ぽっぺん日記@karashi.org
2007-07-01(Sun) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想]
犯罪捜査に従事する警察の組織やその役割について解説した一冊。
著者名よりも監修者名の方が何倍も大きくフォントサイズで刷ってあるカバーは変だが、内容は結構良い。
本書の構成は下記の通り(目次より抜粋)。
- 端緒と現場保存
- 初動捜査
- 捜査本部
- 刑事の職務と日常
- 警視庁の組織・階級
- 刑事の捜査技術
- 逮捕と検挙
- 鑑識
- 検視・解剖
- 公安警察の犯罪捜査
警察関連の知識というと、映画、ドラマ、小説、コミックあたりから得たものばかりなので、読んでいて、なかなか楽しかった。
個人的に、へーと思ったことを幾つか上げると、
- 特別捜査本部が設置された際、捜査本部員には3000円未満の慰労金が支給される(不眠不休に近いけど)。
- 警視庁での刑事への残業代支給率は約50%(残りはサービス残業)。
- 事件が発生した場所に捜査本部が置かれることはない(たとえば、殺人事件が起きたホテル内に「○○ホテル殺人事件」特別捜査本部が置かれることはない)。
- 捜査本部の入口横に貼ってある「○○事件」と筆書した紙は、主任以上が発案し、筆のたつ警察官が書く(ちなみに事件名は戒名と呼ぶそうだ)。
- 取調室では食事禁止(だから、カツ丼を食べさせることもない)。
- また取調室には凶器となるような器物が置かれることもない(スタンドを被疑者の顔に近付けて「白状しろ!」とやることもない)。
あたり。
その他、監修者である北芝健氏へのインタビューや、各章の最後に読者(?)から北芝氏への質問コーナー *1もあったりするのだが、 正直、経歴詐称疑惑もある人なので、北芝氏自身の話に関しては話半分くらいに読んでおいた方がいいかも知れないという気はした(某落合の人や、某元グリンベレーの人、某フランス外人部隊の人と一緒ですな)。
ちなみに、質問コーナーの質問者として、作家の樋口明雄や香納涼一の名前があって、個人的におかしかった。自分で取材しろよ(まぁ、そこらで聞ける話じゃないのは分かるけど)。
メチャクチャ面白いという訳でもないので、強くはお薦めできないけれど、ミステリー、ハードボイルド、警察小説あたりが好きな人は、一読しておくと、警察関係の記述にツッコミが入れられて楽しいかも知れない。
*1 「小説推理」の連載記事をまとめたもののようなので、連載当時のものだと思われる。説明くらい付けて欲しいね。
_ [Rails]Railscasts - will_paginateを視聴した
Rails 2.0からpaginateはpluginに追い出されるらしいので、これからは先を見越して
を使っておいた方が良さげ。
ちなみに、will_paginateはModelにpaginateメソッドを追加するpluginで、見たところ、かなり良い感じ(まだ試していない)。
2007-07-02(Mon) [長年日記] この日を編集
_ [Plagger]地震が起きたらメールを飛ばしてくれるearthquake.yamlを書いてみた
そろそろPlaggerについて一言いっとくかに Plaggerのearthquake.yamlについて
なにか揺れを感じたからといって、いちいち混み混みになる気象庁へアクセスする必要はない。たとえ出先でも、震度4以上なら3分以内にメールが届く。(livedoorとインフラが無事ならば。) なにか揺れを感じたからといって、3分以内にメールが来なければ震度3以下なので、地震が気にならなくなる!
と書いてあって、「俺も使いてー」と思ってググってみるが、見つからないので、weather-notify.yamlをパクって書いてみた。
earthquake.yaml:
global:
plugin_path:
- /usr/local/share/Plagger/assets/plugins
assets_path: /usr/local/share/Plagger/assets
timezone: Asia/Tokyo
log:
level: debug
plugins:
- module: Subscription::Config
config:
feed:
- http://weather.livedoor.com/forecast/rss/earthquake.xml
- module: Filter::Rule
rule:
expression: ++$::index == 2
- module: Filter::Rule
rule:
module: Deduped
path: /path/to/earthquake.db
- module: Publish::Iso_2022_jp_mail
rule:
expression: $args->{feed}->entries->[0]->title =~ /(?:東京都|神奈川県|埼玉県|千葉県)/ && $args->{feed}->entries->[0]->title =~ /震度 (\d)/ && $1 >= 4
config:
mailfrom: from@example.com
mailto: to@example.com
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で震度4以上の地震があったら、ケータイにメールを飛ばしている。
参考:
- weather-notify.yaml
- s_nobuの日記 - Publish::Iso_2022_jp_mail
追記(2007/8/18)
重複チェックをしていなかったので、Dedupedを追加。動作も確認できたので、少し文章を変更。
あと、はてなブックマークのコメントに
地震をトリガにPlaggerを起動するか,3分間隔でPlaggerを常に起動させておく必要がありますよね?(確認)
と書いてあるので、いちおう答えておくと、cronで3分ごとに動かしています。
しかし、はてブのコメントで質問されても、いちいちチェックなんかしていないので、できれば、ツッコミして欲しいなぁ。
2007-07-05(Thu) [長年日記] この日を編集
いちおう、コンピュータをいじったり、プログラムを書いたりして日々の生活の糧の幾許かを得ている身でありながら、 恥ずかしながら、コンピュータの本質というものについては全く理解していなかった。 そんな状況を打破しようと、「本が好き!」プロジェクト経由で献本して頂いたのが、本書『あなたはコンピュータを理解していますか?』だ。
結論から言えば、平易な言葉でコンピュータの本質を解説した本書は、名著と言って過言ではない一冊だった。 サブタイトルの『10年後、20年後まで必ず役立つ根っこの部分がきっちりわかる!』という文句は伊達ではない。 本書を読むことにより、コンピュータがブラックボックスとしか感じられなかった人も、その本質を(少なくともぼんやりとは)理解できるようになるだろう。アマ、プロ問わず、普段からコンピュータに触れている全ての人にお薦めしたい。
巷に溢れる初心者向けのコンピュータ解説本を読んだ方であれば分かると思うが、その手の本の頭の方には、こんなことが書いてあるのではないだろうか。
CPUはコンピュータの心臓部で、人間でたとえれば、頭脳に当たる部分です──
