ぽっぺん日記@karashi.org
2008-07-01(Tue) [長年日記] この日を編集
_ ハイスクールに潜む社会問題を浮き彫りにする傑作探偵小説──冬そして夜 (創元推理文庫)(S.J. ローザン/S.J. Rozan/直良 和美)
ニューヨークを舞台に、中年のアイルランド男性、ビル・スミスと魅力に溢れた中国系アメリカ人女性、リディア・チンのふたりの私立探偵が活躍する〈ビル・スミス&リディア・チン〉シリーズの第8弾が本書。
- 直良 和美
- 東京創元社
- 1365円
書評/ミステリ・サスペンス
実はこのシリーズを手にするのは本書がはじめて。 基本的にシリーズものは第1弾から読むことにしているのだが、書籍紹介によれば、
シリーズ第8弾ではありますが、ここから読み始めてもまったく問題はありません。
[東京創元社|冬そして夜(S・J・ローザン)より引用]
ということなので献本して頂いた次第。 結論から書くと書籍紹介通り、本作からでも楽しめる一冊だった(もちろん、第1弾から読んだ方がさらに楽しめることは間違いないが)。
本書は2003年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞に輝いたとのこと。 一般的なアメリカ人が意識しないであろうアメリカの社会問題をえぐりだしており、それも納得の傑作だ。
本シリーズの特徴はビルとリディアが作品ごと交互に主役をつとめることにあるそうだが、本書の語り手はビル。 ストーリーは、11月の深夜、突然の電話によりビルの眠りが破られたシーンからはじまる。 その電話はひとりの少年が逮捕されたことを告げるものだった。 その少年の名はゲイリー。 ビルの妹、ヘレンの息子、つまりビルの甥だった。 15歳であるゲイリーはハイスクールのアメフト部に所属する真面目な少年なのだが、ビルにも明かさない理由によりニューヨークに家出してきたらしい。 身元を引き受け、一度はゲイリーを保護したビルだが、隙を突からゲイリーに逃げ出されてしまう。 ゲイリーの行方の手掛かりを求め、ビルは疎遠にしているヘレンが住むニューヨークのベッドタウンである高級住宅街、ニュージャージ州ワレンズタウンに向かう。 妹の求めを受け、ワレンズタウンでの調査を開始したビルだったが、予期せず、ティーンエイジャーの死体を発見することになる。 はたしてこの死体にゲイリーは関係しているのか? ビルの必死の探索がはじまる……。
調査を進めるビルの前に、23年前に起きたレイプ事件が立ち上がってくる。 現在と過去の2つの事件を貫くのがアメフト部員たちの存在である。
ハイスクールを舞台にしたアメリカ映画に欠かせない登場人物といえば、このアメフト部員たちである。 彼らは学校という狭い世界のヒエラルキーの頂点に君臨し、いじめや軽犯罪に手を染めても、他の生徒はもちろんのこと、教師や保護者、はては警察まで黙認してしまう。 これが決してコメディのネタではなく、日本の高校野球と比較にならないほどハイスクールのアメフトに熱狂し、なにがあってもアメフト部員たちを守ろうとする保守的なワレンズタウンの住人たちの姿を通して、現代アメリカの病巣であることを本作は浮き彫りにしていく。
これによって引き起された悲劇が1999年のコロラド州リトルトンで起きたコロンバイン高校銃乱射事件だ。 12名の生徒および1名の教師が犠牲となり、24名の重軽傷者を出した(在校生であるふたりの犯人は自殺)この事件は、銃規制をテーマとするマイケル・ムーアの『ボウリング・フォー・コロンバイン』の題材ともなった。 事件発生の原因が銃社会というものであることが一番大きいことは言うまでもないが、本作でも示唆されるようにアメフト部員たちのような体育会系の生徒──通称「ジョックス」に虐げられつづきたナードの復讐という面も大きいと言わざるをえない。
上記の社会問題とともに描かれるのが、ビルが抱える家族の問題だ。 20年以上に渡りまったく交流のなかったヘレンや、ビルと互いに憎しみあうヘレンの夫にしてビルの義弟、スコットとの確執を通して、彼らが心に持つ傷が徐々に明らかになっていく。 表面上は単なる悪役に見えても、その実は違い、ひとりの悩める人間として描き出す著者、S・J・ローザンの温かな視線を感じることができる。
本書はハッピーエンドとはいえない結末をむかえる。 それでも絶望的な読後感に陥らずに済むのはこの温かな視線があるからと言えるだろう。
シリーズ第1弾から遡って、ビルとリディアの活躍を読みたくなる好著だ。 オススメしたい。
なお、学校新聞が単なるお遊びではなく、ジャーナリストになるための登竜門になっているとともに、大きな社会的影響力を持っている(警察の記者会見にも出席できるそうだ)ことも本書で知ったので付記しておく。
関連するかもしれない
マイケル・ムーアが『ボウリング・フォー・コロンバイン』の中で行った「演出」については
超能力番組を10倍楽しむ本(山本 弘)が参考になる。(読書感想)
2008-07-03(Thu) [長年日記] この日を編集
_ Net::Domain::ExpireDateをacドメインに対応させるpatchが取り込まれた
こないだのつづき。
これで、Plaggerのdomain_expire.plでacドメインの有効期限が監視できる。
_ FreeBSDでもFirefox 3.0
やったぜ! portsにwww/firefox3がktkr、ということで、さっそくインストール作業。
いつも参考にさせて貰っているFreeBSD Daily Topicsによれば、
Ports Collectionを最新の状態にアップデートしたら,まず"portupgrade -a"のように関連するライブラリを最新の状態に更新した後にFirefox 3(www/firefox3)をインストールしてください。
[FreeBSD Daily Topics:2008年7月2日 ≪注目≫Firefox 3.0登場,FreeBSD Asus Eee PCプロジェクトほか|gihyo.jp … 技術評論社より引用]
ということなので、久しぶりに"portupgrade -a"したら、えれー時間がかかってムキーとなりそうになったが、なんとか我慢。
その後、いつものportinstallでwww/firefox3をインストール。 これも環境によってはかなり時間がかかると思うけど、オレは速いホストをpackage serverにしてpackageを作成するようにしているので、それほどでもなかった。
Firefox 3.0のインストール後は、お決まりのlanguage pack や、vimperator&vimperator-pluginをインストールして、最速閲覧環境を構築。
環境構築のあたりはWindowsと同じなので細かいところは省くけど*1、やっぱり、Firefox 3.0 + vimperatorは快適すぎ。 さすがにPentium Mを積んだオールドPCだけあって、めちゃくちゃ速くはないが、それでもFirefox 2.0.xあたりとは雲泥の差。 嬉しすぎるね。
これでFreeBSDでも高速feed消化ができるぜ(ぉ
あと、FreeBSD(Linuxも?)のFirefox 3.0はいかにもGTKを使っているぜってな感じのルック&フィールなので、Windows版と比較するとちょっと面白い。 Firefox 2.0.xの時はあまり感じなかったんだけどね。
*1 ないとは思うけど、リクエストがあれば書きます。
2008-07-04(Fri) [長年日記] この日を編集
_ さくさくとRNA研究について知ることができる一冊──RNAルネッサンス 遺伝子新革命(田原 総一朗/中村 義一)
ジャーナリスト田原総一郎と東京大学医科学研究所教授中村義一によるRNA(デボ核酸)をテーマにした対談集が本書。 ハードカバーで全224ページだが、活字が大きいため、さくさく読み進めることができる一冊だ。
- 医薬経済社
- 2200円
書評/健康・医学
本書は、近年注目を集めているRNAについて、RNA研究の第一人者である中村教授が特別な知識を持たない一般の読者向けに分かりやすく解説し、そこに聞き手である田原総一郎が合いの手の入れるという構成になっている。
その分かりやすさは特筆もの。 例を挙げれば、遺伝子を「家」、ゲノムをたくさんの「家」が集まった「町」、RNAを「家」同士を繋ぐ通信網といったように噛み砕いて解説されているので、 「RNAってなんじゃらほい」というような読者(私のことだ)であっても「なるほどねー」と頷きつつ読めこと請け合いだ。
読んでいて驚かされたのが、DNAの情報を運ぶ単なる「運び屋」としか思われていなかったRNAの存在が、実はその発達のいかんによって高等生物と下等生物を分ける重要な要素となっているという最近の研究によって明らかになった事実だ。
さらに、DNAとRNAの立場が逆転し、
RNAが、多分、一番偉い(p.172)
というように現在の遺伝子研究のパラダイムともなっているそうである。 このパラダイムを、中村教授は本書のタイトルともなっているRNAによるルネッサンス──the Re Naiss Anceと名付けている。 RNA研究が進むことによって、ピンポイントで癌細胞を叩く、鳥インフルエンザを予防するなどの新たな医薬品開発の可能性が語られていて興味深い。
もうひとつ特筆しておきたいのは、田原総一郎の語り口。 中村教授の解説を受けて、
どうしてですか。
とさらにドリルダウンした解説を促すあたりは、まんま「朝から生テレビ」や「サンデープロジェクト」と同じものでにやりとさせられる。
また、RNAの「スプライシング」と呼ばれる、不必要な情報を捨てて、必要な情報をつなげ直す働きを引っ越しにたとえたやりとりでは
田原 引っ越しさせるわけですか。
中村 引っ越しさせたんです。
田原 引っ越しするんですか。
中村 引っ越ししたんです。(p.70,72)
という噛み合わない一幕もあって笑ってしまった。
なかなか面白かった本書だが、2200円(税込)という値段のわりには内容が薄いように感じられてしまうのも正直なところ。 一般の読み手を想定しているのであれば、ハードカバーではなく、流行の新書にして価格を押さえて方がよかったのではないだろうか。 ページ数的にも充分収まったと思うのだが。
本書が発刊されたのは2年前の2006年である。 ドッグイヤーな世界の話だけに、現在ではまた新たな研究の成果もあがってきているのではないかと思う。 本書のアップデート版に期待したい。
_ wassrはじめました
twitterはもうダメって話なので、wassrにアカウント作ってみた。
アカウント作成後、wassr_follow_in_twitter_json.rbでfollowしまくり。
あとはPlaggerでwassarとtwitterを同期させるかねー。
2008-07-05(Sat) [長年日記] この日を編集
_ 軍事ネタをネタとして楽しむ一冊──
戦争のリアル Disputationes PAX JAPONICA(押井 守/岡部 いさく)
