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2008-02-17(Sun) [長年日記]

_ 銀河北極 (ハヤカワ文庫 SF レ 4-4 レヴェレーション・スペース 2)(アレステア・レナルズ/中原 尚哉)

『火星の長城』につづく、『レヴェレーション・スペース』短篇集第2弾。こちらも『火星の長城』に負けず劣らず、レナルズの良さを堪能できる一冊に仕上がっている。

本書の表紙画は、たぶん、「銀河北極」におけるイロンデル号とヒデヨシ号(凄い名前!)のチェイス・シーン。

これで既訳の短篇で書籍に入っていないのは「スパイリーと漂流塊の女王」だけか。 長篇の訳出時にでもボーナストラックとして入れて貰えると嬉しいね。

以下、収録作の感想をつらつらと。

時間膨張睡眠

冷凍睡眠状態の移民を運ぶ近光船で、ただ一人目覚めさせられた乗員の話。

レナルズの初期作品ということで、他の作品群と整合性の合わない設定も出てくるが、ミステリ調の雰囲気は悪くない。

ターコイズの日々

レナルズには珍しく、気候温暖な海洋惑星+飛行船+海洋学者姉妹、と癒し系の設定が揃った作品。

でも、ストーリー展開は全然癒し系じゃないあたりが、レナルズらしい。

グラーフェンワルダーの奇獣園

レナルズの他作品に登場した奇っ怪な動物たちが登場しまくる作品。

「ダイアモンドの犬」登場のトランティニャン博士も登場して、読者サービス満点。

ナイチンゲール

スカイズエッジ星軌道の機能停止した病院船に潜む戦争犯罪人を逮捕するため、船内に潜入する元軍人たちの話。

オチが凄い! 日本人作家でいうと、小林泰三か牧野修という感じだ。

収められた作品の中では一番のお気に入り。

銀河北極

本作を読むのは、既にS-Fマガジンに掲載されたものを二度読んでいるので、これで三度目。4万年近くに渡るおっかけっこという凄いスケールの作品。

S-Fマガジンで読んだ時には、よく分からなったところも、こうして他の作品と読むとパズルのピースがかちりと嵌るようで気持ちがいい。

それにしてもインヒビターって影が薄いよな。