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ぽっぺん日記@karashi.org


2007-03-07(Wed) [長年日記]

_ 悲鳴 (ハルキ文庫)(東 直己) 悲鳴 (ハルキ文庫)(東 直己)

中年の悲哀が良い味を出している私立探偵・畝原シリーズ第4弾。

これを飛ばして『熾火』、『墜落』を読んでしまったので、改めて読んだんだけど、非常に面白かった。

ただの浮気調査だったはずが、徐々にストーカー被害やバラバラ死体遺棄事件、そして陰謀へと展開していくストーリーは、まさに畝原シリーズの真骨頂とも言えるもので、ぐいぐい読ませる。

ただ、中盤に現われる「困ったもんだ」が口癖の登場人物の存在意義がちょっと分からなかった。魅力的なキャラクターなので、もう少し深い絡め方もあったと思うんだが。

それにしても、これの続編が『熾火』というのは納得できないよなー。正直、個人的には『熾火』はなしで、『墜落』に続けた方が全体のストーリーとしては良かったんじゃないかと思う。

_ 犬は「しつけ」で育てるな! 群れの観察と動物行動学からわかったイヌの生態(堀 明) 犬は「しつけ」で育てるな! 群れの観察と動物行動学からわかったイヌの生態(堀 明)

文筆家・写真家+動物行動学研究家である堀明氏が、八ヶ岳にある「犬の牧場」にて500日近くにわたって、127匹の犬の群れを観察した結果をベースに、犬の本当の生態に迫った力作。

犬の飼い方、しつけ方といった類の本を手に取ったことがあれば、

  • イヌが散歩のときにリードを引っぱるのは、自分の優位性を主張したいから
  • 飼い主の手を咬むのは、飼い主をバカにしているから
  • 飼い主に飛びつくのは、イヌが威張っている表れ
  • イヌは、人間の家庭のボスになりたがる
  • イヌ社会の上下関係は絶対だ

というような記述を読んだことがあると思う(上記は、いずれも第1章『「犬の常識のウソ」』より引用)。本書はそんな一般に流布する犬のしつけ方をばっさりと切り捨てる。なかなか革命的な内容だ。

著者は犬の育て方・飼い方について、いくつかの主張をしているが、一番のキモは、p.193

子イヌが社会性を完璧に取得するには、生後三ヶ月かかる。(中略)もちろん親きょうだいと同じ犬舎で暮らす必要がある。

というものだろう。社会性を身に付けることにより、犬は人間と自分の違いを理解し、延いては人間社会のルールと文化を学ぶことができるようになるというのだ。初耳の説ではあるが、著者にはフィールドワークに基づくバックグラウンドがあるため説得力がある。

上記の主張は計画性を持って、犬をこれから飼おうとしている人には非常に有益なものだと思う。ただ、運命や出会いというものはなかなか計画通りいかなのが常だ。もう既に成犬になった犬を飼っている人もいるだろう。知人や友人から生まれたばかりの子犬を貰った人もいるだろう。捨て犬を拾った人もいるかもしれない。

そう言った人は本書を読んで、「もう遅いのか」と少々暗澹たる思いにとらわれるかもしれない。

しかし、悲観することなどない。著者はこうも述べている。p.207

しかし、この本を読んだあなたなら、もっと寛大に、そして気楽に考えられるだろう。 うちのワンちゃんは私と仲良くやれれば、それでOK──と。

ありったけの愛情を飼い犬に注いでやれば、それで良いのだ。

これから犬を飼おうと計画している人はもちろんのこと、犬を飼っている人も一読の価値がある一冊だ。


犬は「しつけ」で育てるな!

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