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ぽっぺん日記@karashi.org


2008-05-19(Mon) [長年日記] この日を編集

_ 次に買うノートはMacBookか?

今使っているノートPCは、DELL Latitude D610にFreeBSDをインストールしたものなんだけど、もう3年保証も切れたし、ちょっと力不足な感じもしてきた*1ので、そろそろ新しいノートにリプレイスすることを検討中。

で、そんなことをちょろっとtwitterに流したら、MacBook!! MacBook!! という話が多数の方々からあったので、MacBookもいいなぁと考えはじめたところ。 ちなみに、「多数」というのは大袈裟だった。ホントは2人。

以下、プログラマーを引き付けるMac OS Xの魅力 − @ITを参考にして考えてみた、Windowsノートと比較したMacBookのメリットとデメリット。

メリット

  • *BSDなのでshellとターミナルがすぐ使える。
  • WindowsノートではOSXを動かせないが*2、MacBookではBootCampでWindowsが動かせる。
  • 金額は思っていたほど高くない。まぁ、Thinkpadと同程度。
  • モニタを繋げる時には、リッドクローズドが便利そう。
  • YAPC::Asiaの時もそうだったけど、MacBookユーザが多数なので、ちょっとハッカーの仲間に入れたような気分になれる。:-D

デメリット

  • OSXを使ったことがないので、なんとなく心配。
  • 慣れていないので環境構築に時間がかかりそう。
  • 重い!(けど、持ち歩くことは少なそう)。
  • あまりバッテリーが保たない(が、WindowsノートでもLet's Noteとかの例外を抜かせば一緒の気もする)。
  • Windowsに比べると、周辺機器の対応がいまいち(まぁ、FreeBSDはもっと大変だけどね)。 ← いまいちでもないらしい。thanks. しばたさん

今のところのまとめ

以上のメリット・デメリットを考慮すると、メリットの方が多そうな気がする。

6月のWWDC 2008を待った方がいいよというありがたいアドバイスを@goto30さんから頂いたので、それまで色々迷ってみよう。

うーん、でも、6月までにFreeBSDでFirefox 3が使えるようになって、WindowsのFirefox 3並みに速かったりしたら、また「FreeBSDでもいいかなぁ」とか思ってしまう可能性も大な気もしないでもないなぁ(ぉ

*1 RSpecの全exampleを回すのにえらく時間がかかる。

*2 まぁ、ごにょごにょすれば動かせるらしいが、それは措いておく。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ しばた [デメリットは重いくらいですかねえ。 周辺機器は思いのほか対応していたりします。]

_ poppen [なるほど。参考になります。> 周辺機器対応 ふむむ。ますますMacBookでいいような気がしてきました。]


2008-05-18(Sun) [長年日記] この日を編集

_ 6年ぶりの仏ミステリシリーズ第2弾──論理は右手に (創元推理文庫)(フレッド ヴァルガス/Fred Vargas/藤田 真利子)

東京創元社様より本が好き!経由で献本御礼。

先日読了した『死者を起こせ』につづく、フランスの本格ミステリー・シリーズ第2弾。

歴史学者崩れの個性的な3人組+元刑事が探偵役だった前作に変わって、本書の探偵役はフランス中に謎の情報網を持ち〈ドイツ人〉というあだ名で様々な人間に恐れられている元内務省調査員ケルヴェレール。 秘密を知りすぎていたがゆえに内務省をクビになった彼だが、現役時代と同じく本能のまま情報収集に情熱を注いでいた。 代議士と極右活動家の密会現場に張り込んでいたある日、ケルヴェレールは木の下に落ちていた犬の糞から人骨の一部がのぞいているのに気付く。 事件の臭いを嗅ぎ付けたケルヴェレールは、資料整理のバイトとして雇っていた知人の元刑事の甥、マルクを巻き込み、独自の捜査を開始する──。

前作のファンには残念なことに、『死者を起こせ』の主人公の4人は、本書では完全に脇役。 マルクとマティアスはワトソン役(でも、結構おいしいところを持っていくぞ)といえるが、リュシアンはマルクの荷造りを手伝う時にちょろっと登場するだけだし、マルクの伯父、ヴァンドスレールに至っては電話の相手としか登場しないという寂しさである。