しかし、本書では、CPUとはなんぞや、というようなことには触れられていない。では、なにが語られるのか。 まず、第1章では「情報量(エントロピー)とはなにか」という、情報科学の基礎とも言えるものが語られるのだ。
「情報量」や「エントロピー」などと書くと、一見、ひどく難しそうである。ところが、本書では、そのひどく難しそうな事柄を、なんとインスタント味噌汁の濃さという、なんとも親しみやすいものとして表現し、非常に平易に説明する。 続く、第2章以降でも、その親しみやすさは変わらない。情報理論の「チャネル」を石油パイプとして例え、有限オートマトンを自動販売機として例え、メモリを升として例えることにより、高度な情報科学を分かりやすく解説していく。
個人的に一番感心したのが第5章『師宣わく「未来は常に移り変わっている」』だ。この章の前半では、ソフトウェアのバグがないことを証明することが不可能であるということと、プログラミングが明確な基準がいまだ確立されていない発展途上の技術であるかを解説している。特に後者について説明している初心者向けの本は、本当に稀ではないだろうか。一般ユーザは、ここらへんを知って、少しぐらいバグがあっても、致命的でなければ、大目に見て貰いたいものである。ヘボ・プログラマ(本職ではないので、職業的には1/4くらい)の願いだ。
本書は以前出版された同名の書籍の改訂版とのことである。旧版の価格は1,869円で、本書はその半値近い945円である。このような良書が 低価格で手に入れられる意義は非常に大きいと思う。出版社であるソフトバンク・クリエイティブの努力には敬意を表したい。
なお、最後に蛇足ではあるが、本書が気に入った人、なおかつSF好きな読者には
から始める『クリプトノミコン』四部作の併読をお薦めしたい。楽しめることと思う。
- 梅津 信幸
- ソフトバンク クリエイティブ
- 945円
livedoor BOOKS
書評/サイエンス

2007-07-06(Fri) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想][SF]
同じ著者の『独白するユニバーサル横メルカトル』に負けず劣らず、厭な話が満載の短篇集。ホントにひどいですよ!(注:誉め言葉)
通勤電車内で読んだんだけど、相変わらずのグロ描写の連続で、ちと隣りの人の目が気になったり。これが鞄に入っている時に、なにかの間違いで警察のご厄介になるハメに陥ったら、すげー悪印象を与えそうだよねぇ。
ちなみに、カバー画は『独白するユニバーサル横メルカトル』に引き続き、ベクシンスキー。画集を買おうかと思っているんだけども、妻が嫌がりそうなので、ちと躊躇している。
本書の収録作は、下記の七篇。
- テロルの創世
- Necksucker Blues
- けだもの
- 枷
- それでもおまえは俺のハニー
- 或る彼岸の接近
- ミサイルマン
気に入った作品をピックアップしておく。
『けだもの』
〈狼男だよ〉
というセリフにニヤニヤ。言わずと知れた、平井正和へのオマージュですな(とか言いつつ、実は、平井正和、読んだことなんだけどな!)。
『枷』
本書の収録作のベスト。詳細な人体破壊描写に胃がでんぐり返りそうになりながらも、麻薬的に読み進めてしまう傑作。殺人について頓珍漢な俺理論を展開する文化人を登場させるあたり、なんとも人が悪い。
『或る彼岸の接近』
俺の大好きなクトゥルフもの。他の収録作とは全く違う語り口が著者の作風の広さを物語っている。タクシーで次々に化け物を運ぶ、というのが、なんかのオマージュになっている気がするんだけど、思い出せん。
『ミサイルマン』
HIGH-LOWSの『ミサイルマン』歌詞で始まる表題作。こっちも詳細な人体破壊描写があり、やっぱり、胃がでんぐり返りそうになった。
しかし、ミサイルマンって、あんまり内容に関係なくね? いや、俺もミサイルマン、好きだけど。
_ ムキムキの筋肉を持つ体重27kgのウィペット犬 - GIGAZINE
すげー、銀牙 -流れ星 銀-に出てきそうだ!
_ [読書感想]
医学や科学の発展のために、自分たちの体を実験台にした人々の10個のエピソードを集めたのが本書。
ユーモラスなタイトルとイラストに騙されそうになるが、笑い話ではなく、至って真面目な内容だ。彼らは、人間がどれだけの熱に耐えられるかを試すため高温室に入り、消化のプロセスを調べるため、様々なものを飲み込み、また吐き出し、伝染病の原因を調べるため、患者の血を自分の体内に入れ、呼吸のプロセスを知るため、一酸化炭素から毒ガスまで様々な危険な気体を吸い続ける。
自分の命を賭してまでの実験に、彼らを突き動かしたものは何なのか。それは「今すぐ知りたい」という知的好奇心と、人々の生活をより良くするという使命感だ。彼らの命知らずの試みがあるからこそ、今の科学や医学の発展がある。知られざる偉人伝と言ってもいい一冊だ。
個人的に印象に残ったエピソードが、人間が隔離空間で生活した際の影響を調べるため、131日間を、たった一人、洞窟内で過ごしたステファニア・フォリーニのものだ。彼女は強い精神力で、その実験を耐え抜いたが、同様の実験に参加した被験者は精神のバランスを崩す者、自殺する者が多発したという。人間がいかに環境や社会と強く結び付いているかを示すエピソードだ。
なお、唯一の日本人として、サナダムシを自分の腸内で飼った藤田紘一郎氏が、著者あとがきでほんの少し触れられている。藤田氏の著作は未読なので、読んでみたくなった。
訳者あとがきによると、原書は子供向けの書籍として出版されたそうである。平易な言葉遣いで書かれているので、小中学の夏休みの読書感想文のネタとしてもよいのではないだろうか。ただし、取り扱いにはご注意を。訳者もこう書いている。
良い子はけっしてまねをしないように。(p.206)
ちなみに原書のタイトルGuinea Pig Scientistsのguinea pigというのは、モルモットのことだそうだ。つまり原題は、ずばり「モルモット科学者たち」。うーん、邦題の方がセンスは良い気がするかも。
*1 ついでに書くと、『本の雑誌』の「ミミ中野のこれいただくわ」でも紹介されていた。
2007-07-07(Sat) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想][軍事]
今まで断片的にしか知られてこなかった日本軍のインテリジェンス活動について総合的に考察しているのが本書。
結論から言うと、まさにエポッキメイキングな一冊だった。たぶん、これからの日本軍のインテリジェンス活動研究の上で、 一つのマイルストーンとして語られることになるのではないかと思う。
先の戦争において、日本の敗戦の原因の一つが情報の軽視だったとは、よく言われることだが、では、実際の インテリジェンスに関する活動はどのようなものであり、その能力はどの程度だったのかという点については曖昧なままだった。 筆者は、防衛省防衛研究所に所蔵されている情報関連の史料を活用し、その実態を明らかにしている。
本書を読んで驚くのが、陸軍のインテリジェンス活動についての能力の高さだ。
暗号解読については、米外交暗号の中でも最も高度と言われたストリップ暗号を解読するほどであったし (ただし、暗号解読が軍部の外交への干渉を助長させる要因になったとも指摘されている)、ソ連との間で 繰り広げられていた情報戦はスパイ小説もかくやという熾烈なものであった。
暗号通信の作成にはあまり関心が払われず、米英に暗号を解読されることも多々あったようであるが、その規模を 考えれば、米英の情報機関と比較しても遜色がないと思える(多少、贔屓目ではあるかもしれないが)。
