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2007-06-16(Sat) [長年日記]

_ ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき(レイ・カーツワイル/井上 健/小野木 明恵/野中香方子/福田 実)

シンギュラリティ(特異点)を真面目に考察しているのが本書。

SFマガジンの書評欄で紹介されていたので読んでみたのだが、600ページ + 60ページ強の解説という大著なので読むのにかなりエネルギーが必要だった。まぁ、でも、面白くて満足。

『ポスト・ヒューマン誕生』というタイトルではあるけれども、原書タイトルはTHE SINGULARITY IS NEAR: WHEN HUMANS TRANSCEND BIOLOGYで、内容の焦点はあくまでも人類が将来どのように変化していくかということにあって、『次の人類』について論じている訳ではないことに注意。

と言うか、p.495で『ポスト・ヒューマン』という言葉に、著者が否定的な意見を書いているにも関わらず、タイトルにそれを付けてしまうのは疑問だ。『特異点は近い』っつーう、そのまんまなタイトルの方が良かったんじゃないかねー。

本書内で語られるヴィジョンは、グレッグ・イーガンを読んでいる人間には、それほど突飛なものはないと思うんだけども、「2020年代には○○ができる」と断言されると、やっぱりSF者としてはドキドキしてきてしまう。2045年くらいには、人間を超える非生命的知性が生まれるらしいので、この目で見て、出来ればコミュニケーションを取ってみたいね。そんな訳で、俺も今のうちから健康維持に務めようと決意したのだが*1、不健康なSF者には「2045年くらいまで生きて、超AIと話そうぜ!」という健康促進キャンペーンを張るのはどうか、なんてことも思ったりした。

ちなみに、II型糖尿病と診断されたことがあり、心臓病の気もある著者は、毎日サプリメントを250粒摂取し、毎週6回、栄養補給剤を静脈内投与することにより健康維持を図り、56歳の時には、40歳の生物学的年齢だったそうだ。色々な意味で凄い。

ちと気になることを一点書いておく、この本の中での現在は2007年になっているんだけど、原書が出版されたのって2005年なんだよね。たぶん、内容のアップデートはせず、単にs/2005/2007/gをしただけなんだろうけども、誠意ある態度としては2005年のままの表記にして、「文中の現在は、原書出版年の2005年を指します」みたいな断り書きを入れることではないかと思った。

まぁ、色々あるが、SF者には強くオススメな一冊。3,150円(税込)という価格は、ちと高いけどね(内容の濃さから考えると、結構、お得な感じもするけど)。

*1 医療技術も漸進的に進歩するだろうけど。

_ 竹薮の掃除

電線に引っ掛りそうな竹を切る作業。暑いんで、えれー疲れましたよ。

Tags: 日常