「笑っていいとも」のテレフォンショッキングに出演して微妙な空気を醸し出していたアニメ監督、押井守と、先日、水玉蛍之丞の実兄だということを知って驚かされた軍事評論家、岡部いさくの対談集が本書。
てっきり毎年2月26日に同じふたりが行なっている戦争をテーマにしたトークイベント「226イベント」を活字化しないという原則を大人の事情で曲げて書籍化したものかと思っていたら、新たに行なわれた対談だった。 まぁ、当たり前ですな(じゃないと、チケットを買って「226」に行っている人が怒るだろう、たぶん)。
自衛隊の装備を通して、「戦争のリアル」を持たない日本人の戦争観を浮き彫りにするというのが本書の建前であるのだが、実際は重度の軍事オタクである押井守が岡部いさくを合いの手にして、 小銃にはじまり、携行対戦車兵器、戦車、次期戦闘機、軽空母保有論までと様々なネタを喋りまくっている一冊だ。
陸自はコストパフォーマンスと装備できる絶対数を考え、携行対戦車兵器をパンツァーファスト3ではなく、RPG-7か、それをパクった国産にするべきという押井守の主張には、まぁ、頷けなくもないのだが、他の主張は
- 陸自の戦車にはメルカバ
- 空自の次期戦闘機にはスホーイ30MK
- 対艦攻撃機として退役したF-14トムキャット+AIM-54フェニックスを二束三文で購入
ってな感じで、オレのような軍事に関する造詣が浅い軍事オタクから見てもちょっと香ばしい。
とどめが日本海や南シナ海防衛のために、ハリアーを載せた軽空母4隻(改修ローテーションを見込んで)を保有すべきという話で、「これはちょっと微妙すぎるだろう。だいたい、どこにそんな金があるの?」とツッコミを入れたくなったのだが、これについては岡部いさくが「あとがき」でやはり否定的な意見を書いていて、ちょっとおかしかった(その時言えよという感じもするが)。
まぁ、日本人が戦う架空のベトナム戦争(雷轟rolling thunder PAX JAPONICA(押井守))で、He-219ウーフーのパクリを艦上攻撃機にしちゃった人なので、ネタと割り切って楽しむのが本書の正しい読み方なのだろう。
個人的に興味深かったのが『機動警察パトレイバー2 the Movie』の裏話。
冒頭でカンボジアに派遣された陸自のレイバー部隊がRPG-7にボコボコにやられて全滅するシーンがあるが、あれは「レイバーが大嫌い」な押井守の
レイバーなんて装備するのに比べたら、RPG-7を一○○挺のほうがよっぽどマシだよ(p.148)
という主張とのこと。
さらに、最終的にはボツになってしまったが、空挺レイバーと90式戦車が戦って、空挺レイバーがボコスカにやられるというシーンも考えられて、コンテも切っていたそうだ。 あの地味なストーリーには似わないとは思うが見てみたかったなー。
資料的な価値があるかといえば疑問だが、軍事ネタをネタとして楽しめる人であれば間違いなく面白い本だ。 オススメしたい一冊。
2008-07-06(Sun) [長年日記] この日を編集
_ 現代の鯨捕りたちの姿を描き出す傑作ノンフィクション──
煙る鯨影(駒村 吉重)
これはスゴイ本。
捕鯨というと、シー・シェパードのよる調査捕鯨への妨害活動や、グリーンピースが捕鯨問題を告発する目的で調査捕鯨で得られた鯨肉を盗み出し逮捕された事件が記憶に新しいところだが、現在の日本沿岸でも商業目的の捕鯨が行なわれていることを本書で初めて知った。
たいがいの人はこう聞くと「捕鯨は禁止されているんでしょ?」や「もしかして密漁?」などと反応することがほとんどではないかと思う。
しかし、きちんと日本政府に認められた小型商業捕鯨船が存在するのだ。 それもたった5艘だけ。
本書はそのうちの1艘、
総トン数三十二トン、全長二十三・八メートル(p.20)
という「第7勝丸」に5ヶ月間同乗した著者によるノンフィクションである。
商業捕鯨が実質的に禁止されることになったのは、1982年にIWC(国際捕鯨委員会)で「商業捕鯨の一時停止」──いわゆる「捕鯨モラトリアム」が採択されたことに端を発する。 主にミンク鯨を捕ることで生計を立てていた小型捕鯨船は、その捕獲を禁止されたことを受け、IWCの管理外の小型種であるゴンドウ鯨やツチ鯨を捕ることに活路を見出そうとした。
しかし、それは苦難の道であった。
一時的な処置であったはずのモラトリアムが実施されてから25年以上がすぎた現在、一般家庭の食卓に上がることがほとんどなくなった鯨肉の価格は下落の一途をたどり、商業捕鯨は崖っ縁にあるといっても過言ではない。 本書の取材は平成18年に行なわれているため、さほどでもないが、今年に入ってからの大幅な原油高がその状況に拍車をかけていることは想像に難くない。
捕鯨といえば、とかくその是非の方向に筆が走りがちであるが、著者は二元論のどちらにも与しない。 IWCの閉鎖的かつ非科学的な態度を浮き彫りにする一方で、このような状況を招いた日本の節度のない乱獲も指摘する。
とはいえ、本書において捕鯨問題はあくまで背景である。 その主眼は、著者が
数少ない捕鯨国のひとつである日本になかにあってすら、置き去りにされたような商業捕鯨の現場に身を置く男の姿に興味があるだけだった。あるいは、まるで将来の見えないその業界で、腕一本を拠りどころに飯を食っている職人たちに、ごく自然と畏敬の念を持っただけのことだった。(p.23)
と記していると通り、16世紀から脈々とつづけられてきた捕鯨の伝統を受け継ぐ海の男たちを描き出すことにある。 本書からは、巧みに逃げる鯨を自らの経験と運を頼りに追う乗組員たちの男くさくも魅力的な姿が立ち上がってくる。
また、本書は、終始著者に対して心を開くことがなかった捕鯨船の船長の姿を通して、言ってみれば「外部の人間」にしか過ぎない取材者が取材対象者との間に「理解」や「共感」という共通の感情を持つことがいかに難しいことであるかを伝える。
第14回「小学館ノンフィクション大賞」を受賞した本書であるが、「あとがき」によれば、その選考過程において捕鯨問題への態度を明確にしない姿勢を批判する声があったとのことである。 しかし、そのニュートラルな視点があったからこそ、捕鯨に生きる男たちを活写することに注力でき、傑作の名に値する作品に結実したのではないかと思う。
現代の鯨捕りを知ることのできる好著である。 捕鯨問題の入門書としてもオススメしたい。
_ 今日のできごと
ホームセンターに畑で使う肥料や消毒薬を買いに行ったら、「次回の入荷から肥料やペットフートが値上げされます」ってなアナウンスが流れていた。 値上げばかりだなー。
帰宅して、
- コーヒーをこぼしてシミをつけてしまったカーペットの掃除
- 火災報知器の取り付け
- 捨てるビン・缶のまとめ
- ワイシャツを夏物に交換
- 布団その他を洗濯して収納
あたりの雑事をこなす。
夕方までに仕事を終えて本を読んでいたら、そのまま小一時間ほど寝てしまった。
2008-07-07(Mon) [長年日記] この日を編集
_ Pidginでwasserを読み書きできるようにした@Windows&FreeBSD
Windows版はWindows/Pidginをビルドしてみる - 電脳のツボ -別館-からインストーラを貰ってきて、さくっとインストール。
ついでに上のページで配布されているコンパイル済み「ぴじつた」(pidgin-twitter)をインストールしておくと幸せになれる。
FreeBSD版はhttp://www.honeyplanet.jp/patch.htmlからpatchを貰ってきて、
sed -e 's!pidgin-2\.4\.3\.org/!!' -e 's!pidgin-2\.4\.3/!!' pidgin-2.4.3_jp.diff > patch-japanese
としたファイルをnet-im/libpurple/filesに入れて、
portinstall net-im/libpurple portinstall net/im/pidgin
をすればOK。 依存portsが結構多く、makeには時間がかかるので注意。
Windows版と同じく、http://www.honeyplanet.jp/download.htmlから「ぴじつた」(pidgin-twitter)を貰ってきてコンパイル&インストールしておくと幸せになれる。
FreeBSD版はちょっとインストールが面倒なので、japanese/gaimがあった頃みたいに、japanese/libpurple、japanese/pidginのような感じのslave portsが欲しいところ。
それにしても、やっぱりim経由は便利だわ。 twitterのimはいつになったら復活するんだろう。
2008-07-08(Tue) [長年日記] この日を編集
_ 〈ライラの冒険〉の原作者が描くヴィクトリア朝英国を舞台にした冒険小説──マハラジャのルビー―サリー・ロックハートの冒険〈1〉 (創元推理文庫)(フィリップ プルマン/Philip Pullman/山田 順子)
先日、映画化された〈ライラの冒険〉シリーズの原作者フィリップ・プルマンによるヴィクトリア朝英国で繰り広げられる冒険小説〈サリー・ロックハートの冒険〉シリーズ第1弾が本書。 昨年5月に刊行された単行本の文庫版だ。
- 山田 順子
- 東京創元社
- 924円
書評/ミステリ・サスペンス
実は単行本の新刊の際にも「本が好き!」で献本リストに上がったのだが、あらすじから「どうせ、お子様向けだろう」とスルーしてしまった経緯がある。 その後、評者の方々の書評を読んだところ、かなりの高評価で臍を噛んだのだが、あとの祭り。 そんな訳でこれまで手に取る機会がなく、ここまできてしまった。
それがわずか1年余で「文庫落ち」とは、おそるべし〈ライラの冒険〉効果というべきだろうか。 なんにせよ、ありがたいことである。
届いた本書のページを開いたところ、予想を違わないデキでぐいぐい引っ張られるままに一気に読了してしまった。 児童小説という形態ではあるものの、ヴィクトリア朝英国の時代背景と魅力をおさえた良作だ。
舞台は1872年のロンドン。 16歳の少女、サリー・ロックハートは海運会社を経営する父親を南シナ海で起きた海難事故で失い、天涯孤独の身となってしまった。 そんなサリーの元に一通の手紙が送られてくる。 そこには彼女への警告とともに、「七つの祝福」という謎めいた言葉が書かれていた。 その謎を解くため訪れた父の会社の重役はその言葉を聞いた途端、恐怖のあまり死んでしまった。 父の死にはどんな秘密が隠されているのか。 真相を知ろうとするサリーだが、その前に巨大な陰謀が立ち塞がる……。
本書の魅力のひとつはなんといってもキャラ立ちした登場人物たちだろう。 主人公サリーは良家の娘でありながら男勝りの勇気と行動力の持ち主。 なにしろ、元軍人の父親の教育と自分の興味がおもむくままに学習したの結果、
サリーは英文学、フランス語、歴史、美術、音楽に関する知識は皆無だが、軍の作戦、簿記、株式市場の動き、ヒンドゥー人に関する実用的知識には堪能になった。(p.29)
さらに乗馬も射撃もできるという、当時のレディーの嗜みとされていたものとは正反対の特技を持つ少女なのだ。