一方で、海軍のインテリジェンス活動はどうだったか。
通信情報(シギント)については、かなり優秀であったようである。方位測定の活用により米軍の進路や開始時期を特定する成果を上げ、 戦果評価にしても、作戦部があまりにも楽観的にすぎる評価をした台湾沖航空戦の実際の戦果を正確に見積っている。
ただし、人的情報(ヒューミント)については、お寒い限りだ。インテリジェンス活動の経験もない素人のイギリス人をアメリカにおける スパイとすべく、大量の資金*1を投入するが、 目に見える成果を上げることができなかった。また、防諜活動についても同様で、ざっと上げるだけでも、ミッドウェー作戦における作戦内容の漏洩、 米軍に暗号が解読されていたことにより発生した山本長官撃墜事件(海軍甲事件)、古賀長官の遭難事故により機密書類が米軍の手に渡った海軍乙事件を引き起こしている。
では、それなりに高い能力を持っていたにも関わらず、なぜ、情報軽視が敗戦の要因の一つとまで数えられるようになり、『あまりに杜撰な報告に天皇が「サラトガが沈んだのは今度でたしか4回目だったと思うが」と及川古志郎軍令部総長に苦言を呈す(p.135)』惨状になってしまったのか。
著者はその原因として、次のものを上げている。
- 組織化されていないインテリジェンス(インテリジェンス活動は組織ではなく、個人の努力によって支えられていた)
- 情報部の地位の低さ(「作戦重視、情報軽視」の思考により人員と予算は作戦部に優先的に投入され、また情報分析も作戦部によってなされた)
- 防諜の不徹底(海軍の機密漏洩が顕著)
- 目先の情報運用(短期的・作戦レベルの情報運営には秀でていたが、中長期的・戦略レベルの情報運営が行なわれなかった)
- 情報集約機関の不在とセクショナリズム(組織間で情報共有が行なわれなかった)
- 長期的視野の欠如による情報リクワイアメントの不在(政治家や政策決定者に情報に関する理解がなかった)
こうして並べてみると、現在の日本、それも政府組織だけでなく、企業にも通じる問題であるように感じられるのは私だけではないだろう。
終章では、著者は、上記の問題点を教訓として、今後の日本のインテリジェンス活動がどうあるべきかを提言している。 進むべき未来を知るためにも、歴史を客観的な視点で考察する必要がある。歴史や戦争、インテリジェンスに興味がある人に強くお薦めしたい。
*1 当時の貨幣で数万ポンドにもなるという。現在の貨幣価値に換算すれば、数億〜10億円くらいになるだろうか。
2007-07-08(Sun) [長年日記] この日を編集
2007-07-11(Wed) [長年日記] この日を編集
_ [FreeBSD]svkを使いはじめた
今まで、特に必要性を感じなかったので導入していなかったのだが、生のsvnを使っていて良いのは中学生までということなので、今さらながら使ってみることにした。
インストールや設定で特に迷うところはなし。
正直、オフライン環境で開発することがないので、今のところ、便利さがよく分からんのだが、とりあえず、使い続ければ分かるかな。
参考:
_ [読書感想]
「本が好き!」プロジェクト経由で献本して頂いた一冊。
本書『グラデュエーション デイ』には、米国の大学で行なわれた著名人による卒業式記念講演が24本収録されている。
講演者の顔触れは、歴代大統領をはじめとして、ティム・オライリー、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、ジョディ・フォスター、スティング、ロバート・レッドフォード、パトリック・スチュアート(『新スタートレック』のピカードの中の人!)、ロス・ペロー、ジョン・グリシャムと非常に多彩だ。
しかし、各スピーチの内容は、その講演者ほど多彩とは言えないかも知れない。講演者独自の語り口は、それなりに興味深かったものの──卒業記念式講演という性格上、仕方のない面ではあるのだが──内容的には似たり寄ったりのものが多く、20代半ばくらいまでの読者であれば得られる教訓も多いだろうが、それ以上の年齢の読者となると、正直なところ、少々退屈してしまうしまうかも知れない。
ただ、卒業生の前途を祝福し、叱咤激励し、「人生でお金は一番大事なものではないんだよ」と教訓を与える、お決まりのスピーチに、講演者の尖った主張(政府批判や死刑廃止論、フェミニズムなど)まで織り込んでしまうあたりは、さすがは自由の国アメリカだと感じられた。日本の大学でこんな講演したら最悪、途中で止められてしまうこともあるのではないだろうか。
個人的には、各スピーチの内容よりも、その背景に透けて見える時代が興味深かった。たとえば、1983年に行なわれたスーザン・ソンタグのスピーチでは、冷戦構造とレーガン政権の政策を痛烈に批判しているし、冷戦終結直後の1992年に行なわれたコリン・パウエルのスピーチでは、予想される明るい未来が語られる(現在の状況を考えるとなんとも皮肉だが)。また、1995年に行なわれたスピーチで、ダン・ラザーは、アメリカは(正確には「テキサス人」とラザーは語っている)ユーゴスラビヤ紛争やルワンダ虐殺に積極的に介入すべきだと主張する。
このような視点で各スピーチを見ていくと、不満に感じられるのが、本書に収められたスピーチのほとんどが1980年代から90年代のものであるいう点だ。2000年代に入ってから行なわれたスピーチは、冒頭のティム・オライリーのもの一つだけである。原書の出版は1998年ということなので仕方のないところではあるのだが(ティム・オライリーのスピーチは翻訳にあたって追加したのではないかと思われる)、9・11、イラクをはじめとする対テロ戦争が、卒業式記念講演にどのような影響を与えているのかを知ることができないのは残念だ。
本書の趣旨とだいぶ離れた感想を書いてしまったが、大学生または新社会人くらいの人にとっては、たくさんの教訓を得ることが出来る一冊だと思う。そういった人への贈り物としては最適ではないだろうか。
最後に個人的に興味深かったスピーチをいくつかピックアップしておく。
ティム・オライリー(於:カリフォルニア大学バークレー校・2006年5月13日)
プログラミングをする人であれば、たいていの人がお世話になっているのではないだろうかと思われる、動物を描いた表紙がトレードマークの技術系出版社、オライリー・メディアのCEO。最近巷に氾濫しているナンチャラ2.0の語源となった、Web 2.0の提唱者として有名。
現在のインターネットの状況とその光と影、そして、これからどのようにそれらを向き合っていきべきかを語ったスピーチは、コンピュータに関わる仕事をしていない人間でも一読の価値があるだろう。
ダン・ラザー(於:テキサス大学オースティン校・1995年5月20日)
ジャーナリスト、ニュースキャスターであり、最近では、ブッシュ大統領の兵役逃れという虚偽の報道をしてしまったことで有名。
高らかにTexas is No.1を謳い上げるスピーチは、いかにもアメリカの南部人らしく、非常におかしかった。
パトリック・スチュアート(於:ボモーナ大学・1995年5月14日)
『新スタートレック』のピカードを演じた俳優と言った方が通りがいいだろう。
なかなかユーモアに富んだスピーチで読んでいて楽しかった。前夜から演壇の下に潜み、名前を呼ばれた瞬間に、チェーンソーでステージに穴を空けて出てきた卒業生の話には、思わず、ニヤニヤしてしまった。
後半、死刑廃止論の話が飛んでしまうのは、少し妙ではあるが、トレッカーであれば、一読の価値ありか?
