ぽっぺん日記@karashi.org
2008-04-23(Wed) [長年日記]
_ 宦官探偵、登場──
イスタンブールの群狼 (ハヤカワ・ミステリ文庫)(ジェイソン・グッドウィン/和爾桃子)
19世紀のオスマン帝国時代の首都イスタンブールを舞台に、宦官ヤシムが近衛新軍士官連続殺人事件を追うという一風変わった探偵小説が本書。
イスタンブールの活気溢れる町中の様子が生き生きと描かれ、月並だが「まるで見て来たみたいだなぁ」なんてことを思っていたら、それもそのはず。 著者はミステリ分野でこそ新人だが、オスマントルコ史については何冊もの著作を上梓しているベテラン歴史著述家とのこと。 根からのイスタンブール大好きっこが書いたんだから当たり前といったら当たり前ですなー。
純粋にミステリーとして見ると、人物視点がころころと変わったり、伏線が回収し切れていなかったりと粗も見えたりするのだけども、 イスタンブールと、料理好きなヤシムやその友人のポーランド大使パレフスキー、コサック舞踏手プリーンといった魅力的な登場人物たちは、そんな欠点も補って余りありますよ。
個人的には、作中で描写される風呂屋+マッサージが非常に気持ち良さそうで、一回体験してみたくなったり。
なお、訳者あとがきでは、登場するトルコ料理のひとつ、トライプ・スープのレシピも紹介されているので、そこらへんもちょっとお得。
イスタンブールLoveな人はもちろん、「美貌*1の宦官」という主人公にビビッとくる腐女子属性の人は読んで損なしの一冊。
あー、ちなみに、ヤシムはBLな人ではないので、そっち方面を期待して読まないように。
原著では宦官ヤシムを主人公とする第2作(既刊)、第3作(執筆中)とつづいているらしいので、邦訳されることを希望したい。
*1 かどうか分からないけど、なんとなく、そんな感じ
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