ぽっぺん日記@karashi.org
2007-10-14(Sun) [長年日記]
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運は数学にまかせなさい―確率・統計に学ぶ処世術(ジェフリー S.ローゼンタール/中村 義作/柴田 裕之)
本が好き!経由で献本して頂いたのだが、これはスゴイ本。
統計学教授にして、アマチュアミュージシャン、プログラマ、即興コメディ・パフォーマーという異色の経歴を持つ著者が、日常生活と確立や統計との関係を関係を示すとともに、
さまざまな結果が現れる可能性についてロジカルに考えることで、より賢明な決断をし、人生をより深く理解することができる(p.14)
ことを、数学が苦手な読者でも分かるように、平易な表現で教えてくれるのが本書。 『暗算の達人』が面白く読めた人であれば、確実に楽しめる本だ。
先に著者の経歴を「異色」と書いたが、『暗算の達人』の著者の一人、アーサー・ベンジャミンが数学科教授であると同時にマジシャンであることを考えれば、それほど特異という訳でもない。もしかすると、数学の才能とパフォーマンスの才能とは、意外と近い関係なのかも知れない。まあ、今思い付いたことなので真偽は不明だが。
本書がカバーしている範囲は、新薬の臨床試験の効果判定や、犯罪発生率が本当に上がっているかどうかの判定の仕方といった真面目なものから、「カタンの開拓者」を上手にプレイするコツや、じゃんけんの達人と対等に勝負する方法といった軽いものまで、多岐に渡っている。
どれも面白く読んだのだが、 特に興味深かったのが、第3章と第4章に書かれた、カジノで行なわれるギャンブルに隠された確率の話。
ルーレットやポーカーやブラックジャックといったポピュラーなものから、あまり日本人には馴染のないキーノやクラップスなど、数々の例が上げられているが、共通しているのが、どれも50%よりコンマ何パーセントか上くらいの絶妙な確率でカジノ側が有利なように調整されているということ。この確率では、当然、客の中にゲームに勝つ人間も出てくるが、ランダムな出来事も回数を重ねると平均値に近付いていくという「大数の法則」により、ゲームを繰り返せば繰り返すほどカジノ側が勝つ可能性が高くなるという。 なにしろ、カジノは、そのために確率の専門家を雇っているというのだから、それも当然だ!
著者によれば、スロットマシンの勝率について「カジノの経営者がいかさまをしていないと信じるしかない」と書いているが、スロットマシンのメーカーが公表するところでは「平均すると賭け金の八八%から九五%を客が回収できるとしている業者が多い」とのことだ。つまり、「スロットマシンで一〇ドルを賭けると、五〇セントから一ドル二〇セント失うことが見込まれる」ということになる。
日本のパチンコやパチスロなどの勝率がどれくらいに設定されているかは知らないが、店側が有利なようになっていることは確実だろう。また、競馬の勝率についても、胴元であるJRAが有利になっていることを推測することは難しくない。 昔から「ギャンブルでは家が建たない」なんてことが言われるが、それの数学的な証明と言えるだろう。
本書では他に、『暗算の達人』でも触れられていた「モンティ・ホール」問題──三つあるドアのうち、どれか一つの後ろに自動車がある。三番目のドアの向こうに何もないことわかっていたら、どのドアの向こうに自動車がある可能性が高いか?──に関する説明や、日々メールをやり取りする人であれば、たぶんお世話になっているはずの、spamメールフィルタで使われているベイズ統計の解説なども含んでいるので、そのあたりに興味がある人も面白く読めるはずだ。
なお、最終章に掲載されているしめくくり問題は、本書を読み終えた人であれば吹き出してしまう内容なので、本書読了後、ぜひ挑戦して欲しい。
『暗算の達人』が面白かった読者にはもちろんのこと、確率について知りたいと思いつつも数学が苦手な人や、これからの人生で遭遇であろう、選択に迷ってしまう問題への指針を得たい人にオススメの一冊だ。
- ジェフリー S.ローゼンタール、中村 義作、柴田 裕之
- 早川書房
- 2100円
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書評/サイエンス






まで頂ければ幸いです。
こんにちは。<br>「運は数学にまかせなさい」読みました。<br>本当にスゴイ本ですね。<br>本当に興味深い話題が満載で、<br>知的好奇心を満たしてくれるだけでなく、<br>人生を豊かにしてくれます。<br>TBさせていただきます。