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ぽっぺん日記@karashi.org


2007-11-09(Fri) [長年日記]

_ 夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)(海堂 尊) 夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)(海堂 尊)

首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ1億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった――はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。8年ぶりに現れた悪友が言い放つ。「久しぶり。ところでお前、1億円欲しくない?」かくして黄金地球儀奪取作戦が始動する。二転三転四転する計画、知らぬ間に迫りくる危機。平介は相次ぐ難局を乗り越え、黄金を手にすることが出来るのか。 東京創元社の紹介文より引用

本が好き!経由で献本して頂いた。

デビュー作『チーム・バチスタの栄光』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞するという快挙を成し遂げて以来、矢継ぎ早にヒット作を飛ばしている海堂尊の第六作。 著者の作品を読むのは、本書が初めてなのだが、ぐいぐい引っ張る筆力は、さすが評判になるだけあって、非常に面白く読むことができた。

実は本書を手に取る前、前掲の紹介文から、騙し騙されるの知略を巡らせたコンゲームか、綿密に計画された犯罪を描くクライムノベルなんてものを想像していたのだが、実際に読んでみたら、思わずのけぞってしまう、ぶっ飛びバカ小説だった。

鉄工場の社長にして発明狂の主人公の父親、 得体の知れないヒッピースタイルの悪友、 40Kgの鉄球でお手玉してしまう美人バーテンダー、 相撲取りのような体型を誇る市役所職員といった個性的すぎる面々が登場するだけでも凄いのだが、そこにサポート係として、ちょっとシティーハンターを彷彿とさせるセキュリティ会社の男女ペアが加わるに及んで、読んでいるこちらが唖然としてしまう。だって、舞台は不況にあえぐ地方都市なんですよ? そんなトラブルシューターみたいなビジネスが成立するんですか? なんてことを思うのだが、しかし、二転三転四転する事態に、そんな些細なこと(?)はどうでもよくなり、 駄目押しとばかりに、みのさんならぬ、モロさんが司会を務める朝の人気ニュース番組──その名も『バッサリ斬るド』が絡んできて、一気に衝撃のラストへ──という、まるでオモチャ箱を引っくり返したかのような大騒ぎが全面で展開されてしまうのだ。

面白い反面、小説としての深みは今一つといった面もなきにしもあらずではあるのだが、こんなメチャクチャな話(注:誉め言葉です)を破綻させることなく、まとめあげた著者の手腕は見事。

なお、本書の舞台である桜宮市と登場人物の一部は、他の海堂尊作品と共通とのこと。 本書を読んだ以上、やはり『バチスタ』シリーズをはじめとする他の作品群を読まないといけないだろう。また楽しみが増えた。


夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)

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書評/ミステリ・サスペンス

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