少々世間知らずの面のあるサリーを支えるのは、写真家と女優の兄妹、彼らの助手として働く元スリ、読書好きの海運会社の給仕の少年といった冒険の過程で出会った仲間たちだ。
彼女たちは、貧民街に影響力を持つ謎の老婆をはじめとする一癖も二癖もある悪役と争いつつ、サリーの父親の死の謎と呪われたルビーが渦巻く冒険に否応なしに巻き込まれていく。
本書のもうひとつの魅力は、きっちり書き込まれたヴィクトリア朝ロンドンの町並みや風俗、習慣である。 阿片窟や英国の植民地支配、抑圧された女性といったダークな面も、柔らかい筆致ではあるものの、ちゃんと描写している点は好感が持てる。 クイーンズベリー・ルールやバネ足ジャックなんていう、ヴィクトリア朝マニアのハートをくすぐる単語がちらっと登場するのもいい。
本書はいくつかの「引き」を残しつつ幕を閉じる。 シリーズ第2弾は本書から6年後を舞台にしているとのこと。 22歳となったサリーが本書からつづく伏線とどう絡むのか。 続篇の刊行が楽しみだ。
_ crossreviewはじめました
404 Blog Not Found:紹介 - crossview = twitter 4 reviewers経由で知った、100文字までのレビューが気軽に書けるサービス。
色々書きたいことが山積みになって、 途中まで書いたものの最後まで書けなかった読書感想や、全然感想が書けなかった本があるので、そういうものはあっちにちょこちょこ書いてみようかなと思っている。
とりあえず、今日は戦争もの3本を書いた。
2008-07-09(Wed) [長年日記] この日を編集
_ また、オッサン度がひとつ増した
class Poppen < Person
def reach_birthday
@age += 1
end
alias :up_ossan_grade :reach_birthday
end
poppen = Poppen.new
puts "月日が流れて"
poppen.up_ossan_grade
_ 目から鱗の電話とDMだけの営業術──36倍売れた! 仕組み思考術(田中 正博)
株式会社ライブドアパブリッシング様からより本が好き!経由で献本御礼。
保険代理店を経営する著者が、営業社員はなし、手段は電話とDM(ダイレクトメール)だけ、という営業活動で驚異的にセールスを伸ばしたノウハウを伝えているのが本書。
どうにもビジネス書というのは退屈な印象があって滅多に読むことがないのだが、本書は数時間でさくっと読み切れてしまうにもかかわらず、目から鱗の一冊だった。
- 田中 正博
- ライブドアパブリッシング
- 1680円
書評/ビジネス
本書で紹介されている営業手法は非常にシンプルだ。
- リストに片っぱしから電話をかけ、DMを送っていいか訊く。
- 送ってよければ、DMを送る。
ごくごく簡単にまとめてしまえば、これだけなのだ。 シンプルであるがゆえに、特別な能力がなくても実践できる手法といえる。
本書には、なぜこれだけでセールスを伸ばすことができるのかの理由とともに、これを成立させるための様々なノウハウを惜しげもなくさらす。 なにしろ、穴埋め式になっている電話のトークスクリプト作成法やDMの書き方指南まで含まれているのだ。まさに至れり尽くせりの内容といっていいだろう。
とはいえ、著者が
ノウハウというのは、いわば、私のアイデアです。しかし、これは私のアイデアであって、あなたのアイデアではありません。
だから、そっくりそのまま私のマネをしてみても、多分うまくいかないでしょう。売っている商品だって違うし、営業エリアも違う。お客様だって違うからです。(p.278)
と書いている通り、紹介されているものをそのままマネするのではなく、本書から得たエッセンスに自分のアイデアを加え、トライ&エラーで実践していくのが本書の正しい活用方法だろう。
そういう意味で、本書のキモだと感じたのが、営業活動をルーティンワークに落とし込むと同時に、それをPDCA(Plan,Do,Check,Act)サイクルで回して常にカイゼンさせていく手法だ。
営業活動を決まったスケジュールで回すルーティンワークにすることによって、余計なことに頭を使わない。 これはストレスフリーの仕事術、GTDにも共通する考え方だ。 それで作った余力で常にカイゼンを実施していくことで、より高くセールスを伸ばしていく──なかなか合理的といえるだろう。
営業職向けの本ではあるが、他のマーケティング書の紹介もされているので、営業以外の人が読んでも役に立つ一冊ではないかと思う。
最後に本書で苦言を呈しておきたいのが、その宣伝文句。
帯には
あとは、寝て待つだけ!
などと書かれているが、これまで書いた通り、本書で紹介されている手法は常にカイゼンすることが求められ、全然「寝て待つ」なんてことができるものではない。
「この手の本を好む読者はこういう煽り文句に弱い」とかなんとかという営業上の事情なのだろうが、自己啓発本特有のうさん臭さが鼻につく人間からすると、この「煽り」があるだけで書店で本書を見掛けても手に取ることはないのではないかと思う。 個人的には改善して貰いたい点である。
2008-07-10(Thu) [長年日記] この日を編集
_ カバー画は恥ずかしいが、正統派のSF短篇集──
天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)(小林 泰三)
小林泰三の短篇集が本書。
先日読んだ『モザイク事件帳』はミステリーものだったが、こちらは正統派のSF(とちょいホラー)ばかりが収められている。
収録作は次の8篇。
- 「天体の回転について」
- 「灰色の車輪」
- 「あの日」
- 「性交体験者」
- 「銀の舟」
- 「三〇〇万」
- 「盗まれた昨日」
- 「時空争奪」
会話文の最後に必ずハートマークを付けてしまう萌えキャラが軌道エレベータやラグランジェ点、ホーマン軌道などを説明してしまう宇宙啓蒙萌えSF(?)の表題作、ロボット三原則をテーマにした「灰色の車輪」以外は、ほとんどが既読であることも手伝って、「いまいちだなー」と思いつつ読んだのだが、トリを飾る書き下ろしの「時空争奪」が出色のデキで大満足。
なんといっても、今までにない視点で歴史改変を描いている点が素晴しい。 小林泰三らしく、本筋とはあまり関係ないがクトゥルフな要素が入っている点もファンには嬉しいところだ。
カバー画がちょっと恥ずかしいが、収録作に未読のものが多い読み手であれば楽しめるのではないかと思う。
ちなみに、SFマガジン掲載時には気付かなかったが、「三○○万」って映画の300〈スリーハンドレッド〉のパロディなんだね。
2008-07-11(Fri) [長年日記] この日を編集
_ キリスト教徒のためのコーラン解説書──
コーラン (名著誕生)(ブルース ローレンス/Bruce Lawrence/池内 恵)
イスラム教に関する知識はないに等しいので、基礎を知りたくて読んでみた本。
イスラム教の聖典『コーラン』の誕生から現代までつづくその解釈の変遷を辿った一冊だが、読み辛かったなーというのが正直な感想。
オレのイスラム教に関する基礎教養が足りていないせいはもちろんあるとは思うのだが、 巻末に収められた、作家、塩野七生と訳者、池内恵の対談で、原著の想定した読者を尋ねられた訳者は次のように答えている。
ひとつは、この本の主要な主張、描き方に賛同してくれるリベラルなキリスト教徒に向けて書いているのでしょう。同時に、この本での描き方にはやや不満を持つかもしれない、保守派のキリスト教徒を説得するような形で書かれているように思います。(p.231)
キリスト教徒ならぬ身には、いまひとつピンとこなくても、まぁ、仕方ないのかも知れない(と自己弁護してみる)。
本書で一番面白かったのは、預言者ムハンマドが啓示を受けて、イスラム教を始め、迫害を受けながらもイスラム共同体が成立する過程を描いた第I部。
天界に行ったムハンマドが神(アッラー)に神の情けを受ける代わりに毎日50回祈るように求められて、了承して帰ろうとするのだが、預言者モーセに「50回は多すぎね?」といわれて引き返し、「ちょっと50回じゃ多いので、もっと減らして」「じゃ、25回」「もうちょい」「うーん、10回」「もう一声!」「じゃあ、5回でどうだ」というような神との値引き交渉のようなやりとりの末、日に5回の祈祷に決まったという逸話は、おかしかった。
とりあえず、イスラム教の取っ掛かりはつかめたので、また関連本を読んでみようと思う。
2008-07-12(Sat) [長年日記] この日を編集
_ 汚染されていると分かっていても海外から運ばれてくる食料を食べるか、手間がかかっても食料を自分たちで作るか──
食料植民地ニッポン(青沼 陽一郎)
これはスゴイ本。 食料という存在について、いかに無知であったかを思い知らされる書である。
我々が「サケ」と呼ぶ魚が海まで戻らず、そのまま淡水の湖沼に留まると、白身の「マス」になるということを実は本書で初めて知った。 マスは白身で、サケは赤身だが、サケは海でエビやカニなどを食べるため、その色素が身体に入り赤身になるそうである。
スーパーで鮭の切り身を見ると、「チリ産」と表記されてものをよく見掛ける。 だが、驚いたことに、サケはもともと南半球に生息していなかった魚なのだ。 では、なぜ、チリ生まれのサケが存在するのか。 人間が養殖場で育てているのである。
しかし、養殖場でサケにエビやカニを食べさせる訳にはいかず、そのままでは白身のままだ。 そこで、普通の赤身のサケを求める消費者(一番の大口はもちろん日本人だ)のニーズに合わせて、赤身となる色素を加えた飼料を与えているのだそうである。 なお、急いで付け加えておくが、本書で取り上げられた養殖場でサケに与えている飼料は安全性にこだわるため、外注はせず自分たちで生産し、使われている色素も日本の飲料に含まれているものと同じものだということだ。
とまれ、そのようにして育てられた赤身のサケがはるばる地球の裏の日本まで運ばれてくるのであるが、それだけではない。 加工が必要な場合には他国を経由するのである。 たとえば、さきほど挙げた切り身である。 サケはまずチリからタイに運ばれる。 そこで切り身に加工され、味付け用の液の漬けられてから、真空パックで冷凍梱包され日本へと輸送されるのだ。
前置きが長くなったが、貿易自由化とともに、このように日本の食卓は海外に依存するようになった。 経済の発展とともに、年々日本の自給率は下がりつづけ、こんにちでは、実にカロリーベースで61%を海外に頼るようになってしまっている。 日本にとっての食料の最大輸入相手国は、米中の二大強国である。 もし、米中のどちらかに食料の輸入がストップされるようなことがあれば、日本はあっという間に飢餓状態に陥る。
著者は、そのような状況にある日本を「食料植民地」であると喝破し、 「長寿県」だったはずが、アメリカナイズされた食文化の浸透により平均寿命が劇的に下がっている沖縄、BSEに感染した牛が発見されたアメリカの牧場や食肉工場、タイの工場で作られる広島風お好み焼きやたこやき、中国のアジフライ工場など世界各地を巡り、日本を取り巻く食料事情を浮き彫りにしていく。
