った仕事だけをできるためパフォーマンスが高まる
あたりは、「なるほどね」と頷きつつ読んだ。
本書の中でも特に面白いと感じたのが、著者の読書術だ。 著者は、ある程度ビジネスの知識を身につけた起業家へビジネス書以外の本を読むことを勧めている。 なぜなら、そこにはビジネスを飛躍的な発展させるアイデアが溢れているからである。
著者は自分がある着想を得た読書の流れを紹介している。
まず、著者は有名なビジネス書である『ザ・プロフィット』を読み、ビジネスモデルの要諦は権力ではないかと思いつく。 「権力」をキーワードに書店の本棚を探したところ、『権力の読み方』という本を見付ける。 それを読んでみたところ、権力から利益を生み出す手法について理解ができた。 さらに思索を進め、江戸時代の権力構造が参考にできるのではないかと思い、『貧農史観を見直す』を探して読み、利益を最大化しない価格設定こそ日本にマッチした価格大系ではないかと考えつく──こんな具合である。
私自身は乱読が好きなので、強い目的意識をもった読書というものには若干の反発を覚えなくもないのだが、こういう読書方法もあるのだと感心した次第。 少なくとも、巷に溢れる、ビジネス書ばかりを読んで「読書術」と称しているものより格段に面白いと感じられるのではないかと思う。
ちなみに
問題意識の低いビジネスパーソンは、逆に書籍や雑誌を読んでも「う~ん、いいこと書いてあるなあ……」で終わってしまい、何となく有益な書籍だった、あるいは全体がよかったということで終わってしまうのです。(p.82)
という著者の言葉は少々耳に痛かった。:-)
経営には自分の「弱さ」を確認させられるような出来事ばかりが起こると著者は書き、こう続ける。
逃げることなく、その弱さを克服するために、起業家や経営者は自己啓発を続けていかなければならないのです。
そんな茨の道を進む起業家たちに、アイデアのタネを与えてくれる書ではないかと思う。
- 同文館出版
- 1575円
書評/ビジネス





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