ロス・ペロー(於:ボストン大学・1994年5月22日)
言わずと知れた、1992年および96年の大統領選に出馬した大富豪。
金持ちと聞くと、つい反発したくなってしまう性分なのだが、意外にも(というと失礼だが)、教師や両親だけでなく、大学を維持する裏方さんたちにも同じ感謝を捧げるようにと語った、このスピーチは、収録されて中でも一番感動的なものだった(とは言え、もしかして本職のスピーチ・ライターが原稿を書いたのではないだろうかと、元来のへそ曲がりから、そんなことも疑ってしまうのだが)。
- アンドリュー・アルバネーゼ、佐々田 雅子
- オデッセイ コミュニケーションズ
- 1890円
livedoor BOOKS
書評/歴史・記録(NF)

2007-07-12(Thu) [長年日記] この日を編集
_ [Perl][FreeBSD]perlshを使いはじめた
Perlの勉強を再開したのだが、挙動をチェックするのに、
- エディタでPerlスクリプトを書く。
- 動かしてみる。
- 予想していない挙動だったら、エディタでスクリプトを書き直す。
- 動かしてみる。
- 予想してい(ry
というループは、あまりにもタルいので、perlshを使いはじめた。
perlshは、Term::ReadLine::Gnuに付属しているスクリプトということなので、portsを使い、
# portinstall /usr/ports/devel/p5-ReadLine-Gnu
でインストールした。
しかし、上記ではeg/以下のファイルはインストールされないらしい(perlshはTerm-ReadLine-Gnu-1.15/eg/perlshにある)。
ということで、
# cd /usr/ports/devel/p5-ReadLine-Gnu # make extract # cd work/Term-ReadLine-Gnu-1.16 # install -m 0755 -o root -g wheel eg/perlsh /opt/bin # cd ../../ # make clean
でインストール。
perlshもインストールされるようportsに手を加えてみようかと思ったのだが、Perl関連のportsの 動作がよく分からないので、また今度。
perlshをちょこっと使ってみた感じでは、irbライクで非常に便利ぽい。これでPerlの勉強が進むかも。
# ちなみに/usr/ports/shells/perlshが上記のperlshだと思って、「全然便利じゃねーなー」と思ったのはナイショ。
参考:
_ [tDiary]はてなスターを付けてみた
たださんのはてなスタープラグインを使わさせて頂きました。
_ [読書感想][SF]
一ヶ月遅れで読み終えた。
前号、前々号の異色作家特集は、個人的にはあまり面白いと感じられる作品がなくて感想を書く気にならなかったんだけど、今号はヒューゴ賞候補作特集ということで、なかなか良い感じだった。
とりあえず、掲載された小説の感想。
- マイク・レズニック「きみのすべてを」
- ネタは途中で分かるが、まぁまぁかな。なんとなく火の鳥ぽいと思った。
- ロバート・リード「八つのエピソード」
- あんまり面白くなかったかな。
- ブルース・マカリスター「同類」
- こっちもあんまり面白くなかった。
- ティム・プラット「見果てぬ夢」
- よくある話と言えば、よくある話なのだが、映画が好きなので好印象。あっち側の世界では、日本本土上陸作戦が行なわれたぽいので、日本映画は全然違っているんだろうな。
- マイクル・F・フリン「夜明け、夕焼け、大地の色」
- サンフランシスコ湾内で起きたフェリー消失事件を様々な人物による語り口で、多面的に描いた作品。傑作だと思った。解説にもある通り、9・11の影響が色濃く見える。あと、「首都消失」の影響もあるような感じがするのだが、どうだろう。
- 円城塔「A to Z Theory」
- これだけ読みと、ホントに「Self-Reference ENGINE」って言われているほど傑作なんだろうか、という気になってしまう出来。まぁ、今度読んでみるつもりなので、その時に分かるだろう。
あと、小説ではないけど気になったもの。
- 宇野常寛「ゼロ年代の想像力」
- 新連載の評論(?)。正直、内容的には全然興味がない話題なのだが、東浩紀を強烈にDISってておかしかった。なんか恨みでもあるんだろうか。
2007-07-13(Fri) [長年日記] この日を編集
_ [FreeBSD]FreeBSD Security Advisory FreeBSD-SA-07:05.libarchive
SAが来たので、お手軽にfreebsd-updateで対処。
今回は更新ファイルが多い。
2007-07-14(Sat) [長年日記] この日を編集
_ [FreeBSD][Trac]プロジェクトに関連するWikiドキュメント、タスク管理もTracでやることにした
今まで
- WikiドキュメントはHiki
- レポジトリのブラウジングとBTSにTrac
- 自分のタスク管理にRememberTheMilk
という訳の分からない感じで、プロジェクトを進めていたんだけども、masuidrive的プロジェクトの方針に影響されまくって、とりあえず、プロジェクトに関連するものは一括してTracで管理することにした。
プロジェクトの始まりはTracからを参考に、コンポーネントと優先度、チケット分類も日本語化。
Wikiについては、ちょっとTracのWiki記法が独特なので、慣れるまで、少し時間がかかりそうだけど。
参考
_ [読書感想][軍事]
軽いトンデモ本を予想して手に取ったのだが、実際に読んでみたら、思わぬ掘り出し物だった。今年読んだ中で、今のところ、No.1の奇書だ。
本書の原題はTHE MEN WHO STARE AT GOATS(『山羊を見つめる男たち』)。9・11直後のユリ・ゲラー(!)のインタビューをきっかけに、米陸軍の秘密超能力部隊おいて、見つめるだけで山羊を殺す実験を行なっていたことを知った著者が、実験を成功させた男を追ううちに、ヴェトナム戦争に疲弊した軍人が考え出した妄想と称すべき計画が、奇怪に変貌しながらも、現在まで生き続け、対テロ戦争の影で行なわれている悪夢のような所業に利用されているという真実に辿り着く。
著者の信奉者(ビリーバー)でも、懐疑派(スケプティック)でもない、一歩引いたスタンスと、ウィットが効いた語り口のおかげもあって、前半は読んでいて非常におかしい。 超能力を信じる元陸軍情報保全コマンド(INSCOM)の将軍*1、 超能力部隊に所属する兵士が「ジュダイの戦士」と呼ばれていたこと*2、 ニューエイジムーブメントに傾倒した軍人が考案した、「現地の音楽と平和の言葉」や「不協和音」を流す拡声器で武装し、子羊のような「象徴的な動物」を抱え敵国に赴き、「きらきら光る瞳」で敵を「自発的に抱擁する」戦士僧(ウォリアー・モンク)の部隊 *3、 元超能力部隊の隊員で、日本のテレビ番組に時々登場し、遠隔視(?)を披露している自称・FBI超能力捜査官ジョー・マクモニーグルのエピソードなどは、思わずニヤニヤしてしまうこと必至だ。
しかし、思わぬところで、9・11事件の実行犯と交差するや、話の展開は徐々にその方向性を変えていく。新興宗教の信者たちが、ヘール・ボップ彗星の地球接近に合わせて集団自殺した〈ヘブンズ・ゲート〉事件を皮切りに、シリア国境の廃駅のコンテナやアブブレイブ刑務所で行なわれた捕虜への拷問、グアンタナモ収容所で行なわれている奇妙な取調べ、CIAの秘密マインドコントロール計画〈MKウルトラ〉や〈アンティチョーク〉と読み進めるうち、笑い顔は強張り、遂には背筋に寒けを覚えるようになるだろう。
著者の軽妙な語り口のため、どこまでが真実なのかは判然としないが、読み出したら、ぐいぐい引き込まれること間違いなしの一冊だ。トンデモ本や超能力、陰謀論好きだけでなく、対テロ戦争の暗黒面について知りたい人にもお薦めしたい。
_ [subversion]svkのオフライン環境以外での効用が分かった
オンライン環境下でのsvkの効用が分からんかったのだが、帰宅して、つらつらと
を読んでいたら、特集1にバッチリ書いてあった。
要点を書くと、svkを使えば、
- 実験などが目的の個人的な変更
- リファクタリング
- 大規模な変更
などの、今までブランチを切ることで対応していたようなケースであっても、 ローカルなリポジトリで作業をすればよくなり、サーバ上のリポジトリにブランチを切る必要がなくなるということ。
で、サーバ上のリポジトリにコミット(push)する際に、細かい作業ログをサーバ上に反映させたくない場合には、
% svk push -l //project_x
で1トランザクションにまとめてコミットしてしまえば、おk。
なるほど。これは便利だ!