海外から輸入した食品の問題といえば、BSEや毒餃子が記憶に新しいところだ。 食の安全を守ることの重要性を述べる一方で、著者は日本の消費者のクレームが多すぎる現状を舌鋒鋭く批判する。
アジフライの尻尾に衣がついている、 海老フライの尻尾が欠けている、 魚フライから小骨一本出てきた──こんなことがあれば、たちまちクレームである。 食料輸出元が値段を買い叩くくせにクレームが多い日本に愛想を尽かし、文句も言わず高く買ってくれる他国へと輸出先をシフトする「買い負け」が起きるだろうと著者は警告する。
本書で述べられる著者の主張を乱暴にまとめてしまえば、我々がとるべき道は次のふたつとなる。
汚染されていると分かっていても海外から運ばれてくる食料を食べるか、手間がかかっても食料を自分たちで作るか、である。
どちらをとるのか。 食料高騰がつづく世界情勢を考えれば、日本人がどちらの選択肢を選ぶかを迫られる時がくるのは近いのかも知れない。
生きていく上で欠かせない存在だからこそ、ほとんど意識しない食料。 そこに潜む問題について考える切っ掛けを与えてくれる好著である。 強く一読をオススメしたい一冊だ。
関連するかもしれないエントリー
BSEについては プリオン発見の歴史を紐解くスゴイ本──眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎(ダニエル T.マックス) - ぽっぺん日記@karashi.org (2008-05-09)で紹介した『眠れない一族』が参考になると思う。
プリオンを発見した功績によりノーベル賞を授賞したプルジナーの誉められない人間性も知ることができる本だ。
2008-07-13(Sun) [長年日記] この日を編集
_ 今日のできごと
えらく暑い日だったが、庭の草がすげぇことになっていたので、午前中は草刈り。
午後はそろそろ収穫期を逃しそうな、畑に残っていたじゃがいもを掘る。 若干腐っているものもあったが、なかなかの収穫だった。
仕事の合間に読書して、夜はPlaggerのsourceをいじりながらPerlの勉強。
あー、積ん読になっている『初めてのRuby』も読まないと。
2008-07-14(Mon) [長年日記] この日を編集
_ Plagger EFTのameblo.plのpatch書いた
EFTでちゃんと取れないところもあるようなので、ちょこっと変更。
--- plagger/assets/plugins/Filter-EntryFullText/ameblo_jp.pl.orig Sun Jul 13 23:20:59 2008
+++ plagger/assets/plugins/Filter-EntryFullText/ameblo_jp.pl Sun Jul 13 23:22:48 2008
@@ -14,7 +14,7 @@
my($self, $args) = @_;
(my $content = $args->{content}) =~ s/\r\n/\n/g;
- if ( $content =~ m/<div class="contents">(.*?)<\!--.*?-->/s ) {
+ if ( $content =~ m/<div class="contents">(.*?)<\/div><\!--\/\/\.contents-->/s ) {
return $1;
}
}
2008-07-15(Tue) [長年日記] この日を編集
_ 第三帝国の無血征服劇を描き出す──第三帝国の興亡〈2〉戦争への道(ウィリアム・L. シャイラー/William L. Shirer/松浦 伶)
同時代を生き、自らの目で第二次世界大戦前の欧州を見たジャーナリストである著者が膨大な資料を駆使しながら、「千年帝国」と呼ばれつつもわずか12年余で幕を閉じたドイツ第三帝国の興亡を描くノンフィクション・シリーズの第2弾。
- 松浦 伶
- 東京創元社
- 2415円
書評/歴史・記録(NF)
本書ではヒトラー率いるナチスが独裁政権を確立した1934年から筆を起こし、1938年のオーストリア併合を経て、チェコスロヴァキアを無血征服した1939年初頭の大戦前夜までが語られる。 著者は自身が目撃した場面や肌で感じた空気を交えながら、大戦前のドイツやその軍門に下ることになるウィーンやプラハ、そして英仏両国とドイツとの駆け引きを活写していく。
その筆には怒りが込められている。
怒りが向けられている対象のひとつは、もちろん、ヒトラーをはじめとするナチスに対してである。 ゲシュタポと強制収容所を用いた恐怖政治により国内を統治し、 外交では平和を唱えながらも、その実、領土的野心を剥き出しにしていたナチスに対する軽蔑を著者はあらわにする。
ナチスが行なった強権政治やユダヤ人迫害を好ましくはないと感じつつも、ヴェルサイユ条約のくびきからドイツを解放し大国へと押し上げると同時に、雇用を保証する(それが中世の農奴に近いものであったとしても)という政策に迎合したドイツ国民と、ドイツ国内で唯一ヒトラーに逆らえる存在だったはずの組織であるにも関わらず日和見を決め込んだ陸軍も、また怒りの対象となっている。
その怒りの矛先はナチス・ドイツの蛮行を未然に防げたはずの国際社会──特に英仏にも向けられている。 両国はオーストリア併合を黙認するだけに留まらず、
最後の領土的要求(p.327)
というヒトラーの言葉を無邪気にも信じ、チェコスロヴァキアへの侵略を御膳立てることまでしてしまった。 彼らが自らの間違いに気付いた時には、もう手遅れだったのである。
本書で印象に残るのは、ドイツ国民はヒトラーの暴走を黙認こそしたが、決して戦争を望んでいはいなかったということだ。 チェコスロヴァキア征服直前、民衆の戦争熱を煽るため、ヒトラーは首都ベルリンでの軍事パレードを陸軍に命じた。 彼は隊列に熱狂する群集を想像したに違いない。 しかし、実際はそうはならなかった。 その様子を目撃した著者は次のように記している。
ひとびとは見物もせずに地下鉄に駆け込み、舗道に立ちつくすひとにぎりのひとたちも黙って見守るだけだった。……それは、わたしが目にしたもっとも衝撃的な反戦の意思表示だった。(p.335)
第一次世界大戦で打ちのめされたドイツ国民は、もう戦争はこりごりだと思っていたのだ。 それは戦勝国であった英仏にも共通する考えだった。 だが、戦争を忌諱するあまり、ナチス・ドイツの愚行を止めることをできなかったのは歴史の皮肉というべきだろうか。
国際社会に見放されドイツに屈服したチェコスロヴァキア外相クロフタは次のようにいったという。
今日はわれわれがやられましたが、明日は別の国の番です(p.378)
この言葉が正しかったことは歴史が証明している。
本書は次の一文で締められる。
そして、ポーランドの番が来た。(p.451)
全世界に未曾有の死と破壊をもたらした大災厄──第二次世界大戦が遂にはじまる。
関連するエントリー
2008-07-16(Wed) [長年日記] この日を編集
_ 文字コードを簡単に調べるツール、kcodeが便利
今まで文字コードを意識することがなかったのだが、Perlをいじりはじめたら文字コードと否応なしに格闘することになった。
「『有効期限』ってiso-2022-jpのコードでどうなるんだ?」とか悩んでいたのだが、ググったところ、kcodeという非常に便利なツールを見付けた。
使い方は簡単。 ターミナルで
echo "有効期限" | kcode
と打つと、
euc-jp : 有効期限 (有効期限) ====================================================================== cp932 : 974C8CF88AFA8CC0 "\x97\x4c\x8c\xf8\x8a\xfa\x8c\xc0" euc-jp : CDADB8FAB4FCB8C2 "\xcd\xad\xb8\xfa\xb4\xfc\xb8\xc2" iso-2022-jp : 1B24424D2D387A347C38421B2842 "\x1b\x24\x42\x4d\x2d\x38\x7a\x34\x7c\x38\x42\x1b\x28\x42" ucs-2be : 670952B9671F9650 "\x67\x09\x52\xb9\x67\x1f\x96\x50" utf8 : E69C89E58AB9E69C9FE99990 "\xe6\x9c\x89\xe5\x8a\xb9\xe6\x9c\x9f\xe9\x99\x90" http://www.unicode.org/cgi-bin/GetUnihanData.pl?codepoint=670952B9671F9650
多種にわたる日本語の文字コードを出力してくれる。 iso-2022-jpのコードは、\xHH記法では
\x1b\x24\x42\x4d\x2d\x38\x7a\x34\x7c\x38\x42\x1b\x28\x42"
と分かる訳だ。
スクリプトはPerlで書いてあり、処理にはJcodeか、Encodeを使うということなので、Perl 5.8以降であれば、そのまま使えるはず。
これでPlaggerいじりも進むぜ(と希望)。
2008-07-17(Thu) [長年日記] この日を編集
_ 読書メーターはじめました
自分が読んだ本を管理して総ページ数をグラフで表わしてくれるサービス。
id:a-parkさんとMURAJIさんに影響を受けてはじめてみた。 アドレスは↓
http://book.akahoshitakuya.com/u/4730
こないだはじめたcrossreviewとの使い分けをどうするかが悩ましいかも。
2008-07-18(Fri) [長年日記] この日を編集
_ 激流に魅せられた人々の姿を活写する──彼らの激流(大村 嘉正)
自宅のすぐ近く、3分くらいのところに川が流れている。 まぁ、田舎だということなのだが、いちおう県内有数の清流らしいで、人によってはずいぶん羨ましがれる環境ではないかと思う(まぁ、住んでみると、それなりの苦労もある訳だが)。 ただ、いつでも行けると思うと、ついつい足が遠のいてしまい、今年になってからも数えるほどしか行っていなかったりする。
本書が描き出すのは、そんな私とは正反対に川の魅力に取り憑かれた人たちだ。
- 大村 嘉正
- 築地書館
- 1890円
書評/ルポルタージュ
四国・吉野川中流域にある峡谷「大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)」──1975年に峡谷の上流にダムが完成した後、かつて四万十川よりもきれいだといわれた清流は失われた。
あとに残されたのは激流だけだったのである。
しかし、その激流に目をつけたのがカヤック愛好者たちだ。
シーズンになると、峡谷は性別や国籍問わず激流カヤック愛好者たちが集う地となる。
そんな愛好家たちの中で、カヤック好きが高じてこの地に移住しリバーガイドとして生きる若者──著者が「川の人」たちと呼ぶ彼らが本書の主人公だ。
