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2007-01-21(Sun) [長年日記]

_ トーキョー・プリズン(柳 広司)

※以下、ネタバレあり。

敗戦直後の巣鴨プリズンを舞台に、ニュージーランド人の私立探偵が、記憶を失なった戦犯の容疑の真相と、プリズン内で発生した殺人事件の謎を探るという一風変わった設定の探偵小説。

面白かったんだけども、正直、魅力的な設定を生かしきれておらず、惜しいなぁという印象。

明晰な頭脳を持ち、捕虜虐待の容疑をかけられている戦犯、キジマなんて、上手く使えば、非常に魅力的な人物だと思うのだが、活躍があまりなく、キジマを安楽椅子探偵*1にした連作短編みたいな形の方が良かったんじゃなかったのかなぁと思った(それはそれでストーリーを創るのが大変だとは思うけど)。

あと、クリスが操縦していた航空機が爆撃機になったり戦闘機になったりしてなんだか分からない点と、テンノウがコウキョの地下にある穴から聞こえる声を口移しに伝える云々という話は、キジマじゃなくて、ニシノから聞いたんじゃなかろうかという点が気になったので書いておく。

*1 一応、作中でも安楽椅子探偵の扱いなのだが、なんだか中途半端。

_ 戦車男(マン)―タンクバトルと戦車乗り(あかぎ ひろゆき)

また、○○男かよ、というむきもあるかとは思うが、こっちのタイトルは「せんしゃマン」と読み戦車乗りのことを言うらしい。

陸上自衛隊の状況を中心に、戦車とは何ぞやから始まり、その装備や運用方法、戦車乗りの訓練、戦車の研究開発やそのメーカーを経て、戦車ウォッチングはどこで出来るかなど、戦車についての幅広い知識が得られる、なかなかお得な本。

時折、文中に所謂プロ市民に対する反感が見られるのだが、著者の元陸自勤務・現予備自衛官という経歴を見ると、色々と嫌な目にあったんだろうなぁと想像され、それも仕方ないかなと言う感じがする。

ただ、ドイツが『節度ある』武器輸出をしているという主張(だから、日本も武器輸出してもいいんじゃね? という話なんだけども)には、ちと頷けない感じ。ドイツってそこら中に武器売りまくってね?

内容では、米軍から供与された戦車では、M-4シャーマンよりM-24チャーフィーの方が評判が良かったと言う話が面白かった。その理由と言うのが、当時の標準的な日本人の体格では、木製の「下駄」を履かないとクラッチやブレーキに足が届かなかったということ。俺の大好きな『征途』(佐藤大輔)でも、警察予備隊がシャーマンを装備し、北海道戦争でT-34とガチンコ勝負をしている訳だけども、操縦手がみんな下駄を履いていたことを想像すると、かなり間抜けな感じだ。

あと、90式戦車の調達価格が当初の10億円以上から現在の8億円程度まで下がったのは、量産効果の賜物ではなく、バブル崩壊以降のデフレ経済による工賃低下のためという話も興味深かった。実は俺も「量産効果」という話を信じていたんだけれど、確かに200輌程度で量産効果が出る方が不思議だ。

他にも色々と実際に陸自に勤務してみたいと分からない知識が開陳されていて、ごくごく浅いしか持たない軍ヲタとしては面白い一冊だった。

_ BIOMEGA 1 (ヤングジャンプコミックス)(弐瓶 勉) & BIOMEGA 2 (ヤングジャンプコミックス)(弐瓶 勉)

本屋でたまたま見付けて、即買い。で、電車の中で2冊を一気読み。

うはー。めっさ面白いですよ。めっさカッチョいいですよ。

弐瓶勉ファン、いや弐瓶勉ファンじゃなくても、SF好きならマスト買え。

続刊が待ち遠しいー。