とはいえ、2転3転する容疑者と、最後までどこに落ち着くか分からないストーリーは健在。 導入部に多少強引さも見られるものの、隠された過去を持つケルヴェレールにはじまり、犬の中の人骨、巨大な占いマシンと、謎めいた要素に彩られたストーリーをきれいに着地させる著者の手腕は見事だ。 さすがは「仏ミステリ界の女王」(by 帯)と感心した次第。

それにケルヴェレール自体もペットのヒキガエルをポケットに入れて歩くような変人なので、個性という点では決して4人に引けを取っている訳ではない。 前作の4人のファンであるならば、少々毛色が違うものの、ヒキガエルに話しかけながら事件を捜査するケルヴェレールの姿もまた楽しめるのではないかと思う。

ちなみに、ストーリーは前作とリンクしている訳ではないので、前作を未読の人でもご安心を(もちろん、前作を読んでいた方が楽しめるが)。

オススメできる本シリーズだが、少々心配なのが邦訳の刊行ペース。 第1弾の『死者を起こせ』が出版されたのは2002年で、第2弾の本書が出版されたのは2008年。 その間、なんと6年もの期間が空いているのだ! よほどの人気シリーズは例外として、翻訳シリーズ物の刊行スピードが遅いのは通例ではあるが、ちょっとこれは間が空きすぎじゃないだろうか。 第3弾の出版までにまた6年かからないことを切に願う。

というか、早ければ早いほど嬉しいです。 > 東京創元社様


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書評/ミステリ・サスペンス


2008-05-17(Sat) [長年日記] この日を編集

_ 公衆衛生の幕開けを描いたスゴイ本──感染地図―歴史を変えた未知の病原体(スティーヴン・ジョンソン/矢野 真千子) 感染地図―歴史を変えた未知の病原体(スティーヴン・ジョンソン/矢野 真千子)

『眠れない一族』につづいて、とんでもなく面白い医療系ノンフィクションがktkr。

こちらも文句なしにスゴイ本! 一気読み間違いなしの傑作だ。

本書が扱っているのは、1854年の晩夏にロンドンのソーホーで発生したコレラ禍。 このコレラ禍は700人以上が犠牲となる甚大な被害をもたらすとともに、後の科学的公衆衛生の幕開けともなった事件だった。

当時、コレラの感染ルートと一般に流布していたものは瘴気だった。 スラムの不潔な空気からコレラが発生し伝播するとい考えられていたのだ。

その背景には差別意識があるのだが、同時にスラムの衛生状態があまりに酷かったかという現実も多大に影響している。 本書の中で当時のロンドンがいかに不潔であったかをよく表わしている箇所をいくつか引いておこう。

両家の地下室はすべて三フィートもの人糞で埋まっており(中略)廊下を抜けた中庭も、深さ六インチほどの便所からあふれ出た汚物でいっぱいになって……(p.20)

小さな家一軒ほどの高さの人糞の山(p.20)

バケツから水路に汚物があけられるときのしぶきの音がときおり聞こえた。(中略)住民はそこにバケツから汲んできた水をうつし、一日か二日そのままにして汚物と害毒と病気の粒子である固形物を沈殿させ、上澄みをすくいとるのだという。子供が水路の水をかき混ぜないようにそっと空き缶を下ろしていると、別の人がやってきて、屎尿が入ったバケツの中身をあけた。(p.21)

このようになんとも凄まじい状況になっていたのだ。

瘴気説を支持していたのだが、偏見に凝り固まった人々だけではなく、ナイチン・ゲールをはじめとする偏見とは無縁の社会推進者たちも含まれていたことは、スラム街の不潔さを示す証左と言っていいだろう。

1854年、ソーホーのブロード・ストリートから突如はじまったコレラ禍について、従来の瘴気説に疑問を持った2人の男たちがいた。 一人がコレラの発生源を突き止めることに情熱を注いでいた麻酔医ジョン・スノー。 もう一人が地元の教会に勤める副牧師ヘンリー・ホワイトヘッドである。 2人はお互いの存在を知ることなく、個別にソーホーを歩き回り情報収集に務めた。