参考
WEB+DB PRESS Vol.39:特集1「構成管理 実践入門」
2007-07-15(Sun) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想]
去年話題になった本だが、確かに評判通りの傑作だった。去年出版だが、今年読んだノンフィクションでは、文句なしにNo.1の面白さだ。
本書を一言で表すと「赤色染料から見た世界史」ということになるだろう。
16世紀のヨーロッパにおいて最も尊ばれた色が赤だった。王や貴族、枢機卿は好んで赤い衣服や装飾品を身に付け、染物職人たちはどれだけ鮮やかな赤を出せるかに鎬を削った。様々な赤色染料が試されたが*1、その一大変革となったのが、スペインに征服された新大陸よりもたらされたコチニールだった。『完璧な緋色』と呼ばれるほど鮮烈な赤を生み出すコチニール。しかし、スペインによって完全に独占されたコチニールは、非常に高価だったばかりか、その正体さえ判然としなかった。新大陸からスペインに運ばれるコチニールを狙って海賊*2が横行し、コチニールの秘密を探るため、密偵が暗躍する。
本書はそのような歴史とともに、コチニールに関わった人々の悲喜交々も鮮やかに描き出す。コチニールの詳細な姿を描写すべく顕微鏡を覗いた発明家たち、コチニールが植物か動物かの論争に決着をつけるため全財産を賭けたギャンブラー、自国の利益のため、植民地でのコチニール生産に血道を上げた人間、コチニールに代わる合成染料を求めた化学者たち*3。なんとも魅力的なエピソードに溢れている。
合成染料の台頭により、染料としての役割を終えたと思われたコチニールであるが、近年、合成染料の健康被害がクローズアップされ、また染料として復活を遂げている。
一体、コチニールの正体はなにか? ググれば、すぐに分かることではあるが、興を削ぐので控えておこう。代わりに、コチニールが利用されている製品を本書から引用しておく。
砂糖菓子、アイスキャンディー、ソーセージ、ヨーグルト、ジュース、アイスクリーム、アップルソース、プディング、チーズ、咳止めシロップ、頬紅、口紅、アイシャドー、カンパリ(p.307)
どれだけ我々の身近にコチニールが溢れているかお分かりになるだろうと思う。
歴史ノンフィクション好きにはイチオシの一冊。未読な方はぜひ一読を。壮大な赤色染料の歴史に誘われるはずだ。
2007-07-16(Mon) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想][軍事]
佐藤亜紀の最新作。佐藤亜紀作品を読むのは久しぶりだ。
ウクライナの農場主の息子が、ロシア革命を機に小悪党へと転落。身に付けた教養がなんの役に立たない革命の混乱の中で、略奪と殺戮の日々を送り、徐々に人間性を失っていくというのが物語の骨子。まったく救いのない陰鬱な話でありながら、さすがは佐藤亜紀。主人公の父親が奇妙な出会いから農場主へと成り上がる冒頭からラストの大銃撃戦まで、ぐいぐい引っ張り、一気に読ませる。
ラストは燃える展開の割りに、少々あっさり過ぎ、物足りない気もしたのだが、そこは ググって見付けた、本書執筆前のインタビューを読んで納得。
次は一九二〇年頃の内戦時代のウクライナで『ワイルドバンチ』をやります(笑)。飛行機は飛ぶし、機関銃はあるし、最高でしょ。
なるほど、『ワイルドバンチ』なんですなー。映画のカメラだと考えると、読んだ当初は不可解だった、ラストの視点も腑に落ちる。
なお、作中にも登場する、カバーに描かれているマキシム機関銃で武装した馬車は、タチュンカというそうだ。カバー画から見るところ、前方に向かって射撃するのが難しそうだが、著者のサイトによると、「基本は後衛」だとのこと。
また、避妊の際、ハンカチを使うというくだりがあるのだが、一体、どう使うんだろうと疑問だったのだが、2chのスレによると
34 :吾輩は名無しである:2007/06/06(水) 04:28:07 ミノタウロス78ページの「熱心にハンカチを使ったとは言い難かったが」ってのは 避妊の話なんだろうけど、具体的にハンカチをどう使うのよ? 35 :吾輩は名無しである:2007/06/06(水) 23:17:06 ハンケチを被せて挿入だよ。 ゴムないときやらない? 37 :吾輩は名無しである:2007/06/07(木) 02:09:48 ナボコフの父は息子に中絶性交を教えたらしいよ。 寸前で引き抜いてハンカチに出すんだって。
ということ。まぁ、二番目の方法だろうなぁ。
実は『天使』も『雲雀』も未読だったりするので、近いうちに読む予定。
2007-07-17(Tue) [長年日記] この日を編集
_ [twitter][FreeBSD][Firefox]FreeBSDのTwitterクライアントをGtkTwitterにしてみた
FreeBSDでは、Twitterクライアントとして、Firefox拡張のtweetbarを使っていたんだけども、Firefoxが、えれー重くなるので他のクライアントに乗り換えることにした。
最初の乗り換えクライアントとしてTwitter Lineを使ってみたんだけども、alpha版ということもあるのかも知れないが、挙動が不審。
さらに乗り換えクライアントを探して、やっぱり専用クライアントがいいかも知れないということでGtkTwitterを使ってみることにした。
Linux用ということだけども、FreeBSDでコンパイル・動作ともに問題なし。
で、使ってみた感想なんだけども、軽いし、動作も安定しているし、これはイイッ! 作者のmattnさんに感謝(ホントはGtkTwitterのスクリーンショットを載せようかと思ったんだけども、モザイクの掛け方が分からんので断念)。
portsにしてみたいんだけども、Gtk関連がよく分からんので、ちょっと時間をかけて調べてみよう。
2007-07-20(Fri) [長年日記] この日を編集
_ [Firefox]ssh socks proxy + FoxyProxyがすげー便利な件
社内に設置してあるTracに外からアクセスするのに、sshのダイナミックフォワードをsocks proxyを使っているんだけども、いちいちFirefoxのproxy設定を変更するのが、ものすげー面倒だった。
で、「なんかFirefoxのProxy関係で便利な拡張ねーかなー」と探して見付けたのが、FoxyProxy。URLをパターン(正規表現もOK)を見て、proxyの有無および接続proxyを切り替えてくれる優れ物。
実は、並行して、ほぼ社内TracにアクセスするためだけにOpenVPNを導入していたりもしたのだが、そっちも不要になりそう。
参考
2007-07-21(Sat) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想]
癌で余命いくばくもない往年のTVスター、フィンキー・リンキー。その彼の前に“死”そのものが現われ、死者を蘇らせる奇怪な力を授けてゆく…いっぽう世界的な女優だったアーレンは、ひょんなことから巡り会った一人の戦場カメラマンに真摯な恋心を抱くようになるのだが…ふたつの物語が交錯するとき、明らかにされる衝撃の真実とは。
本書の解説も書かれている米光一成さんが、blogで強烈にプッシュされていたので読んでみた。
主人公の一人称、インタビュー、友人への手紙や録音テープ、主人公2人の対話といった多様な方法で重層的に展開するのが本書の特徴なのだが、米光さんも解説で書かれている通り、なんと言っても、それまでのストーリーが一気に崩されるラスト30ページが圧巻。
まず「え、残りこんだけのページ数しかないのに、こんな展開でいいの?」と驚かされ、次に「ちゃんとオチを付けられるの?」「まさか投げ放っしじゃないよね?」と不安一杯にページを繰っていくのだが、残り数ページとなったところで、それまで蓄積した絶望が希望へと昇華する。見事としか言いようがない。
ジョナサン・キャロルの作品を読んだのは、今回が始めてなのだが、本書の登場人物の一部は『月の骨』、『空に浮かぶ子供』にも登場しているそうだ。次の機会に読んでみたいと思う。
2007-07-25(Wed) [長年日記] この日を編集
_ [Firefox][FreeBSD]GoogleToolbarからGooglebar Liteに乗り換えてみた
最近、FreeBSD上のlinux-firefoxが激重なので、300clp - Firefoxを遅くさせる最大原因はアドオンを参考に、とりあえず、GoogleToolbarからGooglebar Liteへの入れ換えをしてみた。
で、結果から書くと、体感できるくらい軽くなりましたよ。
だいたい、GoogleToolbarで使っている機能って、
- 検索窓
- 検索キーワードでのページ内検索
くらいなもんなので、そんなにたくさんの機能なんていらないんだよな。
_ [Rails]controllerの非公開メソッドはprivateにするべき?