本書の魅力はなんといっても、大自然の中、様々なテクニックを駆使しつつパドル1本で激流を下っていく川の人たちの姿だろう。 様々なバックグラウンドを持つ彼らが煮えたぎるような水面を越えてゆく様子には純粋なあこがれを感じさせる。 また、白黒なのが多少残念だが、その格闘の様子を活写した掲載写真もいい。
峡谷は過疎化が進んだ集落ではあるが、やはりそこも人が住む地。 自由な気風を大事にする川の人は、半ば強要されるその濃密な付き合いに戸惑い、また彼らの行動に眉をひそめる住民たちも少なくない。 さらに、釣り師たちとの川の通行時間を巡るゴタゴタや、収入の不安定さなど、決して楽しいことばかりではないことをきちんと書いているところには好感が持てる。
著者もカヤック愛好家なため、その視点は完全に川の人寄りだ。 都会とはいえないまでも、ベッドタウンと称してもいい場所から今の田舎に引っ越してきた身としては、川の人たちの気持ちは分かる。 私も最初はずいぶん困惑したものだ。 その一方で、この田舎に居を構えてそれなりに時間を過ごした立場からいえば、昔からの住民たちが小言を言いたくなる気持ちも分からないでもない(笑)。 やはり、自分たちが長年続けてきたものとは全然違う存在を受け入れるというのは、それなりの度量と覚悟が必要とされるものなのだ。
とはいえ、峡谷に限らず、人口の半数以上が65歳以上の高齢者となり、手をこまねいていては消滅することが運命づけられた「限界集落」は全国に多数ある。 集落として、川の人たちのような若者を受け入れることによって活路を見出していくというのもひとつの道であろうと思う。
行間から透けてみえる「オレたちは普通の人よりも濃密に生きているぜ」という強烈な自負心には少々鼻白む箇所もあるが(もちろん、そのような自負がなければ本書を書こうとは思わなかっただろうが)、読後、川に行きたくなること間違いなしの一冊だ。
本書の最後にはリバーカヤックをはじめるためのガイドが付されている。 わずか10ページ強の分量なので実用的かといえば、ちょっと疑問だが、入口としては妥当なところだろう。 個人的には、カヤックが結構なお値段なのでちょっと驚いてしまった。
カヤックには手が届かないが、今度の連休には久しぶりに川に行ってみようかと思う。 歩いて3分だけど。
2008-07-19(Sat) [長年日記] この日を編集
_ 日本人の死生観を表す補陀落渡海船──
観音浄土に船出した人びと―熊野と補陀落渡海 (歴史文化ライブラリー)(根井 浄)
「本の雑誌」2008年7月号でエンタメノンフ作家、宮田珠己氏が紹介して面白そうなので読んでみた本。 棺桶型の船に乗り、観音浄土を目指して船出した人々を描いた一冊だ。
手に取る前に想像していたよりもアカデミックな内容で、エンタメ度に欠ける嫌いはあるが、なかなか興味深く読めた (僧侶や寺の名前の前提知識がないため、少々読むのに骨が折れたが)。
観音浄土に行くための志願者たちが乗り込んだ補陀落渡海船(補陀落渡とは海の向こうにあると考えられていた観音浄土のこと)は
中央に大きな帆を立てた屋形船であり、その周囲には四つの鳥居と卒塔婆で組まれた忌垣があった(p.212)
という、なんだかコミックかアニメにでも出てきそうなデザインの船だったりする。
この補陀落渡海船は複数人が乗れる大型のものだが、さらに始めに書いたような棺桶型のひとり乗りの船もあり、そのようなタイプの補陀落渡海船は志願者が乗り込んだあと出入口を釘で打って塞いでしまったそうである。
そう考えると、志願者たちは本当に観音浄土に行こうとしたのか、それとも自殺のようなものだったのか判然としないが、これも生も死も表裏一体と考える日本人の死生観の表れといえるのかもしれない。
当然のことながら、志願者たちのほとんどは大海原に消えたそうであるが、一部は沖縄などに漂着し、寺の再建に携わった等の活躍をし後世に名を残したそうである。
2008-07-21(Mon) [長年日記] この日を編集
_ 麻酔科医の激務と日常をコメディタッチで描く──麻酔科医ハナ (1) (アクションコミックス)(なかお 白亜)
医師になって2年目の駆け出し麻酔科医、華岡ハナ子を主人公にした医療マンガが本書。
- 双葉社
- 630円
書評/健康・医学
医療崩壊の危機が叫ばれた久しいが、その原因のひとつが麻酔科医不足だ。 過酷な労働や医療訴訟の増大などにより麻酔科医が医療の現場を離れることが多くなっている。 麻酔科医が誰もいなくなってしまったため、手術ができなくなってしまった病院もあるという報道も記憶に新しいところだ。
本書はそんな激務に追われる麻酔科医の姿とともに、外科医との確執、結婚事情、麻薬と常に接するがゆえの薬物依存に陥る危険性などの実情を浮き彫りにしていく──。と書くと、『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰)ばりのシリアスな作品を思い浮かべてしまうかもしれないが、本書のタッチはあくまでもコメディ路線。 肩肘張らずに読むことができる作品に仕上がっている。*1
本書のリアリティがどれほどのものであるかは門外漢も身にはなんとも判断できないので、ググってみたところ、次の本職の医師の方のブログを見付けた。
おおむね好意的に評価されているといっていいだろう。
さらに見付けたのが、2chの「麻酔科一般スレ その拾肆」過去ログ。 レス909には
ストーリー的には医龍なんかよりも100万倍よくできてるし、 細部の表現も「麻酔科医が書いたんじゃないの、これ?」と(笑) でも、これ読んで共感するのは、麻酔科医とオペ室ナースだけな 気がする(笑)
と書かれており興味深い。
さらに、ハナの名前の元ネタが華岡青洲であることは404 Blog Not Found:普通が面白い - 画評 - 麻酔科医ハナで、Dan Kogai氏が指摘しているが、上記のスレッドによると、過去に作者によるものと思われる次のような書き込みがあったとのことだ。
923 :卵の名無しさん:2007/11/02(金) 07:44:56 ID:1vnJPlIt0 >>918 これ? 205 名前:卵の名無しさん [2007/04/22(日) 02:31:14 ID:aDLQttx10] 麻酔科医が主人公の漫画のタイトル考えているのですが、 いまいちぱっとしません。 何かいいタイトル思いついたら教えてください。 「麻酔科」とか「マスイカ」とかじゃつまんないし。 206 名前:卵の名無しさん mailto:sage [2007/04/22(日) 02:59:05 ID:OTVxb/830] 「生命の管理人」とかどうよ 麻酔科に限らんし、カタいかな 207 名前:卵の名無しさん [2007/04/22(日) 03:04:54 ID:dbruLjha0] >205 「華岡清洲によろしこ」 208 名前:卵の名無しさん [2007/04/22(日) 08:59:16 ID:vbz8ISKO0] >205 変な誤解を生むようなものは書かないでね。 209 名前:卵の名無しさん [2007/04/22(日) 09:15:23 ID:akQ9vUWh0] 麻SUICA ママSUICA
本書は作者のデビュー作とのことである。 純粋に絵柄だけを見ると、作者の描く絵は「よくある」タイプのもので、少々パンチに欠ける嫌いがあるし、デッサン力にも心許無い点があって個人的にはイマイチというのが正直な感想だ(とはいえ、ハナを巨乳にしたり、同僚の浅野目さんのガーター姿のサービスショットを入れたりと読者サービスはなかなかだ(笑))。 今後の伸びに期待したい。
巻末には本書の監修者である麻酔科医、松本克平氏のあとがきが掲載されている。 どうやら松本氏は幼い頃、生前のチェ・ゲバラに会ったことがあるようだ。作品とは関係ないが気になる内容だったので付記しておく。
*1 ちなみに、『ブラックジャックによろしく』は移籍騒ぎの後は面白くなくなってしまったので読むのをやめてしまった。
_ ひげ
スラッシュドット・ジャパン - 職場のひげはどこまで許される?より。
本筋と関係ないけど、無職になるか、引退するかは分からんけど、ひげを伸ばしてもいい身分になったら『異邦警察』の久保塚みたいなひげにしたいなーと思っていたり。
問題はそれまでに髪の毛が保つかどうかだよな。 まぁ、スキンヘッドでひげというのもカッコいいか(怪しいけど)。
_ Filter::FetchEnclosure::Mplayerでファイル名を推測するpatchを書いてみた
id:hakobe932さんの Filter::FetchEnclosure::Mplayer はすげー便利なんだけども、ファイル名を日付で決め打ちするようになっていたので、feedにDateがない場合でも対応できるようにpatchを書いてみた。
--- plagger/lib/Plagger/Plugin/Filter/FetchEnclosure/Mplayer.pm.orig 2006-10-14 22:15:08.000000000 +0900
+++ plagger/lib/Plagger/Plugin/Filter/FetchEnclosure/Mplayer.pm 2008-07-21 20:28:55.000000000 +0900
@@ -24,14 +24,20 @@
unless (defined $self->conf->{type}) {
$context->log(error => q{config 'type' is not set.});
}
- my $file_name_base = $args->{entry}->date->strftime('%Y%m%d-%H%M');
for my $enclosure ($args->{entry}->enclosures) {
-
unless ($enclosure->type =~ $self->conf->{type}) {
$enclosure->local_path('dummy') unless $enclosure->local_path;
next;
}
+
+ my $file_name_base;
+ if (defined $args->{entry}->date) {
+ $file_name_base = $args->{entry}->date->strftime('%Y%m%d-%H%M');
+ }
+ else {
+ $file_name_base = $self->_guess_file_name_base($enclosure);
+ }
my $dir_name = $self->conf->{sub_dir_name} || $args->{feed}->id_safe;
my $feed_dir
@@ -52,7 +58,7 @@
my $fetched_data_path = "$file_path_base.$fetched_extension";
if (-e $fetched_data_path || -e $output_path) {
my $length = -s _;