スノーはデータを積み重ねた末、遂にブロード・ストリートの井戸水がコレラの伝播ルートであることを確信する。 彼は打つ手のない地元教区役員会を説得して井戸のポンプの柄を外させた。 コレラ禍がそれ以上拡大することを防いだのだ(ただし、その時点で井戸のコレラ菌が死滅していた可能性が高いことも著者は示唆している)。

これは歴史の転換点だった。 著者は次のように書く。

このとき、公的機関はコレラという疫病にたいしてはじめて科学的理論の情報に基づく介入をおこなった。(中略)コレラ菌はこのときはじめて、迷信ではなく理性で武装した人類に行く手を阻まれることになったのだ。(p.172)

だが、本書のスゴイところは、スノーが井戸のポンプを外させたという一点だけでは、この事件が決して歴史の転換点とはなり得なかったと指摘していることだ。 それには大衆を納得させるだけの力を持った支持者の存在が不可欠だった。 そうでなければ、

珍説をふりかざす医者がパニックとなっている教区役員を言いくるめてポンプの柄を取り外させた(p.208)

という歴史の一エピソードになりかねなかったのだ。

その支持者の役割こそホワイトヘッドが担ったものだった。

当初、スノーが示した飲料水媒介説に懐疑的だったホワイトヘッドも、スノーが提示したデータと自分が聞き込みで得た知識を照合した結果、スノーが正しいことを確信した。 ホワイトヘッドの支持が原動力となり、教区役員会は井戸がコレラ菌に汚染されていた旨の報告書を作成することになる。 それは未だに瘴気説にこだわる行政とは真っ向から対立するものだった。

事件の何年か後、スノーは固い友情で結ばれることになったホワイトヘッドに次のように語ったという。

「あなたも私もそんな未来に生きていないでしょうし、そのころには私の名前も忘れられているでしょうけれど、いずれコレラの流行が過去のものとなるでしょう。この病気の伝播方法がわかって予防策がとれるようになるときが」(p.190)

この予言は半分だけ当たった。

スノーの死後、しかし、ホワイトヘッドが現役の牧師と活動している時期に、行政も遂にコレラが飲料水を媒介として伝播するということを認めたのだ。 ただし、あたかも自分たちが当初からスノーの説を支持していたかのような態度をとって。

スノーの飲料水媒介説が認められるようになって、世界の公衆衛生の観念は変わった。 瘴気説は消え、下水道は作られ、飲料水もきれいになった。

ウィルスの遺伝子は親から子への「垂直降下」だけで伝達される訳ではなく、

茶色の髪の女性が一年間、赤毛の同僚と肩を並べて仕事をしていて、ある日、目が覚めたら赤毛になっていた(p.254)

というように他のウィルスから遺伝子を借りてくる「水平方向」の伝達があることも分かった。

その結果、現在はヒトからヒトへ感染しないウィルスが新たな遺伝子コードを獲得して変異する可能性と、それに対する事前の予防策が取られるようになった。 その予想される変異ウィルスの代表例こそ、今日恐れられているH5N1型インフルエンザ、通称「鳥インフルエンザ」の変異型である。

人類とウィルスの戦いはこれからもつづくだろう。 我々が持つ最大の武器は迷信に惑わされない理性だ。

スノーとホワイトヘッドが瘴気説に立ち向かった姿を示すことによってそれを再確認させてくれる好著である。

_ 楽天ブックスのコンビニ受取便が改悪になる

楽天ポイントが貯まっていたので、楽天ブックスで本を発注したのだが、今までのファミリーマート以外にもサークルKとサンクスで受け取れるようになっていた。

「マジ! すげーじゃん、楽天ブックス」とか思っていたら、こんな注意書きが。

WS000000

おいおい。宅配便が1500円(税込)以上で無料なのに、それの2倍の額でコンビニ受け取りにするヤツなんてほとんどいないだろう。

安い本を買うのに楽天ブックスは重宝だったんだけど、これで使う機会がぐんと減るなぁ。 オンライン書店はAmazonの一人勝ちか。

ちなみに、今回発注した本はこれ。

速水螺旋人の馬車馬大作戦 速水螺旋人の馬車馬大作戦
速水螺旋人
イカロス出版
¥ 1,500


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