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2005-09-20(Tue) [長年日記]

_ void GraphicWizardsLair( void ); //より:/usr/local/qmailscan/quarantine-attachments.txt [email protected]

うちの会社にもinfo@*.comから出会い系spamが大量に来ていて辟易していたので、*1さっそくメールサーバの/usr/local/qmailscan/quarantine-attachments.txtに追加。

と思ったけど、/var/qmail/control/badmailfromに追加することにした

なんか受信してしまうのも腹立たしいので、

awk '{print $1}' spamlist.txt >> /var/qmail/control/badmailfrom

でアドレスを使わせて頂いた。

Tags: FreeBSD djb

*1 最近はbsfilterが学習してくれたのであまり気にならなくなったけど。

_ アレステア・レナルズ/中原尚哉訳『啓示空間』

10月上旬にハヤカワSF文庫で出るらしい。

SFマガジンに掲載していたレナルズの短編/中編を拾い読みしているところだったので、非常にタイムリー。買おう。

Tags: SF

_ スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)(アントニー・ビーヴァー/堀 たほ子)

先週読了したのだが書くの忘れてた。

俺のような戦史関係の読書量が少ない人間がおこがましい気もするが、敢えて書くと、これはマジに傑作です。

東部戦線と言うか、ヨーロッパでの第2次大戦の推移全般についてあまり知識がなく、スターリングラードについても

「パウルス率いる第6軍がヒトラーの横槍で、戦略的には不必要だったスターリングラードへ侵攻し、町を防衛するソ連軍と壮絶な市街戦を繰り広げる。戦線が膠着状態に陥った時、ソ連軍が秘匿しつつ準備を行なっていた大奇襲作戦を敢行し、第6軍は包囲される。マンシュタイン率いるドン軍集団が第6軍救援のための解囲を企図するが、ソ連軍の反撃により頓挫。補給が停滞し、物資欠乏により継戦能力を消失した第6軍は、遂に降伏する」

という感じの表面をなぞったくらいの知識しかなった(あと映画「スターリングラード」を見たくらいか)。そんな訳で初めて知ることばかりだったのだが、特に驚いたのが、p493の

「バッサギノ駅近くで二八両のソ連軍戦車が攻撃してきたが、ヒルシュマン中尉は独力で高射砲を操作してこれを阻止した。この戦闘で彼は一五両のT-三四を破壊した」。

という記述。

たった1人で(それもソ連軍による長期間の包囲により第6軍全体が食糧にさえ事欠くという状態だったので、万全とはとても言えない身体状況だったと思われる人間が)28両の戦車(もしかしたら全部T-34)と戦って、そのうち15両を破壊とは凄すぎ。

あと、他にも

  • マンシュタインのヒトラーに追随する冷淡な機会主義者的な面を浮き彫りにしていること*1
  • バルバロッサ作戦当初からドイツ軍全体でソ連軍捕虜、ユダヤ人、ソ連役人の組織的虐殺を行なっていたこと
  • 民間人からの略奪を常習化していたこと
  • 包囲された第6軍になんと5万もの(場合によってはそれ以上)ロシア人補助兵が含まれていた事実
  • スターリングラードでの市街戦において、ソ連軍内でスナイパーをヒーローと崇める狙撃熱が流行ったこと*2
  • ソ連内での「ドイツ兵によってロシア娘が強姦される」というプロパガンダが、ドイツ侵攻時のソ連兵による集団強姦の一因となったこと
  • 少なくとも一部ドイツ将兵は、キューベルワーゲンよりもソ連側のジープ(明言されていないが、たぶんレンドリースされたもの)を評価していたこと
  • 掲載されているゲーリングの写真が非常に変態っぽいオーラを醸し出していること

などなど興味深い記述が満載だった。

しかし、欠点がない訳ではなくて、内容と言うよりも主に編集的な問題なのだが、副次的な資料がほとんど含まれていないため、俺のようなスターリングラードにおける基礎知識がない人間はなかなか理解するのが大変。

特に困ったのが地名。新しい地名が出る度に、ページ中途にある戦況図に戻るのだが、本が分厚いものだから、図があるページに付箋を付けておかないとすぐどのページか分からなくなる。戦況図は巻頭にまとめて持ってきて、他にも二次的資料として、理解を助けるための地図を何ページか入れる配慮が欲しかったかも。

あと人物名も入り乱れるため、できれば主要人物一覧も欲しかった。

と、まぁ、色々書いたが、戦史に興味がある人には強くお薦めできる本です、ということでまとめ。

*1 的外れかもしれないが、なんとなく源田実を連想した。

*2 これが映画「スターリングラード」(原作「鼠たちの戦争」)の元ネタっぽい。ただしザイツェフは実在の人物だが、本書によると、トルヴァルト(と明言はされていないが)は架空の人物らしい