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2008-09-04(Thu) [長年日記]
_ 中学校を舞台にしたイヤミス連作集──
告白(湊 かなえ)
学級崩壊、いじめの陰湿化、教師の犯罪、モンスターピアレンツなど、なにかと暗いニュースになることが多い学校であるが、そんな学校を舞台にしたイヤミス連作集が本書。 著者のデビュー作にして、第29回第29回小説推理新人賞受賞作である。
S中学校の終業式の日、ホームルームの時間に担任の女性教師は教員を辞めることを告げ、生徒たちに話しはじめる。
「最後にみなさんに聞いてもらいたい話があります」
校内のプールで4歳の一人娘を亡くした彼女が生徒たちに語るのは、それが事故ではなく、事件だという衝撃の事実だった。
「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
犯人を告発するとともに、教師は自分が行なった恐るべき復讐をも告白する……。
教師が語り手を務める第一章につづく章で、犯人や犯人の姉、同級生など事件に関わった様々な人物たちが独白形式で事件を別の視点から語るとともに、自分たちの心の闇を浮き彫りにしていく。
語り手の誰一人として幸せにならないという、とびっきりの嫌なストーリーでありながら、エグさはあまりないので、イヤミス初心者にもオススメできる一冊となっている。 逆にいえば、イヤミスを読み慣れた向きには少々物足りなさが残るといえるかも知れない。
少々ツッコミどころが多いのは気になるところ。 登場人物たちが性格の歪んだ者ばかりというのは、ストーリーがストーリーなので措くとしても、いまどきアダルトビデオ+モザイク除去装置はないだろうし*1、作品のキーとなるある病気についての登場人物たちの認識が現代とは思えないくらいに古臭さすぎる(中学生ともなれば、保健体育の授業で習っているのではなかろうか)。
さらにいえば、ラストの2章にはたしかに度肝を抜かれたのだが、復讐の完結のさせ方には問題があるように感じた。 それまで(それなりの)倫理観を持って行なわれていたはずの復讐劇が、なんの罪もない人を巻き込むことによって完全にその正当性を破綻させてしまっているのだ。 この部分はストーリー運びが素晴らしいだけに、余計に「惜しいなぁ」と思わせられる。
細かい部分で小言を書いたが、ぐいぐいと引っ張る著者の筆力は本物だ。 次回作が楽しみな新人の登場である。
- 湊かなえ
- 双葉社
- 1470円
書評/ミステリ・サスペンス
*1 いまどきの中学生なら、その手のものはインターネットで見ているのではないだろうか。





まで頂ければ幸いです。
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