- $ enclosure->url($enclosure->url);
+ $enclosure->url($enclosure->url);
$enclosure->length($length);
$enclosure->type('audio/x-wav');
$enclosure->local_path($output_path);
@@ -117,6 +123,33 @@
return @stream_urls;
}
+sub _guess_file_name_base {
+ my ($self, $enclosure) = @_;
+
+ my $res = $self->{ua}->fetch($enclosure->url)
+ or Plagger->context->log;
+
+ my $file_name_base;
+
+ if ($enclosure->type =~ /asf/) {
+ $res->content =~ m!(?:http|mms)://.*/(.*?)\.(?:wmv|wsx|wma|asf)!;
+ $file_name_base = $1;
+ }
+ elsif ($enclosure->type =~ /realaudio/) {
+ $res->content =~ m!rtsp://.*/(.*?)\.(?:rm|smi)!;
+ $file_name_base = $1;
+ }
+
+ unless ($file_name_base) {
+ Plagger->context->log(warn => "Cannot guess file name base " . $enclosure->url)
+ }
+ else {
+ Plagger->context->log(debug => "guessed file name base is " . $file_name_base)
+ }
+
+ return $file_name_base;
+}
+
1;
__END__
patchファイルはこちら。
実はPlaggerの構造がよく分かっていないんだけど、まぁ、outputが重要ということで。
間違いのツッコミ大歓迎です。
2008-07-23(Wed) [長年日記] この日を編集
_ NHKラジオ外国語講座「実践ビジネス英語」用のPlagger::Plugin::CustomFeed-Script assetを書いた
Web::Scraperを使って実践ビジネス英語をスクレイプする。 内容的には、otsuneさんのlantis-net_com_srw_og.plから丸ぱくりして、Web::Scraperの部分をいじった感じ。:-)
スクレイプ先には月日の表示しかないので、そこから日付を生成するのにWeb::Scraper for CustomFeed::Script 栗田出版販売コミック刊行予定情報 - SweetPotato::Plagger - Plaggerグループからmk_dateのサブルーチンを頂いた。
_ NHKラジオ外国語講座「入門ビジネス英語」用のPlagger::Plugin::CustomFeed-Script assetも書いた
構造が「実践ビジネス英語」と一緒だったので、スクレイプ先を変えるだけで済んだ。
_ vimperatorでdirect_bookmark.jsを使う時にはdirect_sbm_is_normalizeを"false"にしておいた方がよさげ(オレ的に)
wssarでえろぺおさんが
permalink以外にブクマされるのを防ぐ手立てはないのか
[permalink以外にブクマされるのを防ぐ手立てはないのか... - Wassr [お気軽メッセージングハブ・ワッサー]より引用]
とつぶやいていて、直前にオレがえれぺおさんの日記をブクマしていたので、「もしかして!」と思って調べてみたら、案の定、オレのことだった!!(ちなみにブクマしたのは tDiary用Yahoo!ショッピングプラグイン - にっき (2008-07-23))
自分ではブクマする時にpermalinkを使っているつもりだったので調べてみたところ、原因はdirect_bookmark.jsにあった。
direct_bookmark.jsの中身を見てみて分かったのだが、direct_sbm_is_normalizeが"false"になっていないとpermlinkをnormalizeしてくれるのだ。 今回はそれが仇になった感じ。
ってことで、.vimperatorrcに
let g:direct_sbm_is_normalize = "false"
を追記しておいた。 これで解決。
でも、direct_bookmark.jsにスイッチしてからのここ何ヶ月はnormalizeされちゃってるなぁ。 まぁ、いいかー。
_ 『新世界より』(貴志祐介)を昨日から読み始めた
すげー面白くて上巻を行きの通勤電車で読み終えてしまった。
でも、下巻を自宅に忘れてしまってムキー。
そのストレス発散に就寝まで一生懸命読む予定。 ← イマココ
2008-07-24(Thu) [長年日記] この日を編集
_ Filter::FetchEnclosure::Mplayerでオリジナルのファイル名を使うpatch
Filter::FetchEnclosure::Mplayer用のpatch。
実はFilter::FetchEnclosure::Mplayerでファイル名を推測するpatchを書いてみたの改訂版。 別にファイル名を推測している訳ではないので、前のタイトルは大袈裟すぎた。反省。
今回の変更は次の通り。
- Dateがない場合か、original_file_nameオプションが指定されている場合にはオリジナルのファイル名を使うようにした。
- 指定ファイルがダウンロード済みだった時の処理に必要ないと思われる処理があったので削除。
patchファイルはこちら。
ツッコミ大歓迎。
--- Mplayer.pm (revision 4736)
+++ Mplayer.pm (revision 8630)
@@ -24,15 +24,22 @@
unless (defined $self->conf->{type}) {
$context->log(error => q{config 'type' is not set.});
}
- my $file_name_base = $args->{entry}->date->strftime('%Y%m%d-%H%M');
for my $enclosure ($args->{entry}->enclosures) {
-
unless ($enclosure->type =~ $self->conf->{type}) {
$enclosure->local_path('dummy') unless $enclosure->local_path;
next;
}
-
+
+ my $file_name_base;
+
+ if ( $self->conf->{original_file_name} || !defined($args->{entry}->date) ) {
+ $file_name_base = $self->_get_original_file_name_base($enclosure);
+ }
+ else {
+ $file_name_base = $args->{entry}->date->strftime('%Y%m%d-%H%M');
+ }
+
my $dir_name = $self->conf->{sub_dir_name} || $args->{feed}->id_safe;
my $feed_dir
= File::Spec->catfile($self->conf->{dir}, $dir_name);
@@ -51,11 +58,6 @@
my $fetched_extension = $self->conf->{consider_fetched} || 'mp3';
my $fetched_data_path = "$file_path_base.$fetched_extension";
if (-e $fetched_data_path || -e $output_path) {
- my $length = -s _;
- $ enclosure->url($enclosure->url);
- $enclosure->length($length);
- $enclosure->type('audio/x-wav');
- $enclosure->local_path($output_path);
$context->log(debug => $enclosure->url . "is already stored in $output_path");
next;
}
@@ -117,6 +119,33 @@
return @stream_urls;
}
+sub _get_original_file_name_base {
+ my ($self, $enclosure) = @_;
+
+ my $res = $self->{ua}->fetch($enclosure->url)
+ or Plagger->context->log;
+
+ my $file_name_base;
+
+ if ($enclosure->type =~ /asf/) {
+ $res->content =~ m!(?:http|mms)://.*/(.*?)\.(?:wmv|wsx|wma|asf)!;
+ $file_name_base = $1;
+ }
+ elsif ($enclosure->type =~ /realaudio/) {
+ $res->content =~ m!rtsp://.*/(.*?)\.(?:rm|smi)!;
+ $file_name_base = $1;
+ }
+
+ unless ($file_name_base) {
+ Plagger->context->log(warn => "Cannot get original file name base of " . $enclosure->url)
+ }
+ else {
+ Plagger->context->log(info => "original file name base is " . $file_name_base)
+ }
+
+ return $file_name_base;
+}
+
1;
__END__
@@ -137,6 +166,17 @@
This plugin dumps audio/video stream to a wav file.
+=head1 CONFIG
+
+=over 4
+
+=item original_file_name
+
+Optional.
+A flag to use original file name. Defaults to 0.
