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2007-06-23(Sat) [長年日記]

_ ルー 炎上! 恥かけ、汗かけ、涙しろ(ルー 大柴)

10年以上前にブレイクした後、ぱたりとブラウン管で姿を見ることがなくなり、去年のブログ開設を機に、 また再ブレイク。テレビにラジオに歌にと、大活躍のルー大柴が自身の人生哲学と今までの人生を語ったのが本書だ。

告白すると、ルー氏のブログは、開設当初は読んでいたのだが、じきに飽きてしまって、 読むのをやめてしまった。そんな訳で、ルーマニア(ルー大柴マニア)でもなんでもない 人間なのだが、本書を読んで、「なかなか良いこと書くなー」と感心した次第。

二〇〇七年一月十四日で五三歳になった、ちょいダサおやじの私、ルー大柴ですが、自分のこれまでのライフをリトルビット恥ずかしいと思いつつ、赤裸々に表現したく、このブックをライトしました。

というくだりで始まる、本書の文体は、一見すれば分かるように、ルー氏独特のカタカナ英語混じりのルー語だらけで(と言っても、ブログと比較すれば、一般読者を意識したのか、かなり抑え気味だ)、 字面だけ見るとかなり胡散臭い。しかし、内容は実に真っ当。たとえば、本書の最初の方から少し抜粋してみると、

  • 負けてもいいからまたネクストがんばる
  • 今を打開する可能性は、バイマイセルフ、自分が動くことで生まれてくる
  • 打ちのめされて、ネクスト、次っていう目標がわかなくなったりするとジ・エンドだよ

といった感じである。もちろん、ただ、これだけであるならば、正直、誰にでも思い付くようなことを書いただけの本であるのだが、 本書の良いところは、その言葉を裏打ちするルー氏自身の経験が、前掲の引用通り、赤裸々に語られているということだ。

印刷屋の長男として生まれ、後継者として多大な期待を掛けられたがため、プレッシャーに耐えきれず 高校卒業後、逃げ出すように、海外を放浪。祖父の死を契機に帰国するが、相続問題や、両親の離婚、ルー語のルーツともなった恋人との死別を経て、 役者となり自分自身の力で生き抜くことを決意する。しかし、鳴かず飛ばずの状態が続き、離婚の危機を迎えたこともあって、 一度は役者の道を断念。その後、役者とは関係のない生活を送っていたが、縁があり、また役者への道が開かれ、現在に至るという、 ルー氏の芸風からは想像できない紆余曲折のある人生が、前向きな物言いで綴られている。

個人的には、一度は役者を諦めたルー氏が再び役者を目指すことになったエピソードが良かった。

34歳になったルー氏は、 関根勤氏が主催する劇団の公演への出演オファーを受け、関根氏に「稽古なんだからもっと力を抜いて」と言われるほど、まさに死に物狂いで稽古に取り組む。その時のことをルー氏はこう書く。

今思うと、三十四、五歳の中年ではないけど、おっさんの持っているすごさ。「もう後には戻れない、やるしかない」みたいな、オレの最後の抵抗だった気がする。(p.84)

私も自身も三十路を迎え、「ここが正念場だ」という思いを抱くことが多くなっているので、大いに共感できた。

本書は、率直に言って、人生が変わるというほどの深い本ではないし、前途に悩む10代、20代ならまだしも、既に歳を重ねてしまった30代以上が読んでも得ることは少ないかも知れない。しかし、少なくとも、本書を通じて、人生をがむしゃらにひた走る、ルー大柴という50過ぎのおやじがいることを知ることは「がんばっているのは俺一人ではないんだな」という一つの励みを得ることにはなるのではないかと思う。


ルー 炎上! 恥かけ、汗かけ、涙しろ

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書評/エンタメ・タレント

_ 晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)(大崎 梢)

『配達あかずきん』に続く、本格書店ミステリー第二弾。短篇集だった前作とは違い、今回は長篇。

サブタイトルで『出張編』と名うってある通り、本作は、主人公二人組が、老舗の書店に現われた幽霊と27年前に発生した殺人事件の謎と解くために信州に向かう内容になっており、言わば、番外編的な位置付けだ。そのため、書店ミステリー的な要素は前作と比較すると、かなり薄めではあるが、個人的には前作と同様に楽しめた。

内容はネタバレになるので書かないが、ラストの

飾り者ではない生きている本がひしめくフロアで、手から手へ、思いから思いへ、たくさんの創造物を繋げていく仕事が待っている。

という書店の仕事を表現した一文が効いている。

ちなみに、今まで知らなかったのだが、続く第三弾も既に発売されているということなので、近いうちに読んでみる予定。

_ バレエの発表会に行ってきた

近所の子が出るということで。

すげー眠くて、2時間強の発表会のうち、約1/3は寝てた。船を漕ぐ度に、隣りの妻につつかれましたよ。

しかし、プロのダンサーっつーうのは、えれージャンプ力があるもんだね。びっくりした。

Tags: 日常