前田さんのWebアプリケーションセキュリティフォーラムでの発表資料を読んでいたら、こんな記述が。
= private/protected
- 両方ともサブクラスからアクセス可能
- 違いはprivateではレシーバを省略した形式でしか呼び出せないこと
= protected
- 2項演算子などを定義する際に利用
- privateメソッドの呼び出しより若干遅い
- 多くのRailsコードは間違い
2007-07-26(Thu) [長年日記] この日を編集
_ 今さら『時をかける少女』と『ブレイド3』について
こないだ『時をかける少女』をテレビ放送で見た。自分の学生生活にオーバーラップさせるようなことはしなかったけど(あんな学生生活送っているヤツなんて、ほとんどいないんじゃね?)、 トボフアンカル・ミニ・メディア(T:M:M) - 「時をかける少女」を見たら、うつになったの
それより何より気になったのは学校の周りのやつらの 「イジメをしてるグループより反撃してる高瀬の方がウザイ」って反応 「コーラをかけられたからコーヒー牛乳かけ返してやった」って高瀬に 「そんなことするから・・・(余計いじめられるんだよ)」って早川さんの返しにも絶望した
というのは、俺も気になった。
まぁ、以上のことは、どうでも良くて、ホントに書きたいのは、その前々日にやっていた『ブレイド3』がすげー面白かった件。
『ブレイド3』が面白すぎて、夢中になって見ていたら、妻に「ホントにこういう映画好きだねー」と尊敬されてしまった。えっへん。
個人的には、『ブレイド3』 >>> 越えられない壁 >>> 『時をかける少女』って感じの面白さだったんだけど、同僚にこれを話したら、「比較する対象がおかしい」と言われた。どっちも映画なんだから、おかしくないよね?
_ [SF][軍事][読書感想]
後進国で頻発する民族虐殺の背後には謎の米国人ジョン・ポールの存在があった。米情報軍のクラヴィス大尉はインド、アフリカの殺戮の地にその影を追うが……
S-Fマガジンや各所のブログで評判だったので読んでみたんだけど、期待していた以上の出来。と言うか、今年読んだSFの中では、今のところ、No.1の傑作ですよ。
ポスト9・11の対テロ戦争、管理社会、民間軍事会社、グローバリゼーションといった「今」を消化して、ここまで説得力のあるディストピアとして再構築した小説はこれまでなかったのではないかと思う。これで新人だというんだから、いやいや、凄い才能だ。
ただ、主人公の心理描写が、ちと冗長すぎるきらいがあるのではないかと思った。個人的な好みから言うと、特殊部隊員だったら、もっとハードボイルドかつドライにいって貰いたいものだけども、もし、うじうじと悩むような性格じゃなかったら、ああいうラストには繋らない訳で、ここら辺は著者の計算なのかも知れない。
なお、「それってオーメンじゃなくて、エクソシストじゃね?」と思ったところがあったのだが、著者のはてなダイアリーによると、やっぱり、チョンボだとのこと。
SFとして見た場合も、『スノウ・クラッシュ』を思わせる「虐殺の文法」が重要なピースになっていたりして、なかなか興味深いのだが、そこら辺は読んでからのお楽しみ。イチオシです。
2007-07-27(Fri) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想]
「フジサンケイ ビジネス・アイ」に連載されている同名コラム『地球を切る』の第1回から60回までに、キーワード解説と検証を付けて書籍化したもの。
連載も読んでいたが、まとめて読むと、また違った面が見えて、なかなか面白かった。ただ、内容的には、上記のコラムと同一な上、付記された部分もそれほど凄いことが書かれている訳ではないので、どうしても本でないとダメな人か、よほどの佐藤優ファン以外は、オンラインで読めば充分という気がしないでもない。
巷に溢れるお手軽なブログ本とは違い、きちんとした書籍の形態になっていることは評価出来る。
_ [読書感想][軍事]
『虐殺器官』でも重要なピースとなっていた、戦争業務を代行する民間軍事会社(Private Military Company=PMC)*1に関するノンフィクション。261ページ(巻末資料を含む)というコンパクトなページ数ながら、非常に良く取材されており、現在のPMCの実態がよく分かる内容となっている。
「戦争業務を代行」と書くと、一昔前の映画に登場する傭兵であるかのようである。もちろん、傭兵のような面もないことはないが、実際のPMCの活動はさらに幅広いものであり、要人や重要施設の警備、地雷や不発弾の処理、軍隊や警察の訓練、収容所の運営、捕虜の尋問といった軍事的ものから、食事や洗濯、掃除といった日常サービスまで及ぶ。本書は、PMCが単なる傭兵などではなく、新たな安全保障環境が求めるニーズに応えるために必然的に生まれたビジネスであり、米軍がもはや「PMCなしには活動することは不可能」とまで言われているほど、PMCと不可分の関係であることを浮き彫りにしている。
冷戦以後、世界の不安定化と、軍隊の縮小化によって職を失った軍人たちの受け皿として、規模を拡大してきたPMCであるが、今までのない形で活用されることとなったのが、イラク戦争だった。
イラク戦争にあたって、ブッシュ政権は、有権者の支持を失わないためにも、最低限の兵力での戦争遂行を目指した。そこで、足りない後方支援等をバックアップするために頼ることとなったのがPMCだった。当初は後方支援のみだったはずのPMCの投入は、甘過ぎた戦争終結計画のツケにより、その活動範囲を拡大していく。その結果として、巨額の事業がいくつもPMCに発注されることとなり、それを狙った有象無象のPMCがイラクの市場に参入。著者が「PMCバブル」と呼ぶ奇妙な好景気が生じることとなった。
本書の中では、イラクのPMCの活動については、提供される警備サービスや訓練メニューを絶賛する米軍関係者がいる一方、不正請求問題や、多重の下請け構造による中間マージンにより末端の社員に対する安全面についての費用まで削減される問題、さらには一般人に対して無差別に発砲し殺害している言語道断な事件など、様々な問題があることが明らかにされる。
PMCバブルという現象は、90年代後半のITバブルを想起させるものがある。eやiといった名前が付いた企業になんの裏付けものないまま、大量の資金が投入されたのと同様に、PMCとさえ名乗れば、*2実態のないような企業とであっても、巨額の契約が結ばれたのがPMCバブルだった。PMCというビジネスが成熟し、既存のビジネスの枠組みに組み込まれたならば、上記の問題を起こすような問題企業や、適切な「サービス」を提供できない企業が淘汰されることになるとは思われるが、その一方で戦争の民営化が加速することは間違いないことだと思われる。