+
+=back
+
=head1 AUTHOR
Yohei Fushii
2008-07-25(Fri) [長年日記] この日を編集
_ 爆睡
- 21時頃、帰宅
- 晩飯を食べる
- 「ちょっと眠いなー」と、横になったら爆睡
- 24時過ぎに妻に起こされる
- 風呂に入って就寝準備をして、「寝る前に新聞読むか」と思ったら、そのまま爆睡(この時点で妻は先に寝室で寝てた)
- 明け方の4時過ぎに妻に起こされる
- 布団で就寝
- 7時に起床
ということで通算10時間近く寝てしまった(26日に記す)。
2008-07-26(Sat) [長年日記] この日を編集
_ 続刊中のコミックスを大人買いしたくなる傑作選──鎌倉ものがたり傑作選 1 胸に残る思い出編 (1) (アクションコミックス)(西岸 良平)
独特のキャラクター表現とマンガ的に簡略化された背景で有名な西岸良平によるマンガ作品『鎌倉ものがたり』の傑作選・第1弾が本書。
- 西岸 良平
- 双葉社
- 580円
書評/ミステリ・サスペンス
作者の絵柄こそ、ちらっと見たことがあって知っていたが、作品として読むのは今回が初めて。 実は『鎌倉ものがたり』というシリーズがあるのも今回初めて知った(といっても、それまで知っている作品は映画化されて知った『三丁目の夕日(夕焼けの詩)』だけだったりするのだが)。
『鎌倉ものがたり』のシリーズについては、出版社のWebサイトに
鎌倉を舞台に繰り広げられる様々な怪事件、珍事件を小説家・一色正和が華麗なる推理によって解決するミステリーロマン。
[株式会社双葉社 | 鎌倉ものがたり傑作選 1 胸に残る思い出編(カマクラモノガタリケッサクセン ムネニノコルオモイデヘン) | ISBN:978-4-575-83511-3より引用]
と紹介されていたので、てっきり本格ミステリー作品かと思っていたのだが、実際に読んでみたら、まったく予想と違っていた。
というのも、舞台となる鎌倉は、いってみればパラレルワールドなんですな。 それも妖怪や幽霊が実際に存在しているという。
そんな訳で主人公のミステリー小説家、一色正和が遭遇する謎を秘めた事件のトリックは、はっきりいって、読者には推理不可能。 生ける屍の死 (創元推理文庫)(山口 雅也)ばりに死者が歩いたり、河童が殺人幇助をしていたりなんて分かりっこないって。
など書くと、つまらそうに聞こえるかもしれないが、読後の感想はその正反対。
非常に面白いのだ、これが。
一色の12歳年下の妻、亜紀子との仲睦まじい生活もいいし、作者特有のタッチで描かれる人間やそれ以外の登場人物たちも立っている。 そんな彼らが活躍するエピソードは、ほのぼのとどこか懐しく、心温まるものばかりだ。
正直なところ、「昔は良かった」式のノスタルジーは好きではないのだが(それゆえ、映画版『三丁目の夕日』は嫌いだ)、本作のような押し付けがましさのないノスタルジーは好ましいもののように思う。
本書には全部で10篇のエピソードが収められているが、その中でも特に気に入ったのが第八話「鎌倉のサンタクロース」だ。 一色の子供時代、クリスマスに家を訪れたサンタクロースの正体を巡るストーリーなのだが、オチが効いている。
今回は傑作選ということだが、続刊中のコミックスを大人買いしたくなった久々のマンガ作品だ。
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怖い絵(中野 京子)
『消えたカラヴァッジョ』(ジョナサン・ハー)で、ちょっと西洋美術に興味が出たので読んでみた本。
いわゆる「名画」と言われる数々の絵画を、作者のプロフィールや描かれた時代背景といった角度から考察し、そこに隠された「怖い」真実を浮き彫りにしているのが本書だ。
情けないことに、取り上げられている絵のほとんどを知らなかったのだが、そんな美術オンチでも楽しめる一冊といっていいだろう。
一見、華やかなプリマ・バレリーナを描いたかに見える、ドガの『エトワール、または舞台の踊り子』の下に潜む女性蔑視の思想を、 鬼と化し我が子を屠るギリシャ・ローマ神話の神、サトゥルヌスを描いた『我が子を喰らうサトゥルヌス』から人間が人間をやめる瞬間を見続けてしまった作者ゴヤの荒れ果てた心のうちを、著者は鋭く暴いていく。
なんといっても印象に残るのが、ブリューゲルの『絞首台の上のかささぎ』だ。
のどかな風景の中、絞首台の下でにぎやかに騒ぐ村人たちの姿をユーモラスに描いている作品である。 奇妙といえば奇妙な情景なのだが、不穏に感じられる微かな空気以外に、そこに怖さはない。
しかし、著者は絵画が描かれた16世紀半ばという魔女狩りと異端審問が全盛だった時代から、それが密告社会を表現しているという解釈する。 たしかに、その角度で見直すと、ユーモラスな雰囲気が怖さに転化し、ひしひしと恐怖が募ってくる。
本書を読めば、また違った視点で絵画を見ることができるようになるだろう。 絵画鑑賞をする前の参考書としてもオススメしたい。
_ Amazonマーケットプレイス出品者検索のAutoPagerize用SITEINFOを書いた
Amazonマーケットプレイスでよくあるのが「2冊目から送料100円引き」ってな感じの出品者。
肝心の同一出品者検索の機能がAmazonにないので、どうやって探すんよ? とか思っていたらAmazonマーケットプレイス出品者検索なんているサービスがあった。
便利なサービスなのだが、検索結果がAutoPagerizeに対応していないので、AutoPagerize用のXPathをかんたんに作るためのブックマークレット AutoPagerize IDE - bits and bytesを参考にSITEINFOを書いて、アイテム - データベース: AutoPagerize - wedataに登録した。実はこれが初登録だったり。
AutoPagerizeが使えるようになると、便利さが300%増しくらいになるなぁ。
そういえば、XPathは見様見真似で書いているので、できれば良い本で勉強したいのだが、なにを読めばいいのか今イチ分からん。
2008-07-27(Sun) [長年日記] この日を編集
_ 本年エンターテイメント小説における最大の収穫のひとつ──『新世界より』(貴志祐介)
貴志祐介による千年後の日本を舞台にしたSF小説。
上下巻合わせて1100ページを超える大作だが、全篇に渡ってベテランの手練の技が冴え渡っており、その長さを感じさせず、ぐいぐい読ませる作品だ。 今年のエンターテイメント小説の最大の収穫のひとつとして数えられることになる本であることは間違いない。
千年後の日本──。
そこに暮らすすべての人間は「呪力」と呼ばれる超能力を持ち、最小限の機械技術のみを用いて、農村規模の町で生きていた。 主人公、渡辺早季が過去を自分の人生と数々の事件を回顧する手記として綴られるストーリーは、究極のロハスとでもいうべき文明の中で、送られた彼女の子供時代から語り起こされていく。 小学校時代。呪力を身に付けての全人学級への進学。 早季は順調に大人への階段を踏んでいく。 だが、生徒の間では常に不気味な噂が囁かれていた 悪鬼や業魔と呼ばれる怪物から町を守る八丁標。 生徒を狙う猫。 教師以外の出入りを許されない校舎の中庭。
不穏な空気が漂いつつも平和だった青春の日々は夏季キャンプを期に一変することとなる。 早季と仲間たちは好奇心のまま、行くことを禁止されていた霞ヶ浦まで乗っていたカヌーを進めてしまう。 それは彼らに世界の隠された真実の一端を知らしめるとともに、将来の大災厄の前触れともなるものだった──。
本書でまず目を引くのが、千年後の未来に暮らす数々の奇妙な生き物たちの生態だ。
人間ほどの体長で高度な知能と社会構造を持つバケネズミ。
『風の谷のナウシカ』に登場する王蟲(オーム)を思わせるウミウシの末裔、ミノシロ。
ニセの巣を作り托卵をする鳥たちの卵を掠め取るヘビ、カヤノスジクリ。
そんな
アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界(ドゥーガル・ディクソン/今泉 吉典)や
フューチャー・イズ・ワイルド(ドゥーガル・ディクソン/ジョン・アダムス/松井 孝典/土屋 晶子)を彷彿とさせる遠未来の生物たちが、現在から生き続ける生物たちと同じ視点で描写されるため、読み手は実在と架空の生物の区別が曖昧になってくる。
ちなみに「千年くらいで、そんなに進化するもんかね」と思った人。 あなたは正しい。 本書では、しっかりそんなツッコミどころもカバーされています。
早季たちが年齢を重ねるごとに、真実が浮かび上がっていき、ユートピアと思われていた世界が実はディストピアであることが明らかになっていく。 この構成自体はSFとしては特に目新しいものではないのだが、特筆したいのは、本書ではただディストピアである訳ではなく、そこには理由があるということだ。
ネタバレになるので、詳しくは述べることはできないが、本書のような読み手にも納得できる「ディストピアである理由」を示すことこそ、ほとんどのディストピア小説に欠けていたものではないだろうかと思う。
読み手にも納得できる、その「理由」を支えるものこそ、数々のディティールである。 大は「激しい怒りと敵意を抱けば、目の前にいる人間の頭が破裂してしまう」世界がなぜ成立し得るのか──から、小は不浄猫がごろごろと喉を鳴らすのか──まで、そこには著者の卓越した技が見える。 ぜひ堪能して頂きたい。
本書を読んだ読者は千年後の「新世界」の空気を感じ取ることができるに違いない。 もちろん、それは限りなく悪夢に近い世界ではあるが。
_ カブト虫大発生
※虫に弱い人は読まないことを推奨
庭のむくげの木にカブト虫がそれこそ「びっしり」という感じについていた。 たぶん、100匹はくだらない。
改めてみると、なんか鳥肌が立つね。
それにしても、なんだこんなに出てきたんだろうなぁ。 近所の柿の木にもびっしり付いていた。
2008-07-28(Mon) [長年日記] この日を編集
_ 『悪女フリート』に描かれた秀逸なデザインの怪物たち──
ブリューゲル探訪―民衆文化のエネルギー(森 洋子)
ブリューゲル研究の第一人者である著者によるブリューゲルに中心としたエッセイ集。 ブリューゲルなどの絵画のエピソードとともに、自身の研究で出会った人々や体験などについても語っている。
自他ともに認める美術オンチの私だが、ブリューゲルについては『怖い絵』(中野京子)で『絞首台の上のかささぎ』を見て面白いなぁと感じ、本書を手に取った次第。
本書で紹介されるブリューゲルの絵画は『絞首台のかささぎ』の他、16世紀のネーデルラントの100を超える諺を描いた『ネーデルラントの諺』や当時の子供たちの91種類の遊びを描いた『子供の遊戯』など多岐に渡っている(ちなみに『絞首台のかささぎ』のついては、著者の解釈は中野京子氏と異なっている。 読み比べてみるのも面白いのではないのだろうか)。
その中でもひときわ目を引くのが『悪女フリート』だ。
大きいサイズで見ると、ある程度分かると思うが、中央を駆けているがこの絵の主人公とでもいうべきフリートだ。 彼女は鎧を身に付け、右手に剣、左手には鍋やフライパン、金銀貨、宝石箱などの掠奪品を持っている。 彼女に従うのは、干し草用フォークや火掻き棒などで武装した同じく女性たちだ。
彼女たちと相対するのが、動物や物品が化け物と化した百鬼夜行もかくやというモンスターたち。 一番目立つ、左奥の巨大な顔について著者は次のように解説する。
建物は中世以来の伝統的な表現である巨大な悪魔の顔であり、その入口は鋭い歯をむきだしにした悪魔の口となっている。しかし、注意深くみると、巨大な目の瞼は板戸、眉毛はむく鳥が巣を作る壺からできている。(中略)その他、悪魔の鼻毛は枯枝や昆虫の尻尾、鼻には鉄製のリングをつけ、耳には真っ赤なマントからできている(p.63)
現代にも充分通用するシュールなデザインといっても過言ではないだろう。
本書を読んで驚かされたのはその中で語られる著者の経歴。 略歴によれば、
明治大学教授・名誉教授
お茶の水女子大学哲学科卒、ミュンヘン大学美術史学科留学、ブリンマー・カレッジ美術史学科大学院修士課程卒、ベルギー政府給費留学、学術博士(国際基督教大学)
とのことである。 最初の留学先であるドイツには1959年ということであるから、その当時の日本では留学は自体が珍しかったのはもちろんのこと、女性の留学というのは輪をかけて珍しかったことは想像に難くない。 本物の才女というのはこういう人のことをいうのだろう。
著者の著書を読んだのは今回が初めてなのだが、過去にブリューゲルを研究したブリューゲルの「子供の遊戯」―遊びの図像学(森 洋子)やブリューゲルの諺の世界―民衆文化を語る (明治大学人文科学研究所叢書)(森 洋子)を上梓しているとのこと。 残念ながら、どちらも絶版なので図書館で探して貰い、見付かるようであれば読んでみたいと思う。
2008-07-29(Tue) [長年日記] この日を編集
_ 看板に偽りありだが、イラク情勢を分かるための好著──
イラクは食べる―革命と日常の風景 (岩波新書)(酒井 啓子)
出版社の書籍紹介に
米英軍の力によって「解放」されたイラクでは,イスラーム勢力が力を伸ばし,政治権力を握る一方で,イラク人どうしが暴力で対立しあう状況が生まれた.だが,どんなに苛酷な環境にあっても,人びとは食べ続ける.シーア派・スンナ派・クルド人,そして駐留外国軍の現在を,土地に根付いた料理や食卓の風景とともに描き出す.
