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ぽっぺん日記@karashi.org


2007-09-30(Sun) [長年日記]

_ 悪魔はすぐそこに (創元推理文庫)(D.M. ディヴァイン/D.M. Devine/山田 蘭) 悪魔はすぐそこに (創元推理文庫)(D.M. ディヴァイン/D.M. Devine/山田 蘭)

本が好き!経由で献本して頂いた。

本書の著者、D・M・ディヴァインの作品を読むのは初めてなのだが、かつて、今はなき社会思想社の現代教養文庫より長篇4冊が刊行され、ミステリー・ファンから大絶賛を受けたそうである。 しかし、2002年に社会思想社が経営悪化により事業を清算した後は、本屋からディヴァイン作品は姿を消し、すっかり幻の作家となってしまっていた。

それから5年──最後にディヴァインの長篇が訳されてから10年以上の時を経て、創元推理文庫として、ディヴァイン作品がまた日の目を見ることとなった。その記念すべき第一弾が、ディヴァインの第5長篇である本書『悪魔はすぐそこに』である。

あらすじは以下の通り。

ハードゲート大学の若き数学講師ピーターは、亡き父の友人だったハクストン博士より相談を受ける。博士に横領の疑いが持たれており、大学より解雇される可能性が高いというのだ。審問にかけられたハクストンは、隠されている大学のスキャンダルを暴露することを仄めかすのだが、その直後、自宅でガス中毒死を遂げてしまう。自殺か? 他殺か? 関係者の間で憶測が飛び交う中、第2の殺人が起きる──。

1966年に書かれたということで、実に40年以上も昔の作品になるのだが、今読んでもまったく古さを感じさせず、非常に楽しんで読むことができた。

犯人の考えが理解できない(○○していた○○を○○するなんて!)という点と、ミスディレクションが放りっぱなしで最終的に回収されないという点は、個人的には少々不満に感じるところではあるのだが、全体としては、現在のミステリー作品にも比肩できるデキの良さと言ってもいいものと思う(本書よりデキの悪いミステリーはいくらでも転がっている!)。

その理由というのが、なによりもパズル的な面白さを第一義に持ってきた作者の姿勢があるだろう。ストーリー自体はシンプルな上、登場人物もそれほど多くない。それゆえ、読者は、場面により入れ替わる三人称の視点と、作中にちりばめられたヒントとミスディレクションの数々を読みながら、純粋に犯人探しに集中することができるのだ。

解説で法月綸太郎氏も書かれているが、本書を読み終えた後には、もう一度読んでみることをオススメする。様々なヒントが隠されていることが分かり、思わず膝を打つこと請け合いだ。

なお、本書に続く第二弾として、ディヴァインのThis Is Your Death(1981)の翻訳が進行中とのことだ。今から楽しみである。


悪魔はすぐそこに (創元推理文庫 M テ)

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書評/ミステリ・サスペンス

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