PMCがその活動規模を拡大したことにより、従来で考えられなかった現象が生まれている。その一つが、PMCが提供する高い報酬や高度な訓練プログラムに惹かれ、米軍の特殊部隊からPMCへと移籍する特殊部隊員(オペレーター)が急増しているというものだ。米軍は深刻な人材流出を食い止めるべく、ボーナスの支給や訓練プログラムの見直しを行なっているという。
また、PMCの求人もその内容からは考えられないオープンなものになっている。インターネット上にPMC専門の求人サイトが多数存在し、情報機関や治安機関出身者のためのジョブフェアさえ開催されているという。「戦争代行企業に就職活動をする」という、まるでディストピア小説に登場しそうな現実は、ひどくアイロニカルに感じられる。
第7章は、英PMCの提供するジャーナリスト向けセキュリティ訓練に著者が参加した際の体験ルポとなっている。様々な訓練を経た後、東欧の紛争地を模した演習場で、TVクルーに扮した著者たち訓練生が、戦場さながらの状況での判断能力を試され、最終的には武装勢力*3に拉致され、処刑されるまでが描かれる訳だが、処刑された後の教官の
「絶対にあきらめてはいけないのよ。最後の最後までどんな小さいきっかけでもいいから見つけて生き残るように全力を尽すの」(p.236)
という言葉が印象深い。
本書はあくまでも欧米のPMCに関するドキュメンタリーであるが、日本も無関係でいられる訳ではない。著者は日本の憲法第9条改正の動きにも触れ、このように述べている。
たとえ「普通の軍隊」をもったとしても、すでに世界最強の米軍がPMCなしに軍事ミッションを遂行できない状況にあるのが、安全保障の世界の現実である。これからは日本もPMCとどのように付き合い、どのように活用していくのかという問題を避けて通ることはできないだろう。(p.14)
将来、9条が改正され、自衛隊が海外での軍事活動を本格化するならば、それをPMCがバックアップするという構造が生まれるのは必至だろう。*4本書のあとがきによれば、著者は、英PMCアーマー・グループの日本法人にコンサルタントとして加わることになったそうである。PMCビジネスが日本で広まれば、日本の資本によるPMCが生まれる可能性も考えられるかも知れない。
冷戦の終結とグローバリゼーションの拡大、そして対テロ戦争によって大きくなった、戦争の民営化という大きなうねりを知るためにも、一読をお薦めしたい。
2007-07-28(Sat) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想]
これはスゴイ本。
日本をはじめ、韓国、バリ島、エジプト、イラン、チェコ、モンゴル、インド、アメリカなど世界の屠畜についてのイラストルポなのだが、著者である内澤旬子さん自ら
屠畜という営みを心から愛し、たぶん当事者以外ではだれよりも愛している(p.363)
と書くだけあって、屠畜への愛に溢れてた一冊。幸か不幸か、屠畜とは全く縁のない生活を送ってきたので、非常に面白くて一気に読み。
屠畜*1というと、本書でも触れられている通り、それに従事した人への差別とあいまって、とかくネガティブにとらえられがちな言葉なのだが、内澤さんは、ユーモア溢れる文体とやわらかなイラストで、そんな暗いイメージを払拭し、屠畜の様子を明るく描き出している。
韓国の犬、バリの豚、エジプトのラクダ、モンゴルの羊、アメリカの牛など、世界各国の屠畜や食文化についてのエネルギッシュなルポは、読んでいて、とても楽しい。なにしろ、現地のガイドの人が尻込みするような屠場の奥まで入り込んで取材してしまうのだ。
東京の芝浦屠場を中心としたルポでは、農場から運ばれてきた牛や豚がどのような工程を経て、生産物としての牛肉や豚肉、内臓肉、皮に加工されるかが詳細に解説されると同時に、そこで働く人々の本音や、BSE対策がどのように実施されているかも知ることもできて、非常に興味深い。
なお、内澤さんは大の犬好きだそうだが、犬肉食についてこんなことを書いている。
食べてみたいと思った。だって愛犬オグの腿肉を撫でていると、ぷにぷにして旨そうだなあと思ったことが何度もあったからだ。(p.134)
母親も実家で飼っていた犬の腿を見ながら、同じことを言っていたの思い出して、おかしくかった。俺はこんなことを考えたことがないし、たぶん、父親も弟もないと思うので、女性特有の感覚なのかも知れない。今度、妻にも確かめてみることにしよう。
終章では、内澤さんが自宅の風呂場で、貰った子ガモの羽を毟る体験が綴られているのだが、「目のまわりなどは、羽を引っ張るとつられてぎょんと目が開く」という描写して、「やっぱり、そうなるよなぁ」と納得しつつ、笑ってしまった。
内澤さんのブログによれば、屠場の取材を続けられているようだ。もしかすると、続篇もそのうち出るかも知れない。今から楽しみだ。
参考
*1 本書では「屠殺」ではなく、「屠畜」が使われている。
2007-07-29(Sun) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想]
「本が好き」プロジェクト経由で献本して頂いた。
元々、SFが好きなのだが、その中でも宇宙を扱ったハードSFには目がない。ぱっと思い付くところを上げると、スティーバン・バクスターのジーリー・シリーズ、グレッグ・イーガンの『ディアスポラ』、野尻抱介の『太陽の簒奪者』と『沈黙のフライバイ』、林譲治のAADDシリーズ──。
どれも最高に面白いのだが、個人的な問題として、作中に登場する宇宙像を、実は全然理解しないで読んでいるということがあった。赤色巨星と白色矮星は「まぁ、死にかけの星かな」くらいの理解だし(双方の違いは分かっていない)、降着円盤も「ブラックホールの周りにガスっぽいものがある」くらいに思っていた。そんなあやふやな知識を最新の宇宙研究で補強してくれるのが本書。
表紙を開いて、まず驚くのが、全242ページがすべてカラーであるということ。ふんだんに使われている写真や図表も、フルカラーで非常に美しい。これで価格が1,000円(税込)なんだから驚いてしまう。新書だからと言って、「百聞は一見にしかず」の言葉通り、ビジュアル的な理解として欠かせないはずの写真を、目を凝らしても分からないようなモノクロとして掲載してしまう出版社は、ソフトバンク クリエイティブを見習って欲しいものだ。
さて肝心の内容であるが、本書は、2つの部で構成されている。最新の宇宙像について平易な言葉で解説した第1部『最新天文学入門』。8人の研究者が最新の宇宙研究をテーマ別に解説している第2部『宇宙の最前線』だ。
『最新天文学入門』の内容は非常に素晴しい。わずか50ページ足らずというページ数ながら、サブタイトルの通り「太陽系の誕生から第二の地球探し、ブラックホール、最果ての銀河まで」が網羅されていて、宇宙についての全くの初心者でも、かなりのことが短時間で理解できるような構成になっている。個人的には、ここさえ読んでおけば、宇宙関連のハードSFに登場する宇宙像の5〜6割程度は理解できるようになるのではないかと思う。