[イラクは食べるより引用]
なんてことが書いてあるから、イラク料理を中心に持ってきた内容かと思いきや、イラク料理は完全におまけ的な扱いで、主題はイラク情勢を語ること。 そういう意味では、看板に偽りありの一作だ。
とはいえ、宗派間対立に、部族間対立が混じり合い、そこに周辺各国の思惑が加えられた末に、現在のイラクの混迷があることがよく分かる内容となっている。 料理については期待せず、純粋にイラク情勢について知るために読む本だろう。
陸上自衛隊のイラク派遣についても一章割かれている。
著者はこのイラク派遣についてはあまり評価しない態度のようだ。 個人的には政治的な制約が多い中、それなりによくやったと評したいのは山々ではあるのだが、確かに「何を達成したのか」と問われれば、答えに窮してしまう面はある。 ただ、著者は自衛隊のイスラーム世界への対応が言ってみれば教科書的に過ぎたという批判しているが、少なくともその教科書的な理解さえしなかった米軍よりは「マシ」だったといえるのではないだろうか。 もちろん、100点満点などというつもりはないが。
著者の本書での論調は米軍は撤退すべきものだというように読める。 状況さえ許せば、米軍が撤退することには個人的には賛成だ。 だが、現在のイラクの国内事情は米軍が撤退をしていい状況には見えない。 米軍が撤退すれば、さらなる混乱の中にイラクが沈むことは必至だろう。
いまだ先の見えない闇の中にイラクはある。
2008-07-30(Wed) [長年日記] この日を編集
_ Gmailに送っているfeedの取得先をSubscription::BloglinesからSubscription::LivedoorReaderに変えたら調子がよくなった気がする
Plaggerのbloglines2gmailの話(というか、ldr2gmailなんだけど)。
Bloglinesを使っていた時に起きていたHTMLメールのレイアウト崩れやHTMLがそのまま表示されてしまう現象が激減した。
もっと早く変えておけばよかったなー。
_ 新たな傑作警察小説の誕生──ロミオ (ハヤカワ・ミステリ文庫 エ 5-1)(ロバート・エリス/東野 さやか)
連続異常殺人者とそれを追う女性刑事たちの息詰まる対決を描いた警察小説が本書。 全571ページという長尺だが一気に読ませる作品だ。
- ロバート・エリス
- 早川書房
- 903円
書評/ミステリ・サスペンス
ロサンゼルス郊外の住宅で起きた殺人事件。 被害者となったのは若く美しい女性だった。 犯人はベッドにいた彼女にレジ袋をかぶせた後、ナイフで刺し、殺害後に左足の人差し指を持ち去っていた。 その残忍な手口と異常さから捜査は所轄署からロス市警本部に移され、強盗殺人課に栄転したばかりの29歳の若き刑事、リーナ・ギャンブルと引退を数年先に控えたベテラン刑事、ハンク・ノヴァックのコンビを中心としたチームが捜査を行なうことになった。 当初、異常者による殺人が疑われた事件だったが、状況証拠から徐々に第一発見者である被害者の夫に対する疑惑が浮かび上がってくる。 ポリグラフ検査も夫に不利な結果となり、彼がクロであることが決定的と思われたのだが、リーナが発見した新たな証拠により事件は急展開を迎える。 それは女性ばかりを狙った異常連続殺人者の犯行を示唆するものだった。 プロファイラによって「ロミオ」と名付けられた犯人を逮捕するため全力の捜査を続けるチームだったが、第二の犯行が──。
本書で目を引くのが、綿密な取材のもとに構成されたとおぼしきリアルな捜査描写だ(巻頭の謝辞にも現役の刑事の名前が挙げられている)。 それは映画やドラマのように劇的なものではなく、捜査官たちが睡眠時間を削りつつ、関係者の証言を集め、証拠を調べ、過去の事件に当たるという地道なもの。 日本風にいえば「靴底を減らしながら」の捜査の過程で、リーナたち捜査陣が突破口を開いていく。それにつれて読み手の血液もどんどん熱くなってくる。 ご多分に洩れずと言おうか、難航する事件捜査に早期に決着をつけようとする警察上層部の思惑も絡み、事件は加速度を増していくのだ。
科学捜査官たちを主人公にした米ドラマ 『CSI:科学捜査班』が好きなのだが、本書では科学捜査の結果が出るのに時間がかかることが強調されている点も興味深かった。 体液があれば、DNAなんてすぐに採取できると思っていたのだが、現実はお役所仕事の壁もあり、そうもいかないようだ。
もうひとつ特筆したいのが、著者のストーリーテリングの妙だ。 女性捜査官が異常連続殺人鬼を追うというストーリーになると、たいてい、犯人に迫った主人公が逆にターゲットになり危機が訪れる、というのがありがちなもの。 まぁ、『羊たちの沈黙』以来の伝統といっていいだろう。
本書のストーリーもこのような形を踏襲する。 本書中盤までは「まぁ、先が読めるよな」などと思いながら読んでいたのだが、それも中盤まで。 捜査が進展ととも、リーナが弟を失い心の傷を負うことになった5年前の事件が浮上し、徐々に先の読めない展開となってくる。
原著のCITY OF FIREというタイトル通り、犯人に迫るリーナの心も燃え上がっていき、遂に文字通り炎に包まれたロサンゼルス郊外でのクライマックスを迎えることになるのだ。 終盤100ページはまさに息吐く間もなく、読み手をぐいぐい引っ張るパワーに溢れている。 大どんでん返しの驚愕のラストを堪能して頂きたい。
リーナたち捜査陣に比べて犯人が今イチ、キャラ立ちしていない点、最初の被害者の夫に思わせぶりな伏線を張りつつ未回収な点など、少々残念な箇所も見られるが、傑作警察小説といっても決して大袈裟ではない作品だ。。
訳者あとがきによれば、来年には本書の続篇も本国で刊行予定とのこと。 成長したリーナの活躍を読める時が楽しみである。
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喰いしん坊! 18巻 (ニチブンコミックス)(土山 しげる)
Bookoffにて購入。
どうにもパンチに欠ける巻だった。 ちとマンネリ気味なのかも。
続刊で盛り返してくれればいいんだけど。
既刊の19巻は新刊で買うつもり。
2008-07-31(Thu) [長年日記] この日を編集
_ MacBook買ったよ!
「新MacBookが出たら買うかなー」とか、うだうだしていたんだけど、2chのスレに書き込まれていた「新型MacBookが7/26に発表」という噂がガセということが分かったので、今日、買ってしまった。
買ったのは、一番安いMacBook。いわゆる「梅」。
poppenさんがMacBookを買うという事はそろそろ新機種が出るはず
[poppenさんがMacBookを買うという事はそろそろ新機種が出るはず... - Wassr [お気軽メッセージングハブ・ワッサー]より引用]
なんてotsuneさんに不吉な予言をされてしまったのだが、そん時に欲しくなったら、新MacBookも買えばいいやと開きなおった(ぉ
MacBookで今日やった作業。
- 液晶保護フィルムを貼る
- 起動して初期設定
- Firefox lzycをインストール
- Mac OS X: リモートログイン、OpenSSH、および Telnet についてを参考にsshdを立ち上げる
- FreeBSDマシンからssh + rsyncで~/.mozillaをMacBookにコピー
- FirefoxのプロファイルがMacOSXだとどこにあるか分からず悩む
- wassrとtwitterに呟いたら、@lurker_さんと@umqさんから、~/Library/Application Support/Firefox/Profilesじゃね、とレスを貰う
- ~/.mozilla/firefox/以下を~/Library/Application Support/Firefoxにmv
- FreeBSDマシンの~/.vimperatorrcと~/.vimperatorをrsync + sshでコピーして、vimperatorをMacBookでも使えるようにする
明日ちと早いので、今日はとりあえず、ここまで。
梅は1GBしかメモリがないので、明日忘れずに2GBメモリ x 2本を発注しておかないと。
週末はMacBookをいじり倒して過ごすぜ。
Apple MacBook 2.1GHz Core 2 Duo/13.3/1G/120G/24xCombo/Gigabit/BT/DVI MB402J/A
アップル
¥ 129,800





















まで頂ければ幸いです。
_ 河野 [紹介ありがとうございます! がっつりレビューはブログに、さらっとレビューはcrossreviewに書いてください♪ ..]