つづく『宇宙の最前線』の内容も素晴しい。最新の宇宙研究がコンパクトにまとめられており、その成果を一通り知ることができる。中でも、「はやぶさ」とはじめとする探査機による太陽系探査をテーマにしたPart1『太陽系最前線』と、著者の体験をまじえながら最果ての銀河の観測について語ったPart7『銀河学最前線』は非常に読みやすいので特筆しておきたい。
ただし、残念な部分もある。
それは、8つのパートのそれぞれで、読者の想定レベルがバラバラではないかということだ。前掲のPart1『太陽系最前線』やPart7『銀河学最前線』は、平易な言葉が使われており、初心者も視野に入れているように感じられるが、他のパートの幾つかは、率直に言って、第1部で初めて宇宙像を知ったような初心者が内容を理解することは難しいのではないかと思う。編者のあとがきによれば、第2部の執筆者たちからの原稿が遅くなったり、執筆者同士の議論を仲裁したりと(やっぱり研究者というのは議論が好きなんだろうなぁ)、色々と大変だったようではあるが、もう一頑張りして頂いて、各パートごとに、編者による内容解説を付けるなり、用語解説を入れるなりといった形で、初心者向けのクッションを置くような工夫をして欲しかったところだ。
次の機会には、ぜひ、「やさしい宇宙」や「基礎から分かる宇宙」といった感じの、初心者でも最新の宇宙研究を理解できるような本を出版して頂きたい。自腹でも買うつもりだ。
- 福江 純、粟野 由美
- ソフトバンククリエイティブ
- 1000円
livedoor BOOKS
書評/サイエンス

_ 今日のできごと
- なぜか早朝に目が覚める。
- 投票へ行く。
- 帰りにスーパーと豆腐屋に寄る。
- 午後は図書館とファミレスでまたーり。
- 夕飯を食べたら、すげー雷雨。
- 選挙特番を見ながら読書していたら、いつの間にか、うたた寝。
- 起きて、風呂に入った。←今ここ
- 寝る。
2007-07-31(Tue) [長年日記] この日を編集
_ [読書感想]
「本が好き」プロジェクトで経由して頂いた一冊。
ITから医療まで様々な分野のアウトソーシング先として注目を集めているインド。そんなインドのIT企業の中で、 革命的なビジネスモデルを実践していることで注目を集めているウィプロに迫ったノンフィクションが本書。 「ビジネス書は読んでも面白くない」と思ってきたのだが、実際に読んでみたら、本書はそんな偏見をぶっ飛ばすスゴイ本で、 一気に読了してしまった。やっぱり、読まず嫌いはいけないなーと反省すると同時に、こういう機会を与えてくれた「本が好き」 プロジェクトと英知出版には感謝。
ウィプロは元々、食用油を扱う企業だった。1966年、経営者である父の急逝より、留学先のアメリカより帰国した、現在の会長、アジム・プレムジ(なんと、当時21歳!)が舵取りを行なうことになったのだが、会社の財政状態は火の車だった。プレムジは、必死に経営を勉強し、会社の経営を立て直すとともに、1980年にはIT産業に進出。2006年には、24億ドルを売り上げるIT企業へ成長させた。現在、IT業界3位のランキングされ、新しいビジネスモデルを象徴する存在として注目されている。
本書では、ウィプロが実際に行なっている政策や業務プロセスを具体的に解説している。意外なようだが、 それほど特別なことを行なっている訳ではない。少し具体例を引いておく。
- 自社独自の価値観を持ち、それを実践する。また、名刺などに印刷して、顧客にもその存在をアピールする。*1
- どんな些細な不正であったとしても、露見した時点で、不正を犯した者はクビとなる。
- 経営について、裏工作等禁止し、秘密は一切持たない。すべてが公然と議論される(たとえトップに対してでも)。
- 必要以上のコストを削減する努力は、常に全社を上げて行なう。たとえば、臨時の出張は出来る限り少なくし、インド国内の出張には、誰であっても常にエコノミークラスを利用する。例外はない。
- 顧客には、常に最高の満足を与えるように努力し、単なる下請けではなく、「パートナー」としての地位を獲得できることを戦略目標とする。
- 他社によって確立された手法を貪欲に取り入れる。
- 社員には、訓練に次ぐ訓練をさせ、遊ばせる時間を作らせない。たとえば、営業担当は技術を知り、技術者は業界のことを知る訓練を施す。
もちろん、上記にしても、ここに上げなかった事柄にしても、一朝一夕でできることではない。しかし、決して不可能な訳でもない。強い意思と不断の努力で、どのような企業であっても、ある程度、実現できることではないかと思う。
ただ、個人的に、ちょっとマネできないと思ったのが、その働きぶり。本書によれば、ウィプロの幹部は、1日に20時間以上も働くことが珍しくなく、週末に出勤することもざらとのことだ。p.275〜277には、ある幹部の一日の行動が載せられている。4:45の起床から23:45に就寝まで、みっしりと仕事が詰まった様子には、少し眩暈がしてしまいそうだ。
インドの企業をいわゆる「外注先」としか見ず、そこから経営を学ぼうと考える日本人は、少ないかも知れない。しかし、本書を読むと、そのような姿勢は改められるべきだと強く感じる。著者はこのように説いている。
ウィプロをはじめとするインド企業は、不利な条件をすべて克服し、有力なグローバル企業へと成長を遂げた。学ぶ対象として、これ以上の会社はなかなか見当たらないはずだ。(p.323)
最近、一番注目を集めているIT企業は、なんといってもGoogleだろう。だが、率直に言って、Googleのビジネスモデルは、 あまりにも従来の企業のものとはかけ離れし過ぎていて、なかなか応用しづらいのではないかと思う。 その点、ウィプロのビジネスモデルは、まさに「地に足が着いた」ものだ。日本のIT企業は、Googleよりも先に、まず、ウィプロに 学ぶべきではないだろうか。個人的には、本書を通読して、数多くのビジネスに関するヒントが与えられたように感じている。
これから先、ますますグローバリゼーションが進み、世界のフラット化が拡大していくのは間違いないだろう。 現在、低賃金を利用したオフショアリングにビジネスの土台を置いているウィプロさえ、この状態が続くのは、あと2〜3年と見ているということだ(p.100)。 そのような状況の中で、インドや中国のオフショアリングに戦々恐々としているのではなく、「世界が俺たちの客だ」くらいの 意気込みを持ち、常に自らを改革し、果敢に世界に挑戦していく企業のみが生き残っていけるのではないか。 そんなことを考えさせられた一冊だった。
- スティーブ・ハーン、児島修
- 英治出版
- 1890円
livedoor BOOKS
書評/IT・Web

蛇足
本書の中で、ウィプロのブランド・イメージを改善するため、ロゴマークを変えたエプソードが紹介されているのだが、 残念なことに、その肝心のロゴが載せられていない。
実物は、ウィプロのサイトにて確認することができる。
*1 最近、企業の信条を「クレド」として表現することが流行しているが、それに似ているかも知れない。





